C・B・マクドナルドの理論をオマージュしたコース

[Old Macdnald/オールドマクドナルド]
07.米国ゴルフ
07.米国ゴルフ

バンドンデューンズ2日目。午前中のバンドントレイルズでのラウンドを終えて本日の2ラウンド目はオールドマクドナルドで。

バンドンデューンズ、パシフィックデューンズ、シープランチ、バンドントレイルズに続いて2010年にオールドマクドナルドは開場。

シープランチはオーナーのプライベートコースなのでバンドンデューンズではオールドマクドナルドは第四コースとして認知されています。

オールドマクドナルドはパシフィックデューンズ、シープランチを手がけたトム・ドークが設計。

彼の右腕のシェイパーのジム・ウルビーナも設計に名を連ねています。

ドークはパシフィックデューンズという素晴らしいコースの造成をバンドンデューンズで既に実現しているので、次のコースは違ったコンセプトで造ることにしました。

そのコンセプトは、アメリカゴルフコース設計の父と呼ばれていて、シカゴゴルフクラブやナショナルゴルフリンクスオブアメリカ(NGLA)を設計したチャールズ・ブレア・マクドナルド(C・B・マクドナルド)の設計理論をオマージュしたコース。

もし彼がこのバンドンの地にゴルフコースを造ったとしたらどういうコースを造るのだろうか。ということをトム・ドークとジム・ウルビーナが想像しながらコースを造成していきました。

その結果、オールドマクドナルドはクラシック理論を再現した素晴らしいコースに仕上がり、2013年の世界ゴルフ100選で88位にランクインすることができました。

アウトパー34、インパー37、トータルパー71のコースでティーはブラック、グリーン、ゴールド、ブルー、オレンジとあり、グリーンティーからティーオフ。

    

1番ホール(Double Plateau) 304ヤード パー4

ダブルプラトーと呼ばれるグリーン形状を導入した距離の短いパー4。

プラトーとは台地という意味。つまりグリーンが2つの砲台上になっているグリーンのことを言います。

スコットランドのノースベリックの16番パー4のグリーンをマクドナルドがNGLAの11番ホールで再現してアメリカに伝えました。

グリーンは中央部が凹んでいて2つのプラトーが形成されています。

 

2番ホール(Eden) 162ヤード パー3

おそらくセントアンドリュース・オールドコース11番パー3の戦略性を再現していると思われるパー3

アリスター・マッケンジーが著者の「Golf Architecture」にオールドコース11番の戦略性について解説しているらしい。

今、自宅ではなく手元にないので帰宅してから読んでここに解説を追記したいと思います。

右には小さなポッドバンカー、左には巨大なバンカーが配置されているグリーンです。

 

3番ホール(Sahara) 345ヤード パー4

サハラはイングランドのロイヤルセントジョージズの3番ホールのブラインドの丘越えの距離の短いパー4がオリジナル(現在はティーの位置が左に移動されてブラインドでなくなりパー3になっています)。丘越えのドライバブルなパー4でした。

マクドナルドはこれをNGLAの2番ホール・パー4に取り入れました。グリーン手前には巨大なバンカーを配置してバンカー越えで1オンを狙うか、フェアウェイに安全に刻んで2ショットで攻略するかという選択の楽しみがあるホールになっています。

最初にサハラと聞いて私はこのホールの右の巨大なバンカーがサハラの要素だと思っていたのですが、どうやら違うことに気づきました。

このホールは左の木のラインに打っていけばボールはグリーン近くまで転がります。ロイヤルセントジョージズのブラインドの丘越えを再現しているホールではないでしょうか。

丘を登って海側を見た風景。

サハラの要素だと勘違いしていた巨大なバンカー。ティーショットが失敗して捕まったら、それはそれで大変ですね。

このように左側はスロープになっていてグリーンまでボールが転がりやすいようになっています。

グリーンからコースを振り返った風景。

 

4番ホール(Hog’s Back) 472ヤード パー4

フェアウェイが豚の背のように丸くなって左右に傾斜している距離のあるパー4

日本では馬の背になっていると言われたりしています。ティーショットがショートしたり右側に行くとセカンドはブラインドのショットになります。

 

5番ホール(Short) 134ヤード パー3

NGLAの6番ホールのショートの理論を再現したホール。オリジナルはイングランドのロイヤルウエストノーフォーク(1892年開場)の4番ホール。

(※セントアンドリュースオールドコースの8番ホールもショートという名前ですが、こちらはショート理論とは関係ありません。)

ショートの定義ですが、おそらくショートアイアンで打てるパー3でグリーンを外したり、ピンと離れた位置に1オンするとグリーンの形状が難しいホールのことをいうと思います。

 

6番ホール(Long) 520ヤード パー5

オールドマクドナルドで一番長いパー5

グリーン100ヤード手前の右側には巨大なバルクヘッドバンカーが配置されています。

グリーン奥にはポットバンカーが配置されています。

 

7番ホール(Ocean) 304ヤード パー4

距離の短い打ち上げのパー4。その名の通り、グリーン上で海と出会えるホールです。

セカンドもきつい打ち上げです。

グリーンに上ると太平洋が一望できます。

グリーン奥(海側)にもバンカーが配置されています。

 

8番ホール(Biarritz) 170ヤード パー3

オリジナルはフランスのビアリッツゴルフクラブの3番パー3。

オリジナルのビアリッツグリーンは距離があるパー3でグリーンが縦長。左右にバンカーが配置されていて一番の特徴は縦長のグリーンの中央部分が窪地(スウェル)になっていることです。

