アメリカゴルフコース設計の父と呼ばれるマクドナルドの最高傑作

[National Golf Links of America(ナショナルゴルフリンクス・オブ・アメリカ)]
07.米国ゴルフ
07.米国ゴルフ

アメリカ東海岸ゴルフ旅の第5ラウンドはニューヨーク州のロングアイランドにあるナショナルゴルフリンクス・オブ・アメリカ。

開場は1908年。設計はチャールズ・ブレア・マクドナルド。

C・B・マクドナルドはアメリカゴルフコース設計の父と呼ばれている人物で幼少の頃はシカゴで育ち、16歳にスコットランドのセントアンドリュース大学に留学。そこでゴルフを覚えました。師匠はオールド・トム・モリス。その後、シカゴに戻り、9ホールのシカゴゴルフクラブを1892年に設計。翌年は18ホールに拡張してアメリカで18ホールのコースを最初に設計しました。1895年にはシカゴゴルフクラブは現在の場所に移転し、新しいコースもマクドナルドの設計で開場しました。古いコースは現在はダウナーズグローブゴルフクラブ(Downers Grove Golf Club)として残っています。

1894年にはマクドナルドが中心となり、全米ゴルフ協会を設立。翌年には全米アマ、全米オープンを開催し、自身も第一回の全米アマチャンピオンになりました。

その後、アメリカ国内ではいくつかのゴルフコースが設計されましたが、本場のスコットランドのゴルフコースとは、かけ離れたコースが増えたことを嘆いたマクドナルドは、スコットランド、イングランドの名コースの良いところを取りいれて見本となる理想のゴルフコースを1908年にニューヨークのロングアイランドに設計しまいた。これがナショナルゴルフリンクス・オブ・アメリカ(NGLA)になります。

この時、後にマクドナルドの思想を受け継いで数々の名コースを造ることになったセス・レイナーもマクドナルドの仕事を手伝い一緒にNGLAを造成しました。

 

NGLAは、ゴルフマガジン社の世界TOP100コース(2015年)の10位にランクインされています。

そして4番ホールはThe 500 World's Greatest Golf HolesのThe Eighteenと、The Best Holes in America、The Holes Most Neary Impossible to Get Onの18ホールの1つに。

3番ホールはThe 500 World's Greatest Golf HolesのThe Five Hundredに、17番ホールも同じくThe Five HundredとThe Most Strategic Holesの18ホールの1つに選出されています。

 

NGLAは今回の旅で、一番楽しみにしていたコースだったのですが、その期待を裏切ることなく、ラウンド中も終始ワクワクし、これほど興奮しながらラウンドできたのは久しぶりでした。

マクドナルドがスコットランドのリンクスに思いを馳せて設計したNGLA、そして、現在の最高の設計家の一人のトム・ドークがマクドナルドをリスペクトして設計したバンドンデューンズにあるオールドマクドナルド。

私は世界中の名コースをラウンドしてきましたが、ラウンドしてきた順番がたまたまですが、

1.クラシック理論を取り入れた世界中の名コース(リビエラやワイアラエなど)

2.オールドマクドナルド

3.マクドナルドが参考にしたスコットランドやイングランドのオリジナルの名コース

4.NGLA

という順番だったのが感動を増幅してくれました。その理由はこの旅のブログの最後の記事でまとめてみたいと思います。

ティーはチャンピオンシップコース、レギュラーコース、ショートコースとあり、レギュラーコースからティーオフ。

 

1番ホール(Valley) 315ヤード パー4

距離の短い左ドッグレッグのパー4

セカンドは打ち上げ

 

2番ホール(Sahara) 290ヤード パー4

正面に見えるサハラバンカー越えの距離の短い左ドッグレッグのパー4

オリジナルはロイヤルセントジョージの3番ホール

アイアンで刻むとこのロケーションから打てますがウッドなどで打つとこの左の窪地からの打ち上げのショットになります。

 

3番ホール(Alps) 407ヤード パー4

オリジナルはプレストウィックの17番ホールのセカンドショットがアルプスと呼ばれる小山越えのパー4

セカンドショットはこのアルプスを越えてグリーンを狙います。

アルプスの山頂からコースを振り返った風景

 

4番ホール(Redan) 181ヤード パー3

オリジナルはノースベリックの15番ホールの世界で最もコピーされたホールと言われているレダンホール。

ノースベリックのレダンホールより、レダンっぽいと言ってもよいぐらいレダンホールのコンセプトが再現されているホールだと思います。

3番ホールのアルプスの山頂の左サイドからみたレダングリーン。

レダンのコンセプトはグリーンは右手前から左奥に流れていてショートすると左のバンカーに捕まりやすくなっています。

攻略方法は高い球でピンをダイレクトに狙うか、グリーン右のスペースに刻んでアプローチを寄せてパーを取るか。

グリーンの右手前から左奥を見た風景

グリーンの右サイドから左奥を見た風景

これぞレダンというホールでした。

 

5番ホール(Hog's Back) 451ヤード パー4

距離のあるバンカー越えのパー4

バンカーを越えると左に傾斜しているのでバンカーの右上がベスト。

グリーン手前から振り返った風景

 

