1939年に発表された世界初のTOP100ゴルフコース(第二回)

01.ゴルフの話題
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1939年にナショナルゴルフレビューというゴルフ雑誌で、世界で初めて世界のゴルフ場TOP100ランキングが発表されたという前の記事の続きです。

ランキングは前の記事を参照してください。

まず、ランキング上位に目を向けると5位にロイヤルセントジョージズ(2013年29位)と7位に廣野(2013年37位)がランクインしていて現在のランクより大幅に上位に格付けされていることが目につきます。

ロイヤルセントジョージズの格付けが上の理由

5位のロイヤルセントジョージズが当時、なぜ現在より評価が高かったのかを考えてみると、1890年ごろまで全英オープンのローテーションコース(Rota)は長らくプレストウィック、セントアンドリュース、マッセルバラの3コースの持ち回りでした。その後、 1892年にマッセルバラが外れ、代わりにミュアフィールドに。そして1894年にはロイヤルセントジョージズがRotaに入りました。これは、初のスコットランド国外での開催(イングランド開催)になった記念すべき回でもありました。以降、ランキングが発表される1939年までに8回もロイヤルセントジョージズで全英オープンが開催され、これは第1回から第12回大会まで連続で開催されたプレストウィック(24回)を除くと、15回開催されたセントアンドリュースに次いで多い開催回数だったということもあり、当時は今以上に特別なコースとして認められていたからではないでしょうか。同じような理由で14位にロイヤルリバプール(2013年69位・1939年の時点で全英オープン開催7回)がランクインしていて、現在より評価が高いのも納得できます。

歴代の全英オープン開催コースはこちらにまとめてあります。


廣野の格付けが上の理由

次に2013年に37位の廣野が7位である理由は、長い歴史の中で廣野は改造されてしまい、開場当時の荒々しさがなくなっていき、大人しくなってしまったことでパネリストの評価が下がっていったのが大きな理由ではないかなと思っています。

逆に11位のオーガスタナショナルはその後、マスターズの開催を繰り返し、改造を続けてより洗練されたコースに進化していけたことで現在の3位の評価を得たのだと思います。(※マスターズブランドの効果もあると思いますが)

廣野は、もちろん今でもダントツのアジアNo.1のコースであると思っていますが、元々、もっと素晴らしいポテンシャルを持っていたコースだったというのが7位というランクからもわかります。

廣野は原点回帰するために今年の1月からリノベーションを行い、昨日の10月1日にオープンしたばかりです。そういう意味で、今回の2019年のランキングの次の2年後の2021年の廣野のランキングが楽しみです。


現在のTOP100の上位で1939年でランクインしていないコース

現在TOP100コース(2013年以降)の中で当時のランキングに入っていないコースが22コースもあります。(もちろんこの22コースはすべて1939年より前に開場されているコースのみ。前の記事の2つめの表)

TOP100の中の50位より下の差は、おそらく極わずかの差で少しのリノベーションや時代の流行でランキングが上下しますので、ここでは現在TOP20以内に入っているコースのみピックアップしてみます。
2013年の14位ロイヤルドーノッホと19位のクリスタルダウンがランクインしていません。特にドーノッホがランクインしていないのは意外でした。


国別のコース数について

次に1939年と2013年のランキングでそれぞれ国別に何コースあったのか比較してみます。目につくのは1939年では、南アフリカから4コースも選出されていることです。その理由はなぜなのでしょうか。そのうち3コースがSV.Hotchkinという設計家が設計しているコースのようです。当時、南アフリカは南アフリカ連邦でイギリスの影響化に置かれていたことでゴルフ文化が広がったのだと思います。南アフリカにゴルフ旅に行くことがあれば4コース全てラウンドして南アフリカのゴルフを感じてみたいと思います。

その他、意外なのはキューバ、マダガスカル、セイロン、インドシナなどからも選出されていますが、当時の欧米の植民地や傀儡政権などの関係から各国に早い時期からゴルフ場が建設されていたことを考えると不思議ではありません。パネリストの方針として広く世界中から満遍なくランク入りさせようとしていたのではないでしょうか。

1939年
アメリカ41
イングランド20
スコットランド7
カナダ5
南アフリカ4
オーストラリア3
日本3
フランス3
北アイルランド2
アイルランド2
オランダ2
ベルギー2
ドイツ1
バミューダ1
キューバ1
マダガスカル1
セイロン(スリランカ)1
インドシナ(ベトナム)1
2013年
アメリカ46
イングランド10
スコットランド13
カナダ2
南アフリカ1
オーストラリア7
日本3
フランス1
北アイルランド2
アイルランド5
メキシコ2
ニュージーランド2
ウェールズ1
スペイン1
ポルトガル1
ドミニカ共和国1
中国1
韓国1

1939年にランキング入りして現在はランク外のコースについて

1939年のランキングを見ているとよく知っているコース、全く知らないコースなどが混在していて、現在(2013年以降)ランクインしていないコースは全部で約半数の49コースもあります。全コースを紹介することは、冗長になるので、あまり知られていないコースを簡単に紹介していこうと思います。

候補から外すコースは、アメリカのコースで2013年の全米TOP100にランキングされているコースと「シーアイランド」。

イギリスのコースで「ロイヤルノースデボン」、「グレンイーグルズ」、「セントジョージズヒル」、「ロイヤルシンクポーツ」

これらは、有名なので今回は割愛します。それでも37コース分あるのでまた後日、「1939年に発表された世界初のTOP100ゴルフコース(3)」として紹介したいと思います。

1939年に発表された世界初のTOP100ゴルフコース(3)」を公開しました。

     

I’m a golf-a-holic man. ゴルフバカです。

ゴルフのためなら世界中どこでも行きます。食事とお酒も大好きな食いしん坊ゴルファー。

2021年6月現在、日本国内約600コース、海外は約300コースをラウンドしているコースマニア。現在、世界中をゴルフ旅しています。ゴルフの腕前は平均スコア90前後のアベレージゴルファー。典型的なエンジョイゴルファーです。

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