第九話「エメラルドの島、アイルランドゴルフ旅」

3章.再び、アイルランド共和国に(レンスター地方)

再び、アイルランド共和国に戻ってきた。今日からしばらくは島の東部のレンスター地方でゴルフをする。

ボイン川の河口に造られたバルトレイとも呼ばれているリンクス

アイルランドゴルフ旅の第4ラウンドは、アイルランド共和国のラウス州にあるカウンティラウスゴルフクラブ

1982年に創立。

アイルランド史で外すことができないボイン川の戦いが行われたボイン川の河口に造られたリンクス。元々はドローエダに住んでいたG・H・ペントランドとスコットランドの銀行を引退したギルロイの二人がボイン川の河口の南側のモーニントンに数ホール造ってゴルフを楽しんでいた。しかし、住民の了解を得ていなかったのでボイン川を渡った北側のバルトレイにゴルフコースを造ったのが始まり。

そのため、地元の人達にはカウンティラウスと呼ばれるよりバルトレイという名前で親しまれていて、アイルランド国内では6位にランクインされている。

バルトレイに最初、スコットランドのプロゴルファーがコースを設計し、1914年にはN・ハリガンセシル・バークロフトが改造。そして1938年にはトム・シンプソンが改造して現在までほとんど変わらない状態。(その後もドナルド・スティールとトム・マッケンジーが軽微な修正はしている。)

バルトレイは、オーソドックスでクラシカルなリンクスでロイヤルカウンティダウン、ロイヤルポートラッシュと気分が高まるコースでのラウンドが続いたので落ち着いてラウンドできるちょうどよいコースだった。

カウンティラウスGCでのラウンドを終えると19時半。夕食をクラブハウスでいただくことにした。

ラウンド前のランチにはバッファローウイングをいただいたのだが、甘辛くて美味しかったので夕食も期待していたが、期待以上の美味しさだった。

ビールはアイリッシュエールのラウンドストーン。これが食事によく合った。この旅でギネス、スミティックスと同じぐらい飲んだビールになった。

メインはダックロースト。皮がパリッと焼けていてオレンジソースともよく合い、とても美味しくいただけた。

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ダックロースト

これから南に170㎞移動してウィックロー州のホテルにチェックインする予定。

約二時間のドライブ、チェックインは日付が変わるころになりそうだ。


ラウス州を後にして南に移動。ウィックロー州のアークローの山の中にある1608年から営業しているウッデンブリッジホテル&ロッジにチェックイン。ウィックローは18世紀の頃、イギリス人が別荘を構えていた土地で日本でいう軽井沢のような場所である。

チェックインしたのは日付がちょうど変わった頃。明日は8時出発。軽く飲みにホテルのフォーベールズバーに。

軽くのはずが、地元の常連さんと意気投合してしまい、いろいろとご馳走になり、3時半まで飲んでしまった

地元のビール、ウィックローブリュワリーのウィックローHellesで。ビールの後はアイリッシュウイスキーをいただくことに。

まずはパワーズ。元々は1791年にダブリンで創業したジョンパワー社のジョンズレーン蒸留所で造られていたアイリッシュウイスキー。アイルランドで人気の銘柄。1975年にはジョンズレーン蒸留所は閉鎖されて新設されたミドルトン蒸留所に移転。力強いアイリッシュウイスキーだった。

続いてティーリング シングルモルト。1987年にクーリー蒸留所を立ち上げたティーリングファミリーのジャック・ティーリングが新しく2012年に立ち上げたボトラーズ。5つの樽のモルトをバッティングした心地よい樽香のアイリッシュウイスキーだった。

そしてバックバーを見ると上段に見慣れないグレンダロウというアイリッシュウイスキーを発見。シングルモルトなどもあったが、グレンダロウ ダブルバレルというシングルグレーンに。最初にバーボン樽、その後にオロロソシェリー樽で熟成したアイリッシュウイスキー。

次にアイルランドならではのお酒を探しているとアイリッシュジンのチラシを発見。

Wexford社のBlack Water StrawberryというストロベリーフレーバーのアイリッシュジンとアイリッシュトニックのPoacher’sを使ったジントニックをオーダーしたらイチゴをカットしていれて作ってくれた。苺の素敵な香りがするジントニックだった。

カウンターの中に入らせてもらい、珍しいアイルランドのお酒がないか物色。

60度のグレンダロウがあったのでいただいた。飲んだ感想は、黒糖焼酎の原酒に更にパンチを効かせたようなスピリッツ。これが美味い!!