6番ホール(Short) 123ヤード パー3

距離の短いパー3。

オリジナルはロイヤルウエストノーフォークの4番ホールと言われています。

距離が短くてグリーンが広いパー3でグリーンの周りをバンカーでガードしているホールは後に、セス・レイナー達が設計しているコースに取り入れられてます。

 

7番ホール(St. Andrews) 467ヤード パー5

オリジナルはセントアンドリュースの17番パー5のロードホール

グリーン左手前には中嶋常幸が1978年の全英オープンでバンカーから脱出するのに4打使ってしまい優勝戦線から脱落したことでトミーズバンカーと呼ばれるようになったロードバンカーが配置されています。

トミーズバンカーこと、ロードバンカー

 

8番ホール(Bottle) 385ヤード パー4

オリジナルはサニングデールの12番ホール

ティーショットはこの道路越えでした。

ボトルホールはコースセンターにバンカーが縦にあり、左右にフェアウェイが分かれています。

なぜボトルホールと言う名前なのかを同伴していただいたメンバーに聞くと、最初は2ウェイで瓶のボトルの胴部分のように太く、グリーンに向かうにつれてボトルの口のように狭くなっていくからだということを教えていただけました。

 

9番ホール(Long) 534ヤード パー5

打ち下ろしのパー5

セカンドショットはバンカー越え

バンカーを越えたあたりから振り返った風景

 

10番ホール(Shinnecock) 420ヤード パー4

このホールの右側はシネコックヒルズのホールの距離のあるパー4

9番ホールのフェアウェイから10番ホールを見るとその先にシネコックヒルズのクラブハウスが見えます。

シネコックヒルズをラウンドしたい場合はこのホールからスライスを打てばシネコックヒルズからラウンドできますね。と冗談を言いながらハーフターン。

セカンドはバンカー越え

 

11番ホール(Plateau) 418ヤード パー4

セカンドが道路越えのパー4

セカンドショットを打とうと思うと車が通過。

8番ホールも同じ道路を越えていきましたが、あちらはティーショット。こちらはセカンドショット。

ダッファーの私はセカンドショットのこのホールのほうが緊張しました。

緊張のセカンドショットは、まぐれ当たりのナイスショットで2オン成功。

トップしてたら。。

ホール名のプラトーはこのダブルプラトーグリーンからだと思います。

 

12番ホール(Sebonac) 427ヤード パー4

左ドッグレッグのパー4

ホール名のセボナックは隣にジャック・ニクラスとトム・ドークが設計したセボナックゴルフクラブがありますが、そちらは2006年開場の新しいクラブ。

10番ホールは隣がシネコックヒルズなのでシネコックと名付けられたのはわかりますが、セボナックは新しいクラブなので、ホール名に付けることは考えにくいので理由を聞くと、元々このあたりの地名がセボナックということだからだとか。

 

13番ホール(Eden) 159ヤード パー3

オリジナルはセントアンドリュースの11番のエデンホール。

 

14番ホール(Cape) 341ヤード パー4

右ドッグレッグの池越えのパー4

ケープホールはロイヤルノースデボンの4番ホールに同じケープという名前のホールがあり、それがオリジナルと言う方もいますが私はそうではないと思います。

ロイヤルノースデボン(未ラウンドで写真だけでの判断ですが)のケープホールはフェアウェイにケープバンカーという岬のような形をしたバンカーがあるからケープと名付けられただけで、このNGLAのケープホールはグリーンが岬のような形状なのでケープホールと名付けたので別の意味であると私は解釈しています。

グリーンに右手前は池が、そしてグリーンの周囲にはバンカーが。

潮の満ち引きにより満潮の時はバンカーの部分も水が来ていてウォーターハザードの面積が広がっています。

 

15番ホール(Narrows) 368ヤード パー4

フェアウェイの落としどころが狭いパー4

 

16番ホール(Punchbowl) 394ヤード パー4

グリーンがボウルのような器のようになっているパー4

セカンドショットはブランドショット。

グリーンはボウルのように中心が凹んでいます。

 

17番ホール(Peconic) 342ヤード パー4

ペコニック湾に打ち下すパー4

ティーインググランドから左を見るとシンボルの風車が。

このバンカーの向こうがグリーン

 

18番ホール(Home) 483ヤード パー5

打ち上げで左ドッグレッグのパー5

コースから左の方向を見るとセボナックゴルフクラブのクラブハウスが見えました。

NGLAの素晴らしさは最終ホールまで感動が味わえるところ。打ち上げのホールを進むとその先にはゴールのグリーンが。

海と一緒にグリーンが迎え入れてくれます。

グリーン奥から振り返った風景

グリーンの左サイドから見た風景

私の大好きなコースがまた1つ増えました。

プレイした順番に、ペブルビーチ、ノースベリック、ロイヤルカウンティダウン、そしてナショナルゴルフリンクス・オブ・アメリカ。

この4つは順番が付けることができない私の中のNo.1です。

     

I’m a golf-a-holic man. ゴルフバカです。

ゴルフのためなら世界中どこでも行きます。食事とお酒も大好きな食いしん坊ゴルファー。

2021年6月現在、日本国内約600コース、海外は約300コースをラウンドしているコースマニア。現在、世界中をゴルフ旅しています。ゴルフの腕前は平均スコア90前後のアベレージゴルファー。典型的なエンジョイゴルファーです。

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