東の川奈と並ぶ、西の素晴らしいシーサイドコース

[大阪ゴルフクラブ ]
03.日本のゴルフ場
03.日本のゴルフ場

大阪府の大阪ゴルフクラブをラウンドしてきました。

設計は上田治が担当。

上田氏は「東の井上、西の上田」と言われて、あの井上誠一と並んで称されています。

両氏の設計コースの作風は井上氏は女性的、上田氏は男性的と例えられ、「柔の井上、剛の上田」とも言われています。

上田氏の設計コースでラウンドしたコースは有馬ロイヤルゴルフクラブ ロイヤルコース、宇治カントリークラブをラウンドしてきました。

2つのコースをラウンドしての印象は、やはり井上氏の設計コースよりダイナミックな印象を受けました。

上田氏は廣野ゴルフ倶楽部の造成工事の助手をチャールズ・H・アリソン氏の下で担当し、アリソンの愛弟子とも呼ばれています。

井上氏も、アリソン氏設計の東京ゴルフ倶楽部朝霞コースの設計図をいつも褒めたたえていて、朝霞コースを理想のコースと考えていたようです。

このように日本の二大コース設計家がともにアリソン氏の影響を受けていたのは、印象深いです。

上田氏の処女作は昭和9年開場の門司ゴルフ倶楽部で、その後、信太山ゴルフコースと設計したのちに13年に大阪ゴルフクラブを9ホールから18ホールに拡張するときに招聘され、既存の9ホールの改造と新規に9ホールを設計したようです。

大阪ゴルフクラブは淡輪村と深日村に跨る海沿いの丘陵地にあり、当時は大阪ゴルフクラブ淡輪・深日コースと称されていて、アウトを淡輪コース・インを深日コースと呼んでいたようです。

そのときの計画として「シーサイドコースは、東の熱海に川奈ホテルコース、西に淡輪あり」と川奈と並ぶ存在のシーサイドコースを造ることを目標とされていました。

川奈の富士コースはアリソン氏の設計。となると淡輪の設計はアリソンの愛弟子である上田氏に白羽の矢が立つのは必然だったのでしょう。

このときは6700ヤード、パー72だったのですが、戦時下の19年に軍により接収され、戦後、大阪府に返還されるも、農地とみなされゴルフ場として全面的に復活できたのは28年になるようです。

その後、31年1月にみさき公園条例で3つのホール(当時のアウトコースの淡輪コース側)を失い、同年8月に現在の1番、16番、18番ホールを松山桂司氏の設計で新設して6435ヤード、パー72として現在の形になったようです。(現在は6402ヤード)

現在はアウトはパー4が5つ、パー5、パー3が2つずつでパー36というオーソドックスな構成ですが、インはパー4が3つ、パー5、パー3が3つずつでパー36という構成になっています。

これらは、用地の接収や条例などによりコースを新設、ルーティングの変更などによって変則な構成になったのかなぁとグーグルマップでコースの配置をみて当時のルーティングに思いを馳せてみました。

淡輪コース側ということはみさき公園駅側になるので現在のインコース側になります。

このみさき公園側にどういうコースがあったのか?

いろいろ想像してみたのですが、答えは見つかりませんでした。

ティーはグリーンティー(レギュラーティ)からティーオフ。グリーンの芝は高麗でした。

1番ホール 355ヤード パー4

右ドッグレッグのパー4

狙い目はバンカーの左目狙い。飛距離の出る人はバンカー越えでもいいかもしれません。

二打目は打ち上げ。

2番ホール 411ヤード パー4

やや左ドッグレッグのパー4

ティーショットの狙い目は正面に見える松の方向狙い。

フェアウェイの右側部分には松があります。

3番ホール 435ヤード パー4

打ちおろしのパー4。大阪ゴルフクラブを象徴するシグネチャーホール

正面のグリーンの奥には海が見えます。フェアウェイが途中からきゅっと狭くなっています。

このホール、大阪ゴルフクラブで一番好きなホールです。

4番ホール 161ヤード パー3

窪地越えのパー3

5番ホール 490ヤード パー5

緩やかに左にドッグレッグしているパー5

写真はグリーン上からフェアウェイをみた風景。

6番ホール 186ヤード パー3

距離のあるパー3

7番ホール 387ヤード パー4

ブラインドで左ドッグレッグのパー4。牛の背と呼ばれています。

牛の背の先にはどんなコースが待っているのか?ワクワクドキドキしながらのティーショット。

二打目はこのような感じ。左右ともラフは傾斜しているのですがどちらかというと右に狙うほうが楽なので右側狙い。

8番ホール 331ヤード パー4

距離の短い右ドッグレッグのパー4

フェアウェイはこのように右にドッグレッグしています。

9番ホール 462ヤード パー5

打ちおろしのパー5。このロングも特徴的で途中から右に少し曲がっているフェアウェイの先にはグリーンはなく、曲がり地点の左側に斜面の上にフェアウェイがありその先にグリーンがあります。

二打目を打ち上げのショットにするのか二打目は平坦なショットで右に延びるフェアウェイにおいて三打目を打ち上げのショットにするのかと2つの攻め方ができるホールでした。(通常は二打目も平坦なショットでフェアウェイに残し、三打目勝負がこのホールの攻略のセオリーらしいです)

途中で分かれているグリーンに続くほうのフェアウェイはこんな感じ。

グリーン上からフェアウェイを振り返った風景。

10番ホール 471ヤード パー5

フェアウェイが右に傾斜している左ドッグレッグのパー5

11番ホール 300ヤード パー4

距離の短い打ち上げのパー4

12番ホール 420ヤード パー4

距離のある右ドッグレッグのパー4。

ティーショットの狙い目は右バンカー左あたり。

13番ホール 373ヤード パー4

右ドッグレッグのブラインドのパー4。7番ホールが牛の背と呼ばれている一方、このホールは馬の背と呼ばれています。面白い例えようです。

14番ホール 137ヤード パー3

谷越えで右が海の名物パー3

右も左も手前も奥もNG。それにすぐ横は海なので風もあります。

15番ホール 480ヤード パー5

左ドッグレッグのパー5

アリソンの血を上田治が受け継いだような顎の高いバンカーでした。

16番ホール 166ヤード パー3

右手前に池があるパー3(松山桂司氏が新設したホール)

17番ホール 471ヤード パー5

真っすぐなパー5

18番ホール 145ヤード パー3

打ち上げのパー3(松山桂司氏が新設したホール)

大阪ゴルフクラブ、パー5が短く、パー3の数も多いのでヤーデージは短いコースでしたが起伏のあるフェアウェイと海に向かって広い空間に打つセカンドショットなどの効果もあり、短さを感じないコースでした。

ダイナミックなレイアウトと海沿いの素晴らしい景観で私のお気に入りのコースの1つになりました。

     

I’m a golf-a-holic man. ゴルフバカです。

ゴルフのためなら世界中どこでも行きます。食事とお酒も大好きな食いしん坊ゴルファー。

2021年6月現在、日本国内約600コース、海外は約300コースをラウンドしているコースマニア。現在、世界中をゴルフ旅しています。ゴルフの腕前は平均スコア90前後のアベレージゴルファー。典型的なエンジョイゴルファーです。

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