そして、先ほどいただいたグレンダロウの色違いラベルなのでアイリッシュウイスキーだと思っていたのだが、アイリッシュウイスキーではなかった。

実はアイルランド最終日にわかったのだが、かつて密造酒だったポチーンであることがわかった。(よく見るとラベルにもPOITINと書いてあった)

そのポチーンの話は10日後の最終日で紹介する。

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その後もいろんなアイリッシュのリキュールなどを試飲させていただいた。

その中にアイルランド産のクレームドミントを発見。クレームドミントを使ったアイルランドの国花の三つ葉のクローバーをイメージしたシャムロックというカクテルがある。

意気投合してずっと一緒に飲んでいたアイルランド人に「アイルランドの国花のシャムロックという名前のカクテルを知っているか?」と聞くと、知らないということなのでレシピを教えるとカウンターに入り、特別に作ってくれた。どうやらずっと客だと思っていたらバーの従業員だった。

アイルランドで飲むシャムロック。滞在中に飲んでみたいと思っていたので大満足。

そして、3時半まで飲み、倒れるように寝て目覚めたら起きたら7時50分!!

集合時間の10分前、なんとか遅刻せずに間にあった。。

最高の夜だった。

アイルランド6日目

設計者兼オーナーが日々改造を続けて進化しているリンクス

アイルランドゴルフ旅の第5ラウンドは、アイルランド共和国のウィックロー州にあるヨーロピアンクラブ

開場は1987年と新しいリンクスだが、米国ゴルフマガジン社が発表しているTop 100 Course in the Worldに2003~2017年の間、ランクインしていた。(最高位は2007年の78位)

設計はパット・ルディ

パット・ルディはいくつかのリンクスの設計をしていく中で自分の集大成の理想のリンクスを造るためにアイルランドの海岸線をヘリコプターを飛ばし、この地を見つけた。

そして自分がオーナー兼設計家としてコースを開場し、このリンクスに常駐して日々、改造とメンテナンスに励んでいるのだとか。

この日もプロショップ内にいて、我々がティーオフする時にはティーインググラウンドまでやってきて見送ってくれた。

18ホール以外にアウト、インそれぞれにエクストラのパー3ホールが1ホールずつあり全20ホール。

7番ホールは距離あるパー4でティーショットはブッシュ越え。The 500 World’s Greatest Golf HolesThe One HundredThe Best Holes Designed Since 1970の18ホールの1つに選ばれている。

13番ホールは左ドッグレッグのパー5でThe 500 World’s Greatest Golf HolesThe Five HundredThe Best Ocean Holesの18ホールの1つに選ばれている。

14番ホールは、やや打ち上げのパー3でThe 500 World’s Greatest Golf HolesThe Five Hundredに選ばれている。

自分でコースを設計し、日々メンテナンスをしてコースと共に生活しているのはゴルファーとして夢のような生活だと思う。


明日はポートマーノックをラウンドするので併設されている今夜は近くのポートマーノックホテル&ゴルフリンクスに宿泊する。

夕食をホテルのレストランThe “1780”でいただくことにした。

まずは、タルタルサーモン。アイルランドでは、鮭は知恵と知識のある魚としてケルト神話に登場する。スモークサーモンは品質が高いことで有名。

メインはティペラリー州の牛肉の煮込みシチュー。アイルランドは牛肉の輸出額が世界5位で自然の中で放牧されて牧草だけを食べて赤身が多い。

デザート代わりにアイリッシュチーズの盛り合わせをいただいた。どれも丁寧に料理されていて美味しくいただけた。

アイルランド7日目

アイルランド共和国で唯一「全英アマ」が開催されたリンクス

アイルランドゴルフ旅の第6ラウンドはアイルランド共和国のダブリン州のポートマーノックにあるポートマーノックゴルフクラブ

開場は1894年。米国ゴルフマガジン社が発表しているTop 100 Course in the Worldに初回の1983年から最新の2023年までずっとランクインしている。最高位は24位(1991年)。

それぞれ9ホールのレッドナイン、ブルーナイン、イエローナインの計27ホールあるが、チャンピオンシップコースと呼ばれている組み合わせはレッドナインとブルーナイン。

アマチュアゴルファーのウィリアム・ピックマンとジョージ・ロスがこの土地を見つけ、ピックマンがレッドナインを設計。そして1986年にはブルーナインを設計し18ホールに。イエローナインはフレッド・ハウツリーが1971年に設計して追加された。

1927年にアイルランド共和国の最高峰のアイリッシュオープンの第一回の会場になった。そしてアイルランド共和国で唯一、全英アマチュア選手権が開催されたコースとしても有名だ。