ティーグラウンドから7番グリーン方向を見た風景。

ティーグラウンドから太平洋を見た風景。

グリーン横からスウェル部分を見た風景。

グリーン奥からティーグラウンド方向を振り返った風景。グリーン面が一旦、下がって再び上っているのがわかりますね。

オールドマクドナルドのビアリッツは両サイドのバンカーはなく、右側にバンカーがあるだけですが、オリジナルに近いビアリッツグリーンとしてはワイアラエカントリーの13番パー3が有名です。

 

9番ホール(Cape) 352ヤード パー4

ケープ理論を再現したホール。

オリジナルは1864年に開場したイングランドのロイヤルノースデボンゴルフクラブの4番ホール(通称ケープ)が元祖という説もありますが、コースレイアウトを見るとケープ理論とは違うような気もしています。

ケープ理論はマクドナルドのオリジナルで1908年にNGLAの14番パー4でレイアウトしたホールがケープ理論の元祖ではないかと思ったり。

そして同じくマクドナルドが、バミューダのミッドオーシャンクラブ(1924年開場)の5番ホールの左ドッグレッグのパー4で完成型を仕上げたのではないでしょうか。

どちらにしても上記の3コースをラウンドしたことがないのでいつかラウンドして肌で感じてみたいと思います。

いわゆるケープ理論というのはドッグレッグのパー4のホールで、ドッグレッグ地点に巨大なウォーターハザードやバンカーなどが配置されていてハザード越えしてショートカットに成功するとセカンドショットが有利になるという設計のことをいうようです。

オールドマクドナルドのこのケープホールは右ドッグレッグのパー4で右には多くのバンカーが配置されていてバンカー越えかセーフティーに左のフェアウェイを狙うかの2ルートの選択が可能なホールになっていました。

 

10番ホール(Bottle) 440ヤード パー4

マクドナルドはNGLAの8番ホールにボトルというパー4を造りました。おそらくそのボトルホールをオマージュしたのだと思います。

ただボトルホールというのは、フェアウェイにバンカーが配置されていて左右にフェウェアウェイがセパレートされて2ルート選ぶことができるホールのことをいうようなのでこのホールが左右にセパレートされているようには感じることができませんでした。コース中央には2つのバンカーが配置されていて右サイドであればバンカー手前に、左サイド狙いならバンカーを越えていくことができるのでそういう意味での2ルートという意味なのかもしれません。

ボトルホールのオリジナルはイングランドのサニングデールの12番ホールらしいので引き続き、調べてみたいと思います。

 

11番ホール(Road) 399ヤード パー4

セントアンドリュース・オールドコースの17番のロードホールの攻略方法をオマージュしたホール。

右に見えるバンカーとハリエニシダがセントアンドリュースのホテルになるのでしょうか。

セントアンドリュースオールドコース17番ホールと同じようにグリーン手前にはロードバンカーと呼ばれるポットバンカーが。

トミーズバンカーとしても有名なバンカーですね。

 

12番ホール(Redan) 205ヤード パー3

世界でもっともコピーされたホールとして有名なレダンホールです。当ブログでも何度も取り上げてきました。

オリジナルはスコットランドのノースベリックの15番パー3。

グリーンが右から左奥に斜め45度に配置されていて左手前にはバンカーが。グリーンの傾斜はバンカーに入るやすい傾斜になっているホールとして有名です。

 

13番ホール(Leven) 319ヤード パー4

距離の短いパー4

Levenについて調べてみましたがわかりませんでした。セントアンドリュースの近くにオールド・トム・モリス設計のリーベンリンクスゴルフクラブ(1846年開場)があるのでこのコースのどれかのホールに関係しているのかもしれません。

グリーンが左から右に向けて傾斜しているホールです。

 

14番ホール(Maiden) 297ヤード パー4

乙女や処女の意味のMaidenですが、どういう意味で名付けられたのかはよくわかりません。

打ち上げの距離の短いパー4でした。

 

15番ホール(Westward-Ho) 482ヤード パー5

海に向かって進む距離の短いパー5

Westward-Hoはイングランド地名。ケープホールで説明したロイヤルノースデボンがある場所でもあります。

グリーンは打ち上げ。右手前には巨大なバンカーが。

このバンカーにボールを入れてしまいました。かなりの高弟さのあるバンカーでした。

 

16番ホール(Alps) 433ヤード パー4

オリジナルはスコットランドのプレストウィックの17番ホールのアルプス。

グリーン手前に小山がありブラインドショットになります。

こちらがそのアルプス。

15番ホールのティーグラウンドからアルプスの小山を見た風景。

16番のフェアウェイから左を向いて小山を見た風景。

小山を越えるとグリーンが見えてきます。

グリーンから振り返った風景。右に見えるのがアルプスの要素の小山。

ホールアウトしたら後ろの組に鐘で合図をします。

 

17番ホール(Littlestone) 515ヤード パー5

1888年開場のイングランドにあるリトルストーンゴルフクラブをイメージしたホール。

ティーショットは2ルートあります。左に安全にショットするか右のウェストエリア越えを狙うか。

 

18番ホール(Punch Bowl) 426ヤード パー4

パンチボウルグリーンを再現したホール。

パンチボウルグリーンとはすり鉢状のグリーンでグリーンセンターより周囲の地形が高いホール。

こちらがそのパンチボウルグリーン。

実際手前からのパッティングはピンを狙わずに奥のスロープを活用して円弧を描くようにパッティングしないと寄りませんでした。

コース設計の理論を知れば知るほど、オリジナルのコースをラウンドしてみたくなります。

     

I’m a golf-a-holic man. ゴルフバカです。

ゴルフのためなら世界中どこでも行きます。食事とお酒も大好きな食いしん坊ゴルファー。

2021年6月現在、日本国内約600コース、海外は約300コースをラウンドしているコースマニア。現在、世界中をゴルフ旅しています。ゴルフの腕前は平均スコア90前後のアベレージゴルファー。典型的なエンジョイゴルファーです。

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