タイのアユタヤにあるAyodhya Links(アヨダヤリンクス)をラウンドしてきた。
2007年開場、設計はPeter Thomson(ピーター・トムソン)。
まず印象的なのは、その名が一般的なAyutthaya(アユタヤ)ではなく、古い聖地の呼び名であるAyodhya(アヨダヤ)を冠している点だ。
アユタヤという地名自体が、ヒンドゥー教においてヴィシュヌ神の化身であるラーマ王が治めた「地上に現れた天国」を意味するAyodhyaへのあこがれを込めて名付けられた。コース名を名づけるときにあえて古い聖地の呼び名である「アヨダヤ」を使うことで、「ここは俗世から切り離された、ゴルフにおける理想郷である」というメッセージを込めている。
アヨダヤは、タイNo.1コースと言われていて、2015年にはゴルフマガジン社「Top 100 Courses in the World」の76位にランクインし、2017年も76位をキープ。2019年にはランク外になったがタイで唯一TOP100にランクインしたコースでもある。
実は、この2015年と2017年の世界TOP100ランクインには、オーナー兼ファウンダーであり、タイの政財界に強い影響力を持つ実業家 Pitak Intrawityanunt(ピタック・イントラウィティヤナント) の功績が大きい。
開場から4年後の2011年10月、記録的な豪雨によりアユタヤ地区全体が冠水した。アヨダヤリンクスも例外ではなく、コース全体が数メートル水没し、数週間にわたって水が引かず、フェアウェイの芝は全滅するというゼロからの再出発を余儀なくされた。
このときピタック氏は、単なる復旧ではなく、世界基準のコースへ進化させることを目指して大規模な再工事を行った。
工事は約1年に及び、芝を全面的に張り替え、グリーンのアンジュレーションを以前より複雑にし、戦略性を高める改修を自ら行った。さらに洪水対策として周辺の堤防を強化し、コース下には排水パイプを張り巡らせ、雨が降っても常に最高のコンディションを保てる排水システムを構築した。
2013年に完全再開することができ、このタイミングで世界中のゴルフコースのパネリストを招待したのだと思う。
そうした逆境に立ち向かった彼の情熱と、そこからの見事な再生が、世界の選考委員の心を動かし、2015年、2017年と76位にランクインする結果につながったのだと思う。
実際、ピタック氏はほぼ毎日コースにいて、メンバーやゲストを温かく迎えてくれている。私がラウンドしているときもカートに乗ってやってきて、コースの感想を聞いてきた。
17年前にタイに来たときは、当時タイNo.1コースと言われていた Thai Country Club(タイカントリークラブ) をラウンドし、その緑色のフェアウェイに感動したが、アヨダヤリンクスはそれ以上のメンテナンスで、とにかくコースコンディションが素晴らしかった。
日本でいうと 軽井沢ゴルフ倶楽部 と同じぐらい隙のないメンテナンスのレベルで、コースには我々以外のゴルファーは見当たらず、広々としたコースを貸し切ったような状況でゴルフが楽しめる。まさにゴルフの理想郷だった。
現時点でタイNo.1のコースだと言っても間違いないと思う。
コースレイアウトの評価としては、ウォーターハザードが全18ホールに絡み、いかにもタイのゴルフ場という感じで、メモラビリティという点では世界TOP100にランクインしている個性的なコース群には一歩譲るかもしれない。ただ、変化に富んだレイアウトの中で、適度に高低差のある地形と小川、池を景観の一部として美しく活用しており、非常によくできた優等生的なコースだというのが私の評価である。
派手なメモラビリティで印象を残すタイプではない。
むしろ、スケールの大きさと静かな緊張感、そしてショットの精度とパッティングの技術を問う設計によって評価を積み重ねてきたコースという印象である。豪華さや閉鎖性だけで語られるコースではなく、オーナーの強い思いと災害からの再生の歴史まで含めて、アヨダヤリンクスはタイを代表する特別なコースだと思う。
ティーはチャンピオンシップ(ブラック)、ブルー、ホワイト、イエロー、レッドとあり、チャンピオンシップは7097ヤード、ブルーも7097ヤードもあるのでホワイトの6401ヤードからティーオフした。
1番ホール 366ヤード パー4
コース右にはグリーン横まで池が続き、左サイドにも池が配置されているストレートなパー4



2番ホール 378ヤード パー4
ホワイトティーは左サイドに池が続くパー4だが、ブルー、ブラックティーはこの位置の左後ろからのショットになるので池越えのティーショットになる。

左にも池が続くのがわかるが、実は右側もずっと池が続いている。

グリーンからコースを振り返った風景。

3番ホール 543ヤード パー5
グリーン手前で左にドッグレッグしているパー5

両サイドはずっと池が続く。ティーショットはフェアウェイは広いがセカンドショットから狭くなる。


ホール自体は素直なストレートだが、グリーンは池を回り込むように左に配置されている。


グリーンから振り返った風景。

4番ホール 165ヤード パー3
池越えのパー3

5番ホール 421ヤード パー4
距離のあるストレートなパー4

コースの左には池が続く。

6番ホール 335ヤード パー4
写真はブルーティー(392ヤード)からの風景。ホワイトティーからは距離の短いパー4。


7番ホール 151ヤード パー3
グリーンが横長のパー3

グリーンから振り返った風景。

8番ホール 521ヤード パー5

セカンドショットはクリーク越え。


グリーン右サイドは池。

9番ホール 391ヤード パー4
左に池が続く、左ドッグレッグのパー4

アウトコースではこのホールが一番、タフで面白かった。

10番ホール 343ヤード パー4
グリーンが池越えのストレートなパー4。フェアウェイセンターにバンカーが配置されている。



グリーン奥から振り返った風景。

11番ホール 306ヤード パー4
距離の短いパー4


12番ホール 153ヤード パー3
池に囲まれたアイランドグリーンのパー3。グリーン奥にも2つバンカーが配置されている。

13番ホール 513ヤード パー5
ティーショットは池越えのストレートなパー5

セカンドショットはクリーク越え。

サードショットもクリーク越えなのでこのホールは全ショットがウォータハザード越えのショットのホール。



14番ホール 407ヤード パー4
距離のあるストレートなパー4

コース途中から左右には池が配置されている。グリーンは打ち上げ。

グリーン奥から振り返った風景。

15番ホール 345ヤード パー4
ティーショットもセカンドショットも池越えになるストレートなパー4。
ティーショットの狙い目は右側がよいが右には長いバンカーがグリーン手前まで続いている。



16番ホール 162ヤード パー3
手前に4つのバンカーでガードされているパー3

17番ホール 525ヤード パー5
右ドッグレッグのパー5

グリーン手前にはクリークが流れている。



18番ホール 376ヤード パー4
やや右ドッグレッグのパー4。ブルーティーはこの位置から遥か右後ろのアイランドティーボックスから池越えのティーショットになる。

グリーン横までずっと池が続く。





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