1901年、イギリス出身のアーサー・ヘスケス・グルームが六甲山の別荘に造った4ホールのゴルフコースが神戸ゴルフ倶楽部の前身。
今の1,2,3,6番ホールがその4ホールになるようです。
別荘はグルーム氏が、神戸の外国人居留地の101番でお茶の貿易をしていたこともあり、同じ101番をつけて101番屋敷と呼ばれていたようです。
クラブハウス横のテラスの片隅に101番の石碑がありました。
神戸ゴルフ倶楽部は、キャディさんが四人分のバッグを担ぐのでクラブは10本選んで、専用のバッグに入れかえます。
ラウンドもハイキングするような感覚でラウンドできるので大好きなコースです。
各ホールにはホール名がつけられているのでそれと合わせてコース紹介をします。
この日は、白ティーから。
1番ホール(Dumpie) 170ヤード パー3
打ち下ろしのパー3
グリーンまでの道のりは左に傾いていますのでフックボールは要注意。
もちろん、私のボールはフックで坂道を下っていきました。。
Dumpie(ダンピー)は、グルーム氏のお気に入りのスコッチのようで、このホールでホールインワンした人にDumpieを1ダース、プレゼントしていたようです。
ダンピーについては次の記事で紹介します。
2番ホール(Kobe) 173ヤード パー3
打ち下ろしのパー3
現在は木が生長してみることができませんでした。
右は3番ホールなのでセーフですが、左はOBです。
3番ホール(Bishop’s) 182ヤード パー4
打ち上げのパー4。182ヤードしかありませんが、強烈な打ち上げになっています。
ホール名の由来の意味はわかりませんでした。
4番ホール(Styx) 195ヤード パー3
ティーグラウンドからグリーンに向けて大きくへこんでいるパー3
ホール名のStyxは三途の川という意味で、昔はこのホールに川が横切っていたようです。
5番ホール(Yokohama) 202ヤード パー3
距離のあるパー3
ホール名のYokohamaは、1906年、横浜の根岸競馬場内に日本で三番目につくられたゴルフコースのゴルフ倶楽部(日本レースクラブゴルフィング・アソシエーション)のことを指すようです。
当時は神戸と横浜のゴルフ倶楽部の対抗戦が交互に会場を変えて開催されていたようです。
神戸は当時はサンドグリーンで横浜は芝のグリーン。
そして神戸は山岳コースで横浜はフラットなコースという違いがあり、それぞれホームが有利だったようです。
ちなみに日本で二番目のゴルフ倶楽部は兵庫県、魚崎につくられた横屋ゴルフアソシエーションで、場所を変えて鳴尾ゴルフ倶楽部へと変わっていきます。
6番ホール(Rokkosan) 193ヤード パー3
打ち上げのパー3
ホール名のRokkosanはまさしく六甲山のことで、六甲山の山頂に向かってティーショットするから名づけられたような気がします。
7番ホール(Ponds Asinorum) 260ヤード パー4
左ドッグレッグのパー4。神戸ゴルフ倶楽部らしさが出ているブラインドホールです。
ティーショットの狙い目は小山の左に見える電柱のやや左あたり。
もしくは小山の頂上150ヤードを狙うかどちらかです。
左に行きすぎるとOBです。
ホール名のPonds Asinorumですが、Asinorumを検索するとPons Asinorumが引っかかりました。
ラテン語でロバの橋という意味のようです。
もう少し詳しく調べてみると幾何学の「ユークリッド言論」に、二等辺三角形の両底角は相等しいという命題があり、証明の過程で形成される線分が橋のように見えて、この命題の証明ができなかった学生を、この橋を越えられなかった愚かなロバに例えられたようです。
この話を元に初心者には難しい問題のことを指すようになったとのこと。
ではなぜコース名が、Pons(ラテン語の橋)ではなくPonds(英語の池の複数形)になっているのかを調べてみると、クラブハウスのレストランのテーブルに敷かれている紙製のテーブルマットにヒントがありました。
受付と会計は町役場のような感じ。これまた味があり素敵です。
ラウンド中は池には気づきませんでしたが、どうやら左のOBゾーンには池があるようです。
つまりPons(ロバ)とPonds(池)をゴロ合わせしたのではないでしょうか。
初心者にはこの池を越えることが難しい