1949年に全英アマがここポートマーノックGCで開催されたのだが、開催が決定した1947年の時はイギリス領で、その翌年にアイルランド共和国としてイギリスから独立することになった。賛否両論あったが、R&Aは計画通り、ポートマーノックGCで全英アマを開催した。そのため、あとにも先にもイギリス領以外で全英アマが開催されたコースはここだけになる。

14番ホールは左ドッグレッグのパー4でThe 500 World’s Greatest Golf HolesThe Five Hundredに選出されている。

15番は右にアイリッシュ海が続く難しいパー3だが、まぐれショットであともう少しでホールインワン。タップして楽々バーディーで良い思い出になった。


ポートマーノックゴルフクラブでのラウンドを終えてランチをクラブハウスのレストランで。

ビールはアイリッシュエールのスミティックス。アイルランド最古の醸造所で造られているビールである。後日、醸造所を訪れてみた。

コルニション(ミニキュウリ)のスープFillet of Plaiceをオーダー。Plaiceはツノガレイ。

近くのHowthという魚が美味しい港町で獲れたツノガレイをフライにしてタルタルソースで味付けをしたもの。

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ツノガレイのフライ

調理方法も素晴らしかったが素材がよいのでとても美味しくいただけた。


今夜はダブリン市内のホテルにチェックイン。

5日ぶりにダブリン市内に戻ってきた。夕食まで少し時間があるのでダブリン市内を観光することにした。

まずはダブリン城。ヴァイキングの砦があったこの場所に、1204年にイングランドのジョン王がダブリン城を建てた。その後、1922年までイギリスの総督府が置かれていて、アイルランドのイギリス支配の象徴だった。

下の写真の建物の丸い部分はレコードタワーと呼ばれていて1226年にノルマン人によって建てられた。

1864年に火事でダブリン城は崩壊してしたが、円形のレコードタワーは当時の建物として残っている。

遠くからも良く見えるベッドフォードタワーという時計台は1761年に建てられた。

お城の裏側に回るとカラフルな外壁が。レゴブロックのお城みたいだった。

そして、少し進むと一般的なお城のイメージの外壁に。

ダブリン城を後にして、続いては聖パトリック大聖堂に。

450年頃に聖パトリックがこの場所で改宗者の洗礼を行っていたと言われ、1191年にその跡地に建築された大聖堂。

アイルランド最大の教会で、確かに写真に収めるのが大変だった。聖パトリックはアイルランドの守護聖人として多くのアイルランド人に親しまれている。

アイルランドにキリスト教を広めるために聖パトリックは三つ葉のクローバー(シャムロック)を用いてキリストの三位一体を説いたことは有名で、このシャムロックがアイルランドの国花にもなっている。

聖パトリック大聖堂

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そして、もう少し時間があったので、中世に建てられた中では最大級の地下礼拝堂があるクライスト・チャーチ大聖堂にも立ち寄った。

1038年に木造の教会として建てられた。その後、1171年にイングランド王のヘンリー2世がクリスマス礼拝に出席したことから、その翌年からストロングボウと呼ばれる二代目ペンブリック伯ことリチャード・ド・クレアたちが現在の石造りのような教会に建て替えた。

地下礼拝堂の中には過去のイングランド国王たちにまつわる聖宝などが展示されていた。

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クライスト・チャーチ大聖堂
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そろそろ夕食の時間だ。


夕食はアイリッシュとフレンチのフュージョン料理のDAX(ダックス)というレストラン。

トマトのスープアイルランド産ホタテ(コーク州のキャッスルタウンベア産)のソテー。

そして、メインはアイリッシュビーフのヒレ肉(キルデア州のウィンストン・バーン農場)の骨髄ソースをいただいた。食後にはアイリッシュコーヒーを。

アイリッシュコーヒーはコーヒーと温めたアイリッシュウイスキーにクリームをトッピングしたホットカクテルである。

ダックス
アイリッシュビーフ
アイリッシュコーヒー

全て美味しくて、こちらのお店もおススメのお店になった。


今夜はダブリン最古のパブ、ブレイズン・ヘッドで締めることにした。1198年創業。

カウンターに行くまで人ごみを潜り抜けて行かないといけないぐらいお店は大人気。

まずはギネスで。カウンターには珍しいアイリッシュウイスキーのボトルが並んでいる。

ボードのウイスキーのリストを見るとMidleton Very Rareと書かれたウイスキーを発見。ベリーレアと書いてあるぐらいなので、とても珍しいはず。値段を見ると13.50ユーロ。ブッシュミルズの10年が7ユーロなので約2倍の値段。さらにその下にはMidleton B.Crokettが24.50ユーロと書いてあり、更に値段が高いのでこちらも一緒にオーダー。

