第九話「エメラルドの島、アイルランドゴルフ旅」

4章.アイルランド南西部のマンスター地方(前編)

アイルランドの南西部のマンスター州は、アイルランドではリゾート地として知られている。コークはアイルランド第2の都市でもある。これからしばらくはマンスター地方でゴルフをする。


キルケニーを出発して南に約200km。2時間半ほどのドライブ。

目的地のコーク州のオールドヘッドが見えてきた。

オールドヘッドはコーク州のキンセールの南にある、その名の通り、ポツンと頭が飛び出したようにできている岬。

この岬の中にゴルフコースがギッシリと詰まっている。

時間があるのでクラブハウスでランチをいただくことにした。

レストランからは海とシンボルの灯台が見えた。

まずはビールのハープラガーで喉を潤した。ハープはアイルランドの若者に人気のある銘柄なのだとか。

食事はオールドヘッドシーフードプラッター

スモークサーモン、クラブミート、海老、スパイシーケイジャンサーモン、ホタテ、牡蠣などたくさんのオールドヘッド周辺で獲れた新鮮なシーフードを楽しむことができた。

オールドヘッドシーフードプラッター

大西洋に突き出た小さな半島に造られたコース

アイルランドゴルフ旅の第9ラウンドはアイルランド共和国のコーク州のキンセールの南の岬にあるオールドヘッドゴルフリンクス

ケリー州生まれのアイルランド人、ジョン・オコーナーがファウンダーとして1997年に開場。

オコーナーは断崖絶壁に囲まれた小島のような220エーカーの半島の中に世界でも例を見ない壮大なコースを作り上げた。

言葉で説明するより、ヤーデージブックの表紙に乗っているオールドヘッドの空撮写真を見ていただくのが一番わかりやすい。こんなロケーションのゴルフコースはおそらく世界でここだけだろう。ワクワクする。

設計はジャック・ニクラスのゴルフコース設計事務所で活躍したロン・カービィ、オーストラリアのコース設計者のパトリック・メリガン、アイルランドのプロゴルファーで現在シニアツアーに参加しているリアム・ヒギンス、アイルランドのプロゴルファーでゴルフコース設計家のエディ・ハケット、アイルランドで最も成功したアマチュアゴルファーのジョー・カー達が交代して完成させた。

2番ホールは左に銃の形のように直角にドッグレッグしているのでGUN HOLEと名付けられた。

3番ホールのパー3も左に断崖絶壁が続く。

米国ゴルフマガジン社が発表しているTop 100 Course in the Worldに1999年に一度だけ96位でランクインしていた。

12番ホールは、左に断崖絶壁が続く左ドッグレッグのパー5。ポツンと見える石の目印を目標にしてティーショットする。このホールは今までラウンドしてきた中のホールの中でも一番記憶に残るホールになった。

17番ホールは距離の長いパー5でThe 500 World’s Greatest Golf HolesThe Five Hundredに、そして18ホールだけ選ばれるThe Most Penal HolesThe Longest HolesThe Best Ocean Holesにそれぞれ選出されている。

コースの造成中、自然保護団体などの反対にあい、完成までに10年以上かかり、複数の設計家が担当したことや、小島のような岬の中にぎっしりと18ホールを詰め込んだのでコースレイアウトは少し無理矢理感を感じたコースだったが、このような素晴らしくダイナミックなロケーションでのゴルフは今まで経験したことがなかった。

とにかくロケーションは世界トップクラスなので一度、ラウンドしてみる価値は十分ある。


オールドヘッドでのゴルフを終えて翌日のゴルフのために北西に移動。

翌日はケリー州のウォータービルでゴルフなので途中の同じケリー州のキラーニーという町に宿泊する。ホテルにチェックイン後、町で食事。

トラリーやキローグリン、ディングルで獲れた魚を取り扱っているキラーニーの魚屋のキンランズフィッシュショップが経営しているキンランズ・シーフードバーというお店にした。

魚屋の本店はカハーサイビーンにあり、キローグリン、トラリー、そしてキラーニーに支店がある。(※シーフードバーはキラーニー、トラリー、キローグリン、コークで営業。キンランズフィッシュショップの本店があるカハーサイビーンではQC’s Seafood Restaurantというレストランも営業している。)

シーフードバーと名乗っているがお酒類は販売していなかったのは残念だったが、新鮮な魚介類がいただける素晴しいお店だった。

ワイルドコッドは、タラのソテー。

クラブクロウは、アイリッシュクラブ(ブラウンクラブとも呼ばれるヨーロッパイチョウガニのこと)の蟹の爪をガーリックオイルで味付けしたもので、アイルランドではガーリックオイルかクリームソースで味付けすることが多いのだとか。

