川底だった地に造られた錯覚に戸惑う名コース

[日光カンツリー倶楽部 ]

栃木県の日光カンツリー倶楽部をラウンドしてきました。

日光CCの設計は井上誠一。開場は昭和30年(1955年)。

平成15年には、第68回日本オープンゴルフ選手権競技が開催されたコースでもあり、日本オープンに合わせてコースを改造したのが川田太三。

栃木には昭和11年に開場した那須ゴルフ倶楽部が名門として存在していたのですが、栃木県民が主導で造ったゴルフ場ではなかったので、「栃木県民による名門をコースを造る」という目標を当時の知事の小平重吉氏が掲げていたようです。

その時の会議の場所が当時外国人向けの避暑地して賑わっていた金谷ホテルであり、発起人としても金谷ホテルは名を連ねていました。

そういうこともあり、日光CCをラウンドするにはメンバーの紹介が通常は必要なのですが、現在でも日光金谷ホテルに宿泊した客は紹介なしでラウンドできます。

 

当時、井上誠一はコースを造成するための土地を探すべく、霧降高原などの山を調査した後、最終的に現在の場所に決定した。この地は明治時代の大洪水前には大谷川(だいやがわ)の川底だった場所で、二度にわたる大洪水により、川の位置が変わったらしい。

川底だったということは、あちこちに川石などが転がり、ブルドーザーなどの重機などを使うことができずに人力で造成したとのこと。つまり日光CCは河川敷コースなのです。

かつて水が流れて自然に造られた起伏をフェアウェイにして、重機が使えないのでバンカーを掘ることもできないためにバンカーの数は少なくしてその代わりに木を空中のハザードとして設計していく方針をとったようです。

そのためバンカーは36個と少なく、池もありません。

元々、川底だったために、松などは根が深くならずに、背丈も高く生長せずに枝が横に張り空中のハザードとして成長することを井上氏は予測し、また冬にはフェアウェイが凍り、春には融けるということを毎年、繰り返すことでフェアウェイのアンジュレーションも少しずつ変化していくことも、想定して自然と時間の力も利用して設計した洞察力には感心します。

 

更に感心したのは、一見平坦に見えるコースが実は傾斜地に造られているという事実。

コースの端から端までの全体の高低差は50mにもなるようですが、キャディさんに言われるまで傾斜には全く気付かないのです。

コースの中央にクラブハウスを設置して上流側にアウトコースを下流側にインコースをレイアウト。

川に沿ってホールを造っているのでアウトは上り傾斜でスタートして4番ホールで折り返して下り傾斜に、再び5番で折り返すので上り傾斜にということが繰り返されてそれらが全てフラットに見えてしまう錯覚。

その上、グリーンは受けグリーンが1つもなく、フラットもしくは奥に傾斜しているので、コースの傾斜との錯覚が発生し、ベントグリーンにしては珍しく芝目が強く、男体山から順目という要素も加わるのでアプローチ、パッティングも錯覚との戦いになります。

 

そしてフェアウェイは広いのですが実は二打目が空中のハザードなどが邪魔をしていて落とし所が決められているので、ノビノビとティーショットできるようで、実はできないという何ともつかみどころのないコースなのです。

 

ホールアウトして思うのは、もう一度ラウンドしてみたいという気持ち。

ラウンドを回顧すれば、するほどコース設計の奥深さがわかる不思議なコースでした。

 

ティーはバック、レギュラー、フロントとあり、レギュラーティーからティーオフ。

 

1番ホール 407ヤード パー4

男体山に向かって打ちあげていく真っ直ぐなパー4。見た目はフラットですがティーとグリーンでは10m以上の高低差があります。ちょうど雲で隠れていますが正面には男体山が本来なら見えます。

 

2番ホール 407ヤード パー4

左に大きなバンカーがあるパー4。このホールも打ち上げです。

左のバンカーを越えるには210ヤード以上のキャリーが必要。

 

3番ホール 152ヤード パー3

左に深いバンカーがあり、右には松がありグリーンが狭く見えるパー3

03SN3O0264.jpg 

 

4番ホール 559ヤード パー5

打ちおろしのやや右ドッグレッグのパー5。ここも錯覚でフラットに見えます。

 

5番ホール 386ヤード パー4

男体山に向かって打ち上げていくパー4。左からは松林が右も手前の木がプレッシャーを与えます。

 

6番ホール 330ヤード パー4

打ち上げの距離の短いパー4。かなりの打ち上げなっています。

 

7番ホール 400ヤード パー4

打ちおろしの距離のあるパー4

 

8番ホール 188ヤード パー3

やや打ちおろしのパー3

 

9番ホール 484ヤード パー5

打ちおろしの右ドッグレッグのパー5

 

10番ホール 500ヤード パー5

打ちおろしのパー5。

左のOBは浅いが右だと次打が右の木が邪魔になるので狙いはややフェアウェイ左がベスト。

 

11番ホール 436ヤード パー4

松の廊下と呼ばれている名物ホール。打ちおろしで真っ直ぐなパー4。

左にはグリーン手前に木やバンカーがあるので右サイドから攻めるのがベスト。

 

12番ホール 215ヤード パー3

右にバンカーがガードしている距離の長いパー3

 