という意味ではないかと。
8番ホール(Excelsior) 216ヤード パー4
打ち上げのパー4
打ち上げなので、まさにホール名通りですね。
ティーショットは狙うなら右側を狙うほうが安全です。
9番ホール(Kuban) 149ヤード パー3
写真では見えませんが、グリーン手前にはバンカーがあります。
通常ならここでハーフ終了ですが、神戸ゴルフ倶楽部はコースレイアウトの関係上、次の10番ホールが終了して一区切りです。
10番ホール(The Boundary) 167ヤード パー3
グリーンまでくぼ地になっているパー3
ホール名のThe Boundaryは境界という意味。これはインコースのスタートという境界ではなく、このホールが終了したら小休止という区切りの意味のほうが強いかも。
我々はクラブハウスには戻らずにそのままスループレイすることに。
11番ホール(Doctor’s Nob) 190ヤード パー3
小山でブラインドになっているパー3
ホール名のDoctor’s Nobの意味は医者の頭。
由来は想像ですが、おそらく当時のグルーム氏の知人か倶楽部のメンバーにこのホールの小山にそっくりな禿頭(サザエさんの波平のような)の医者がいたのではないかと。
目印の木から望むグリーン
左のフェアウェイは12番ホール。右は15番ホール。
12番ホール(Long Valley) 331ヤード
谷越えで打ち上げのパー4
ホール名のLong Valleyは、見たとおりで長い谷。
13番ホール(Purgatory) 193ヤード
打ち下ろしのパー3
ホール名のPuratoryは煉獄という意味。
煉獄は天国と地獄の間にあり、天国に行く前に罪を悔い改める場所です。
次の14番ホールと対になっています。
14番ホール(Paradise) 167ヤード
打ち上げのパー3
こちらのホール名はParadise。
グリーンは、まさに楽園(天国)を指すのでしょう。
強烈な打ちあげなので楽園には簡単に行けません。
15番ホール(Groom’s Putt) 396ヤード パー4
ブラインドになっている左ドッグレッグのパー4
左すぎるとOBになるのでフェアウェイのセンターを狙います。
ホール名のGroom’s Puttは、調べてみると一番長いこのホールでグルーム氏が「パターだけで勝負しよう」と挑んだホールだからとか。
パターだけでラウンドしたら、何打かかるんだろう。一度はやってみたいかも。
16番ホール(Quarry) 309ヤード パー4
右ドッグレッグのパー4。このホールも重機を使わずつくった神戸ゴルフ倶楽部らしいホールです。
ティーショットの狙い目は右の山の斜面の真ん中あたりにポツンと生えている木。
フェアウェイは山の斜面にそって左側に大きく傾斜しているのでナイスショットでもラフに転がる可能性が高いです。
そのため目標の木の右側を狙ってもいいぐらいです。
ホール名のQuarryは採石場という意味。おそらくこのホールのどこかに採石場があったのだと思います。
六甲山は御影石で有名なのでおそらく御影石の採石場だったはず。
17番ホール(Shorty) 125ヤード パー3
一番距離が短いパー3
ホール名のShortyは、その名の通り一番短いホールだからでしょうか。
18番ホール(Doech & Doruis) 245ヤード パー4
打ち下ろしの左ドッグレッグのパー4。
フェアウェイが狭いので右の土手を狙うぐらいでちょうど良いかも。
ティーグラウンドは右の山の中腹にあります。
左側のフェアウェイは16番ホールのフェアウェイ。
ホールの名のDoech&Doruisはゲール語で「一杯やって帰ろう」の意味のようです。
神戸ゴルフ倶楽部は、パー3が11ホール、パー4が7ホールでパー61のコースでしたが、パー3が長いホールが多く、ラフも厳しいタフなコースでした。
コースはタフでしたが、倶楽部全体がのんびりした雰囲気に包まれ、ほのぼのゴルフを堪能できました。
ここだけ時間の流れがゆったりと流れているような感じでした。
また天気のよい日にハイキング気分でラウンドしたいコースです
コメント
歴史を感じることができる、とてもよいゴルフコースでした
パー61なのですが、結構タフで楽しめました。
スコアは散々でしたけど
なんか背筋がピンと伸びそうな佇まい
ボクはホームコースのラウンド終えてきました