コルカタのことを調べていたときに、街の中心部に大きな競馬場があることを知った。
Royal Calcutta Turf Club / RCTC(ロイヤルカルカッタターフクラブ)である。
クラブ自体は1847年設立とされている。
さらに地図を眺めていると、そのトラックの内側にゴルフコースらしきものが見えた。
競馬場の中にあるコースは、世界的に見ても古いコースが多い。
競馬場内のゴルフが古い例が多いのは、当時は芝の管理された広い共有地が貴重で、競馬とゴルフが同じ“紳士の遊び”として施設を共用しやすかったからである。
RCTCの歴史もかなり古いので、「ここにも歴史のあるゴルフコースがあるのでは?」と気になって、現地で確認してみることにした。

門に入ると警備スタッフがいて、「競馬スタンドの方まで入れないか?」と聞いてみたが、この日は競馬が開催されていないうえに、基本はメンバーオンリーのようで奥には入れなかった。
「写真だけ撮らせてほしい」とお願いして、トラックとスタンドの写真だけ撮影して、そのまま引き返した。


現地では、トラック内側のゴルフコースが何なのかまでは分からなかった。なので帰ってから調べ直した。
結論として、トラック内側に見えたゴルフエリアは、フォート・ウィリアムズ・ゴルフコースのバック9として実際に使われていることがわかった(フロント9は競馬場のすぐ北にある基地内のコースを使用し、時期により競馬場内のコースをバック9使用できるようだ)。
さらに、RCTC側でもゴルフのイベントが行われている。たとえば2024年4月、Bengal Golf Association(BGA)のジュニア大会(Junior Monthly Medal 1.3)が「Royal Calcutta Turf Club(RCTC)の敷地(grounds)」で開催された、というレポートがTelegraph Indiaに掲載されている。
つまりRCTCのトラック内には、ゴルフコースが存在し、フォート・ウィリアムズ側のバック9としてプレーに使われ、RCTC側でも活用されている場所ということがわかった。
(子どもにゴルフを教えるキッズゴルフキャンプの会場にもなっている)
Fort William Golf Course(フォート・ウィリアムズ・ゴルフコース)は、インド陸軍のフォート・ウィリアム敷地内にある軍関係者向けのコースで、1963年に造られたと紹介されている。
ここから先は、RCTCの歴史の話になる。RCTCは1847年設立だが、競馬そのものはそれ以前からカルカッタで行われていたことが分かる。RCTC公式の歴史紹介では、競馬が1809年にマイダン地区へ移り、1812年には現在の場所に近い位置に新しいコースが整備された、という流れが書かれている。
さらに当時の主要レースだったCalcutta Welterが1825年にカルカッタへ移されたこと、そして1847年にCalcutta Turf Clubが正式に設立されたことが「重要な出来事」として説明されている。
つまり、遅くとも1809年(あるいは1812年)には、今のマイダン周辺で競馬が運営されていたことになる。

ここで一度、頭をよぎった。もしこの時代からトラック内にゴルフコースがあったのだとしたら、ロイヤルカルカッタゴルフクラブ(1829年創設)より古いゴルフコースが、この場所に存在していた可能性すら出てくる。
そう思って「トラック内のゴルフコースがいつから存在したのか」を調査してみたが、そこは確定できる情報に辿り着けなかった。少なくとも今回の調査の範囲では、トラック内のゴルフコースが“1800年代初頭からそこにあった”と言い切れる根拠は見つからなかった。
ただ、現在の運用が「フォート・ウィリアムズのバック9」として使われていることを踏まえると、このトラック内ゴルフは、競馬場成立当初から自然発生的にあったというより、後になって整備・共有される形で成立した可能性が高い気がしている。ここは、一次資料が見つかれば追記したい。



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