この蟹の爪がとにかく美味しかった。最後はパンをちぎって残ったガーリックオイルと蟹の身に絡ませていただいた。

いつか、本店があるカハーサイビーンに行くことがあれば、そちらのシーフードレストランにも立ち寄ってみたいと思う。

アイルランド10日目

チャップリンが愛した風光明媚な地に造られたリンクス

アイルランドゴルフ旅の第10ラウンドはアイルランド共和国のケリー州にあるウォータービルゴルフリンクス

1889年に9ホールで開場。当時、北アメリカとヨーロッパを繋ぐ海底通信ケーブルの通信基地がウォータービルにあり、そこで働く技術者達がゴルフコースを立ち上げた。

そして長い間、9ホールのままだったが、1973年にアイルランド系アメリカ人のジョン・ムルカヒが率いたチーム、アイルランド人のプロゴルファーで設計家のエディ・ハケット、1948年のマスターズチャンピオンのクロード・ハーモンがオリジナルの9ホールを改造し、新たに現在のフロント9を追加して18ホールに拡張した。

そして2006年にはトム・ファジオが改造し、6番、7番ホールは完全に置き換えられた。

米国ゴルフマガジン社が発表しているTop 100 Course in the Worldに2009~2017年の間、ランクインしていた。(最高位は2013年の76位)

アイルランドは過去の植民地支配からイギリスには敵対心があるが、アメリカにはイギリスに苦しめられたジャガイモ飢饉の時にアイルランドからの移民を受け入れてくれたことで友好的で、特にアイルランド西海岸はアメリカ大陸側ということもあり、アメリカ資本の影響を受けている企業が多い。ここウォータービルもアメリカ資本でリンクスだが歩きラウンドではなくアメリカゴルフのように乗用カートでのラウンドだった。

そして、ここウォータービルは、あのチャーリー・チャップリンが愛した風光明媚な海辺の保養地で、1960年代には家族で夏に度々訪れていた地でもある。

11番ホールと17番ホールはThe 500 World’s Greatest Golf HolesThe Five Hundredに選出されている。

特に17番ホールは、このコースで一番高い場所にティーイングエリアがあるパー3でチャップリンが見ていた景色を一望できる場所で心が和んだ。


ウォータービルGLでのラウンドを終えて、ランチはクラブハウスのレストランで。

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スモークサーモンのオープンサンド

ビールは、昨夜泊まったキラーニーのキラーニーブリューイングカンパニーのビール、デビルズヘルズラガーで。

ローカルのスモークサーモンのオープンサンドウィッチと一緒に。

会計を終えて次の目的地に移動する前にバーカウンターの奥に見慣れないアイリッシュウイスキーを発見。

ライターズティアーズという、シングルポットスチルとモルトウイスキーをヴァッティング、ノンフィルターでボトリングしたアイリッシュウイスキー。

どんな味がするのだろうか?機会があれば飲んでみたい。


ウォータービルを出発して今夜の宿のケリー州のディングルの町に2時間のドライブで到着。

今夜の宿はマーフィーズパブB&B。チェックイン後、早速、1Fにあるパブで軽く一杯。

まずは地元ケリー州のケリーブリューイングのギネアス・ディングルペールエールで喉の渇きを癒す。

二杯目はクレステッドテン。ジェイムソンのセカンドラベル的な存在。ミドルトン蒸溜所の原酒をシェリー樽で7~8年間熟成。ブレンデッドでシェリーの香りが心地よいアイリッシュウイスキー。

そして三杯目はGREENOREと綴ってグリーナーとでも発音するのでだろうか?シングルグレーンアイリッシュウイスキー。キルベガン蒸留所が新たに立ち上げた新世代のアイリッシュウイスキーのブランドのようだ。

マーフィーズパブB&B
部屋からはディングル港が見える

そろそろ夕食に出かけることにする。


夕食はディングルの魚料理が美味しいお店に行きたかったのだが満席。

ディングルの街を歩きながら代わりのお店を探すことにした。

パブで飲みながら席が空くのを待つのも良かったのだが、私一人ではなく仲間が一緒でお腹を空かしていたので、ひとまず、ジョン・ベニーズ・パブでみんなと一緒に食事をすることに。

