ホーチミン8区の外れに、前から気になっていたバインフランの店「Hồng Anh / ホンアン」に行ってみた。

店の名物は、もちろんバインフラン。
プリン自体はごく薄い色合いで、上から自家製のカラメルとココナッツミルク、クラッシュアイスがたっぷりとかかるスタイル。スプーンを入れると、卵の密度が高いのがわかるくらい、ねっとりとした質感である。
ひと口目から驚く。卵のコクとミルクの甘さがしっかりあるのに、後味は驚くほど軽く、カラメルのほろ苦さとココナッツの香りがスッと引いていく。
数日前にニャチャンでかなりレベルの高いバインフランを食べたばかりなのだが、余計にこの店のバインフランの美味しさがわかる。
一緒に頼んだ謎のゼリーもなかなか面白い。黒糖のようなコクのある甘さで、バインフランと食感の違いもあってアクセントになる。
バインフランが1個1万ドン、ゼリーが8千ドン。2つ合わせても日本円で約100円というのだから、もはや反則級のコストパフォーマンスである。

店の前には地元の家族連れや若いカップルが途切れなくやって来て、思い思いにバインフランやチェーを楽しんでいる。観光客がわざわざ足を延ばすような場所ではないが、この雰囲気も含めて「ホーチミンの甘味処」に通いたくなる一軒である。
ホーチミンにはバインフランの名店がいくつもあるが、自分のなかでは、この店はホーチミンNo.1、いやベトナムNo.1と呼びたくなる存在になった。
次に8区を訪れるときは、バインフランをトリプルで注文してもいいかもしれない。そう思わせてくれる、忘れがたい一皿である。



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