マリオット(JW Marriott Phu Quoc Emerald Bay)のバー Department of Chemistry に飲みに行った。
ここはリゾートの世界観の中で化学の研究室という設定を持つバーで、バーテンダーが「chemists(科学者)」として目の前でカクテルを作るのが売りらしい。エメラルドベイ(Kem Beach周辺)の景色を見ながら、実験器具のようなガラス器具が並ぶ空間で飲む、というコンセプトの店だ。
営業時間は毎日16:00〜24:00。
この日は16時のオープンに合わせて、開店と同時に入った。
理由は、マリオットは島の東側の海岸にあり、ここではサンセットが見られない。だから夕日が沈む前に軽く飲んで、サンセットの時間帯には西側の海が見える場所へ移動するつもりだった。
場所はフロント棟の建物を通り過ぎて海側へ歩き、数分。海が見えるビーチ沿いの建物にある。


この開放的な建物に研究室風のバーがある。


海に向かって足を伸ばせるソファー席もあったが、バーテンダーがカクテルを作るテーブルの前にカウンター席があったのでそこに座った。


海が見えるカウンターには薬瓶が並んでいて、チャームのナッツは試験管に入ってサーブされて南の島の実験室という雰囲気はばっちり。


1杯目はフーコックの胡椒を使ったカクテルをオーダーした。フーコックは胡椒の産地としても知られていて、島らしさをカクテルで表現している一杯。
「DITCH THE FILL」
アブソルート・ウォッカに、バカルディ・カルタ・ブランカをフーコック産ブラックペッパーで漬け込んだ自家インフュージョンラムを合わせ、搾りたてライム、きゅうり、ミント、タイムシロップで組み立てた一杯。


ビーカーやフラスコが店内のいたるところに飾られていてコースターも元素記号。


2杯目は、シグネチャーカクテルのPhu Quoc「Pho」を選んだ。
ハーブのニュアンスが特徴のSaigon Baigur Ginとコアントローをベースにしていて、最初はレモングラスとシナモンの香りが重なる。その後に、ホーリーバジルとパクチーの余韻がすっと伸び、最後に八角とシナモンのスモーキーな香りがふわりと立ち上がる。飲んでいるうちに、あのフォーの香りが自然と頭に浮かんだ。
フォーをイメージしたカクテルはこれまで何杯も飲んできたが、ここまでフォーの要素を感じられたものは初めてだった。複雑味の作り方も見事で、今まで飲んだフォーカクテルの中で一番美味しかった。


締めはKEM-ISTRYをオーダーした。
ケムビーチ沿いにあるこのバーらしく、“Kem” と “Chemistry” を掛けたネーミングに惹かれた。メニューにも「晴れた夏の日に、少し熱くなったラボの化学者だけが作れる調合」みたいな遊び心ある説明が添えられていて、実験室をテーマにしたDepartment of Chemistryの世界観にぴたりとハマっている。
ベースはダラット産いちごをインフューズしたカンパリ。そこにライム&オレンジジュース、ストロベリーシロップ、クリームミルクを合わせる。甘酸っぱさと柑橘の香りのあとにカンパリのほろ苦さが追いかけ、最後はミルクが全体をやさしく包み込む。さっぱりしたデザート感があって、締めにちょうどいい一杯だった。
ちなみにベトナム語でKemはアイスクリームのこと。アイスクリームの要素を“化学”でカクテルに落とし込んだ、見事なネーミングと味だった。

長居したかったが、サンセットを見るために西側の海が見える場所に移動することにした。



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