地元のディングルブリューイングカンパニーのラガーのトム・クリーンズ

まずはオイスターを。さすが港町だけあって美味しい。アイルランドでは海産物は生で食べることはなく唯一、生で食べるのが牡蠣なのだとか。

メインもシーフードと行きたかったのだが、どうしても先ほどのお店にもう一度チャレンジしたいのでシーフードはやめてシェパーズパイ

シェパーズパイは、マッシュポテトをパイの皮にして中に羊の挽肉を詰めたアイルランド料理。

みんなと解散して、これから満席だったお店にもう一度行ってみることにした。


満席で断られたシーフードが美味しいと言われている人気のアウト・オブ・ブルー。一人で行くと何とか入れた。

アウトオブブルー
ブラックソールのソテー

牡蠣ブラックソールをオーダーした。ビールは昨日も飲んだキラーニーのデビルズヘルズ・ラガーの瓶。

牡蠣はディングルの対岸のグレンバイ産。さっきのお店の牡蠣も美味しかったけど、こちらのほうがだんぜん美味い。

ブラックソールは舌平目のこと。ソテーされていて、アーモンドを使ったソースが素晴らしい。舌平目も新鮮で、とにかく美味しかった。

もしディングルに来ることがあれば再訪したいと思う。


アイルランド11日目

ディングルのB&Bに宿泊した翌日の朝。

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朝食はディングル湾で獲れたサーモンをスモークサーモンにしたものをいただいた。

やはりその土地の物をいただくのは美味しい。

これからケリー州の州庁トラリーにあるトラリーゴルフクラブにラウンドしにいく。

パーマーが欧州で初めて設計したコース

アイルランドゴルフ旅の第11ラウンドはアイルランド共和国のケリー州にあるトラリーゴルフクラブ

1896年にトラリーの近くのマウントホークという場所に9ホールのコースとして開場。

アーノルド・パーマー像

長い間、9ホールのままだったが、1984年に現在の海沿いの土地をクラブが購入して18ホールのコースとして移転。

新コースの設計はアーノルド・パーマーとエド・セイのコンビ。パーマーが欧州で初めて設計したコースでもある。私がラウンドした2か月後にパーマーは亡くなった。

そんなパーマーが設計したコースは本当に素晴らしいリンクスだった。

パーマーは生前、「フロント9は私が設計したがバック9は神が造った」とコメントしたのだが、そのコメントの通りに、特にバックナインの地形、景色が素晴らしく心地よい時間を過ごすことができた。

17番ホールは距離の短い右ドッグレッグのパー4でThe 500 World’s Greatest Golf HolesThe Five Hundredに、そしてThe Most Scenic HolesThe Best Short Par 4sの18ホールの中の1つに選ばれている。

美しい景色にアンジュレーションのある地形を活かしたパーマーのマスターピースの1つに数えられる素晴らしいコースだった。


トラリーでのラウンドを終えてクラブハウスでランチを。

シーフードサラダ。小エビがたっぷり。他には焼いたサーモンとスモークサーモンも入っていてボリュームたっぷり。

ディープフライドスキャンピ

これから次の目的地のバリーバニオンに移動する。


トラリーを後にしてバリーバニオンに到着。

シーショアB&Bという今夜の宿にチェックイン。素敵なB&Bだった。

リビングに置いてあったバリーバニオンのガイドパンフレットをみてブロモアークリフという断崖絶壁が近くにあるようなので見に行ってみた。

高さ55mにもなる断崖絶壁は何千年にもわたり、波と風の自然の力で削られてできあがった。

続いてもう一か所、名所があるのでそちらにも足を向けた。

ブロモアークリフズを後にしてバリーバニオンの町の近くにあるクリフウォークという散歩道に。

町のすぐ近くにはバリーバニオン城の城跡があった。明日、ラウンドするバリーバニオンゴルフクラブのロゴマークにもなっている。何かロゴマークと形が違うなと思っていたら1998年の冬に落雷で塔の上部が破壊されてしまったらしい。

そしてクリフウォークに。クリフウォークの先にはナインドウターズホールという海に繋がっている穴があった。バイキングの襲来時に村の有力者の9人の娘がこの穴に投げ捨てられたという悲しい歴史がある穴だった。

そろそろ夕食の時間なのでバリーバニオンの町に戻ることにした。


夕食はバリーバニオンの町にあるアイリッシュレストランアワード2015を受賞したダロカというレストラン。

ビールは北アイルランドに面しているモナハン州のBrehonブリューハウスのStony Grey IPAを。

ローストコッドチャウダー(ローストした鱈のスープ)とリブアイ・オブ・ヘレフォードビーフをいただいた。

スコットランドでもそうだったがアイルランドでも食事のハズレがない。

アイルランドゴルフの前半の目玉はロイヤルカウンティダウンだったが、いよいよ明日は後半の目玉、バリーバニオンをラウンドだ。

     
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