火山大地に広がる10のコース──海南島の巨大ゴルフリゾートのミッションヒルズ海口

27.中国ゴルフ
27.中国ゴルフ

1994年、中国本土にまだ数えるほどしかゴルフ場がなかった時代に香港資本のMission Hills Group(観瀾湖集団)が深圳の郊外に216ホール(18×12コース)の世界最大級のゴルフリゾート「ミッションヒルズ深圳」を造り、成功を収めた。

それから10数年後。

中国政府が海南島をアジアのスポーツ・レジャーの一大拠点に育てるという国家戦略を打ち出したタイミングで、観瀾湖集団は2010年に海南島の省都・海口に深圳とは違ったコンセプトで火山地形を活かした10コースの「ミッションヒルズ海口」を造り上げた。

深夜便で到着し、朝5時半にミッションヒルズ海口に到着。まだ真っ暗だった。

深圳のミッションヒルズは、ジャック・ニクラウス、グレッグ・ノーマン、アニカ・ソレンスタム、ニック・ファルドなど、世界の名プレイヤーたちがコース設計に参加し、彼らの名前をそのまま冠しているのが特徴で「ゴルフ界の殿堂コース」的なラインナップであるが、海口のミッションヒルズは「火山地形をどう活かすか」をテーマに据え、名前も「ブラックストーン」や「ラバフィールズ」など地質や景観を意識したものになっていて、深圳とはまた違う方向性でコース設計してるようだ。

海口のミッションヒルズも深圳のミッションヒルズのコースを設計・監修したプロゴルファーにまつわるディスプレイがあちこちに展示されていた。

そして、クラブハウスの壁には全10コースをジオラマ化したマップが飾られていた。

全10のコースを簡単に紹介しておく。

10コースともLee Schmidt / リー・シュミットBrian Curley / ブライアン・カーリーが設立した、Schmit-Curley Design / シュミットカーリーデザイン社が設計している。深圳のミッションヒルズも各コース名には、ゴルファーの名前が名づけられているが、本格的に設計はせずに監修程度で12コース中10コースはシュミット・カーリー・デザイン社が設計しているらしい。

1 Blackstone Course Par 73、7,808 yd 火山岩地形を活かした壮観なフラッグシップコース
2 Sandbelt Trails Course Par 72、7,297 yd オーストラリアのサンドベルト地帯のリンクスをイメージしたコース
3 The Vintage Course Par 72、約7,363 yd ゴルフコース黄金期のクラシックスタイルをモデルにしたコース
4 Stepping Stone Course Par 54、約2,176 yd パー3コース。戦略性高く短距離プレーを楽しめる
5 Lava Fields Course Par 72、7,475 yd 溶岩野が舞台。ダイナミックなリンクス風
6 Meadow Links Course Par 70、6,673 yd アメリカ東部の全米オープンコースをモデルにしたコース。Church Pewバンカーがあるので多分モデルはオークモントCC。
7 Stone Quarry Course Par 70、約6,029 yd 採石場をテーマにしたコース。ピート・ダイ設計コースがモデル。
8 Double Pin Course Par 54、約1,921 yd パー3コース。全ホール簡単なピン、難易度の高いピンと2つのピンが設置されている。
9 The Preserve Course Par 70、6,535 yd 花木に囲まれた穏やか設計で初・中級者向けコース。
10 Shadow Dunes Course Par 70、約6,428 yd 起伏のある巨大なグリーンが特徴でショートゲームの技術を試されるコース

今回はNo.3コースのビンテージコースをラウンドしてきた。

フラッグシップコースのブラックストーンコースをラウンドしなかった理由は、直前に私は右目が見えにくくなり、ゴルフも久しぶりなのでボールが上手く打てる自信もないので、高価なメインコースをラウンドするより、安価なビンテージコースで三日後のシャンキンベイのゴルフに向けて気楽に練習ラウンドしたかったというのと、ビンテージコースは私が大好きなクラシックテンプレートをテーマにして設計していて興味があったのもある。

ビンテージコースの感想はこの後の記事でまとめようと思う。

ラウンド後にショップエリアを軽くチェックしてみた。

キャロウェイやタイトリストなど主要ブランドのテナントがずらりと並んでいて、最初は「お、ペブルビーチのショップ街みたいだな」と思ったけど、実際に見て回ると雰囲気はだいぶ違う。
ペブルビーチでは、店を覗いて「なにか掘り出し物あるかな」とワクワクするけど、ミッションヒルズ海口は完全にアウトレットモールのような印象で、買い物しようって気持ちにはならなかった。

さらに驚いたのがヤーデージブックの扱い。全10コースあるうち、置いてあるのはNo.1コースの「ブラックストーン」だけ。あとの8コース(パー3は除く)には作ってもいないらしい。ゴルフを本気で「文化」として根付かせようとするところにまで到達できてないのが残念だった。

リゾートとしてのスケールは圧倒的だけど、全体的に「ゴルフってこういうもんでしょ?」っていう表面的な理解のもとで運営されてるような印象を受けた。

と、あくまでも世界基準として評価するとそういう評価になり、ゴルフ文化の熟成という意味では、まだ「発展途上」と言えるかもしれないが、日本にはこの規模のゴルフリゾート自体がそもそも存在してないし、火山台地という唯一無二のロケーション、そして10コースを備えた圧倒的スケールは、今後の発展に大きな可能性を感じた。

     

I’m a golf-a-holic man. ゴルフバカです。

ゴルフのためなら世界中どこでも行きます。食事とお酒も大好きな食いしん坊ゴルファー。

2021年6月現在、日本国内約600コース、海外は約300コースをラウンドしているコースマニア。現在、世界中をゴルフ旅しています。ゴルフの腕前は平均スコア90前後のアベレージゴルファー。典型的なエンジョイゴルファーです。

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