ブレイズン・ヘッド
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ベリーレアは、とても華やかなアイリッシュイスキーで、バリークロケットはミドルトン蒸留所のマスターディスティラー、バリー・クロケットがセレクションした樽をボトリングしていて46度あり、ベリーレアより濃く、かつフルーティーな感じがするウイスキーだった。


アイルランド8日目

アイルランドで初のライダーカップが開催されたパークランドコース

アイルランドゴルフ旅の第7ラウンドはアイルランド共和国のキルデア州のKクラブ

Kクラブにはパーマーライダーカップコースパーマースマーフィットコースの2コースあり、今回はパーマーライダーカップコースをラウンド。

パーマーライダーカップコースの開場は1991年。パーマースマーフィットコースは2003年に増設された。

その名の通り、パーマーライダーカップコースは2006年のライダーカップの会場になり、アイルランドで初めてライダーカップが開催されたコースとしても有名。

どちらのコースの設計もアーノルド・パーマーエド・セイのコンビで設計。

KクラブのKの意味は、キルデアホテル&カントリークラブを省略してKクラブと名乗っているらしい。

コースは優雅な雰囲気のあるパークランドコースで、池の多いコースだった。


Kクラブでのラウンドを終えてランチはキルケニーの町の中にあるカフェ・ソル・ビストロで。

キルケニーは中世アイルランドの中心都市だった。

ビールはキルケニーの地ビールで。2014年にキルケニーで創業したコステロスブリューイングという新しい醸造所が造るレッドエール。さやかやかな苦味のあるビールだった。

人参とコリアンダーのスープソル・フィッシュケーキ

フィッシュ・ケーキは、ジャガイモ飢饉の時代にアイルランドで生まれた料理で、茹でた魚にマッシュポテト、ネギ・バターをまぜて小麦粉をつけてプライパンで焼く。イギリス発祥という説もあるが、どちらも19世紀に作られたと言われている。

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フィッシュケーキ

今日はこれからに2ラウンド目に。ジャック・ニクラス設計のコースをラウンドしにいく。

アイルランドのニクラス設計のパークランドコース

アイルランドゴルフ旅の第8ラウンドはアイルランド共和国のキルケニー州にあるマウントジュリエットゴルフクラブ

開場は1991年。設計はジャック・ニクラス。

内陸にあるリゾートホテルに併設されているパークランドタイプのリゾートコース。

素晴しいリンクスがたくさんあるアイルランに来てまでわざわざ回る価値があるかどうか?と聞かれればその価値はないかもしれない。

それぐらい普通のコースなのだがアイルランドに長期滞在する場合、一息つくにはちょうど良いコースでもあった。私の今回のアイルランドゴルフ旅は約2週間で今日がちょうど半分。

連日のタフなリンクスのレイアウトと風にやられて精神的、肉体的にも疲労が溜まっている中、このコースはほっと一息つけるクッションのような存在になってくれた。


今夜はキルケニーの町に宿泊。

夕食はMarble City Bar and Tearooms(マーブルシティバー&ティールームズ)で。

ビールはキルケニーで1710年から造られているギネス以上に親しまれているスミティックスで。
スミティックスはアイルランドで一番歴史のある醸造所。

シーフードチャウダーは、サーモンがたっぷり入っていた。

メインは、バンガーズ&マッシュ。バンガーズは豚肉のソーセージのことをいい、昔、戦時中に品質の悪いソーセージが配給されていてそれを焼いている時に破裂していたのでバンガーズと呼ばれるようになったのだとか。

そしてアイルランドのマッシュポテトは大量のバターと牛乳が入っているので、こってりクリーミーなのが特徴。


アイルランド9日目

キルケニーの町に宿泊した翌朝の朝食は町のカフェでスコーンとカフェオレで軽くすませてキルケニーを去る前に観光に。

まずはキルケニー城に。

キルケニー城の原型は13世紀の初めにペンブルック伯爵のために造られたノルマンの城。

その城をキルケニーの大地主のオーモンド伯爵のジェームス・バトラーが購入してバトラー家の居城となった。

城の中を見学できるの見学することに。ホールにはいろんな絵画が展示されていた。もう一か所立ち寄ってから南に向かうことにする。

1710年に創業したアイルランド最古の醸造所のスミティックス

Smithwick’sという綴りなのでスミスウィックスと発音すると思いきや、アイルランドではこれでスミティックスと発音する。

スミティックスはギネス以上にアイルランド人に親しまれているレッドエール。

この旅で私もギネスと同じぐらいスミティックスを飲んだ。

では、そろそろ今日の目的地のアイルランドの南のコーク州のオールドヘッドゴルフリンクスに移動することにする。

     
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