13番ホール 500ヤード パー5

男体山に向かってのぼっていくパー5

 

14番ホール 330ヤード パー4

やや左ドッグレッグで打ちあげのパー4

 

15番ホール 402ヤード パー4

左右OBで真っ直ぐな緩やかな打ち上げのホール。

 

16番ホール 179ヤード パー3

ティーグラウンドン低い松の木はOBゾーンのパー3

16SN3O0299.jpg

 

17番ホール 388ヤード パー4

打ちおろしのパー4

 

18番ホール 410ヤード パー4

男体山の向かって打ち上げていくパー4。この日は男体山は雲に隠れて現れてくれませんでした。

日光CC、フェアウェイが広いようで狙いどころは実は狭い。フラットに見えて実は高低差がある。

インパクトのあるレイアウトではないのですが、しっかりと戦略性がある。

という地味ながらも良く考えられたコースでした。

またチャレンジしたいと思います。

Facebook にシェア
このエントリーを Google ブックマーク に追加
LINEで送る

Comments

comments

8 Comments

  1. 日光CCが河川敷に作られていたとは知りませんでした。
    記事読んで益々行きたくなりました。

  2. nobさん
    河川敷だけど河川敷には思えない。
    フラットに見えるけど高低差がある。
    フェアウェイ広く見えるけど、実は狙いどころは狭い。
    派手さはなく地味なレイアウトだけど戦略性は高い。
    という、つかみどころのないところがコースの特徴です。
    面白いと思いますのでぜひラウンドしてみてくださいicon:body_good

  3. 日光も一度行ってみたいコースです。井上誠一の伝記「遥かなるスコットランド」によると、日光GCの計画書で、彼はクラブハウスの位置から、ハウスとコース間の動線、従業員宿舎、暖房設備に至るまで詳細なアドバイスを加えていたそうです。彼の設計コースの造形美はこういう徹底したこだわりから生まれているんですね。
    ところで、いつも思うんですが毎ホールショットの前に写真を撮るのはもうルーティンに組み込まれてるんでしょうか。僕も最近は何ホールか印象的な風景を撮ったりするんですが、全ホールではないので後で何番だかわからなくなります(笑)。ゴルフは記録のゲームといわれますが、これほどしっかりと記録されているのは凄いことです。

  4. hirohiro1872さん
    なるほど、そこまで詳細に指示があったんですねicon:face_surprised
    確かに川沿いにアウトとインを綺麗に分けてその中央にクラブハウスを置くことでアウトでもインでもそれぞれ二回以上、傾斜の錯覚が発生するようになっています。
    視覚的にアップダウンが分かりにくい土地を最大限に活かす、ルーティングだと感心していました。
    写真の撮影は、私の場合、ゴルフ自体が下手くそicon:face_embarrassedなのでゴルフを楽しむより、散歩と写真撮影を楽しむことにメインを置いてます。
    ですので、ショット、ルーティンは結構適当ですicon:face_self-conscious_smile
    構えたらすぐ打つので初めてご一緒する同伴者の人には、もう打ったの?と良く驚かれます。
    早く打つ分、打つ前と打った後に時間ができるのでその時間を使って撮影するというような感じです。
    と言ってもラウンドしながらなので、いいアングルを探してじっくりと撮影ということはできないので、その場でパッとシャッターを押してます。
    私の北海道ゴルフの予定ですが、
    室蘭GC
    札幌GC由仁C
    桂GC
    札幌GC輪厚C
    ノースバレーCC
    稚内CC
    根室GC
    と回る予定になりました。
    これらも全ホールの撮影してきますicon:note

  5. こんにちは。
    私も基本的には全ホールで写真を撮ります。
    (でも時々忘れるホールが出ます。(笑))
    全ホールで撮るのは、単に後で整理しやすいからでして、
    基本的にはブログ内容同様、特徴的なホールしか写真要らないんですけどね。(^^;
    というわけで私も、hallyさんが毎ホール毎ショットきちんと撮影なさっていることに大変に感心しておりました。(^^)

  6. やきそばパンZさん
    私も、海外でよく撮り忘れることが多いです。
    お先にどうぞとティーショットを譲って先に行かせて
    くれるとき、ついつい撮影を忘れてしまいます。
    でも毎ショットは撮ってませんよ。毎ショット撮っていたら1ホールで10枚ぐらい必要な時が多々ありますのでicon:face_self-conscious_smile
    ティーグラウンド、セカンド地点、サード地点(パー5の場合)、後は必要に応じて1枚ぐらいという感じです。

  7. hallyさん
    北海道ゴルフ、1度の行程で稚内と根室と室蘭を回るとは驚きです。!
    天候に恵まれるといいですね。
    僕の根室のブログも明日第1弾をアップする予定ですのでよろしければご参考に。

  8. hirohiro1872さん
    そうなんです。
    北海道ゴルフは初めてであまり行く機会がないので
    一回に行きたいところをできるだけ詰め込んでみました。
    大学生時代に友人達と車で北海道を1周した以来、17年ぶりの北海道なのてかなり楽しみです。
    hirohiro1872さんのブログの記事、楽しみにしていますicon:note

Leave a Reply

Your email address will not be published.




このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください