第九話「エメラルドの島、アイルランドゴルフ旅」

5章.マンスター地方(後編)

アイルランド12日目

今日はバリーバニオンGCをラウンド予定。

昨夜はバリーバニオンの外れにあるシーショアーB&Bに宿泊した。

このB&Bは女性オーナーのセンス、気配りが素晴らしく、次回、バリーバニオンを再訪した時にはもう一度、ここに泊まろうと思える素敵なB&Bだった。

ここまで丁寧に盛り付けしているアイリッシュやスコテッシュブレックファストは見たことなかった。

アイルランド共和国でNo.1のリンクス

アイルランドゴルフ旅の第12ラウンドはアイルランド共和国のケリー州にあるバリーバニオンゴルフクラブ・オールドコース

1893年にジェームス・マッケナの設計で12ホールで開場したが、1898年に経営破たん。

その後、1906年に元インド軍将校のバーソロミュー大佐、アイルランド銀行のB.J.ジョンストーン、開場時の理事であったパトリック・マッカーシー、リストーウェル在住のジョン・マコーレーの四人がスポンサーになり、再建。その時に新たに設計した9ホールはアイルランドゴルフの編集者のライオネル・ヒューソンという人物が担当。

1926年には18ホールに拡張された。

そして1936年には、当時のゴルフコース設計家で第一人者だったトム・シンプソンがコースを改造。7番ホール、13番ホールの場所の変更や1番ホールのフェアウェイにバンカーを追加するなどを行った。このバンカーはミセス・シンプソンという愛称で親しまれている。

米国ゴルフマガジン社が発表しているTop 100 Course in the Worldに初回の1983年から最新の2023年までずっとランクインしている。最高位は8位(1987年)。

アイルランド島全体ではロイヤルカウンティダウン、ロイヤルポートラッシュにつぎ、No.3の評価だが、アイルランド共和国でみるとNo.1の評価を得ているコースである。私の評価ではロイヤルポートラッシュよりバリーバニオンのほうが評価が高い。

そしてバリーバニオンGCにはオールドコース以外にロバート・トレント・ジョーンズ・シニアが設計したカシェンコースもある。こちらも昼からラウンドした。

2、7番ホールはThe 500 World’s Greatest Golf HolesThe Five Hundredに選出されている。

11番ホールは右に海が続く距離のあるパー4で、The 500 World’s Greatest Golf HolesThe EighteenThe Single Best Holes By NumberThe Best Ocean HolesThe Best Links HolesThe Best Holes You Can Playの18ホールの中の1つにも選ばれている。

つまりこれは、世界中で最も素晴らしい18ホールの1つ、世界中の11番ホールの中でNo.1、海が見える最高の18ホールの1つ、リンクスで最高の18ホールの1つ、誰もがプレイできる最高のコースの18ホールの1つと賞を総なめにしている名ホールということである。

ティーショットからの景観も素晴らしいが、このホールが素晴らしいのはセカンドから見える地形のアンジュレーションの美しさ。

自然なアンジュレーションのフェアウェイの先に、ここにグリーンを配置せよと神が指示したようなナチュラルな素晴らしいホールだった。

オリジナルのコースは有名設計家が造ったコースではなく、まさに神が造ったコースとはこのバリーバニオンのことを言うのだと感じた素敵な時間だった。


バリーバニオン・オールドコースでの感動のラウンドを終えてクラブハウスでランチを。

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ステーキバーガー

喉の渇きを癒すためにまずはローカルのサイダー(シードル)のCRONINS(クローニンズ)。バリーバニオンから南に約10㎞のリックナウという場所で造られている。

The BGC 8オンスステーキバーガーはボリュームたっぷりだった。

そして昼からのラウンド後もサイダーをいただいた。何度も飲んでいるアイルランド共和国のメジャーなサイダーのバルマーズ。

お腹がいっぱいになったので昼からもう1つのコースのカシェンコースをラウンドしてきた。

ロバート・トレント・ジョーンズがアイルランドに造ったリンクス

アイルランドゴルフ旅の第13ラウンドはアイルランド共和国のケリー州にあるバリーバニオンゴルフクラブ・カシェンコース

カシェンコースは1984年にロバート・トレント・ジョーンズ・シニアの設計でオープン。

バリーバニオンGCが創設されたのが1893年なので91年後に増設された。

カシェンコースは一番後ろのブルーティーからでも6318ヤード(パー72)と距離が短いが、オールドコースよりアップダウンもあり、景観もいいのでぜひオールドコースだけでなくカシェンコースもラウンドすることをおススメする。

川奈に例えるなら富士コースがオールドコースで大島コースがカシェンコースのような位置づけだと言えば分りやすいと思う。

そして、カシェンコースは乗用カートが使えるが、このアップダウンを楽しむならぜひ手引きカートで高低差を感じながら歩いてラウンドして欲しい。

次の目的に向かうために北上する。


夕食は移動途中でリムリック州の州都リムリックの街に立ち寄り、食べることにした。

リムリックはアイルランド第3の都市で街の中をシャノン川が流れていて中世の歴史的な建造物が並ぶ、アイルランドらしい町並みだった。

ザ・ロックバーというアイリッシュパブに入店。

アイリッシュビーフシチューギネスと一緒にいただいた。

アイリッシュビーフはギネスと一緒に煮込んで肉を柔らかくしているのだとか。適度な苦みも加わり、美味しかった。

今夜の目的地のクレア州に移動する。


アイルランド13日目

バリーバニオンを出発して、途中、リムリックで夕食。そしてクレア州キルクハンのB&Bのクロンモアロッジにチェックイン。

どうしてもアイルランド滞在中に、アイルランドの家庭でよく食べられているポテトチップスを挟んだクリスプサンドウィッチを食べたくて昨夜、チェックインした時にB&Bの女主人にクリスプを渡して明日の朝の朝食に作って欲しいとオーダー。

アイルランドで一番人気のフレーバーのソルト&ビネガーで作ってもらった。

マスタードとソルトアンドビネガーのポテトチップスの相性がバツグンで、食感は外はしっとり中はサクサク。

食べる前はどうかな?と思ったが、意外と美味しかった。

グレッグノーマン設計のアイルランドのリンクス

アイルランドゴルフ旅の第14ラウンドはアイルランド共和国のクレア州にあるトランプインターナショナル・ゴルフリンクス・アイルランド

開場は2002年。設計はグレッグ・ノーマン

開場時はドゥーンベッグゴルフクラブという名前だったが2014年にドナルド・トランプが買収して現在の名前に変わった。トランプ傘下になってからマーティン・ハウツリーが改造を担当。

ドゥーンベッグは、1.5マイルのビーチと砂丘に沿ってルーティングされていて、アイルランドの荒々しい地形を堪能できる。

ノーマンは、土地の視察に来た時に、「私は世界で最も幸運な設計者だ」と言ったそうだ。

確かに20世紀後半になり、アイルランドでゴルフコースに使用できるよいリンクスは数少なくなっているので、ノーマンの気持ちも理解できる。


ランチはドゥーンベッグのクラブハウスで。

シーフードチャウダーとティペラリー州のテンプルモアの醸造所ホワイトジプシーのレッドエール

アイリッシュビーフバーガーは肉厚なビーフバーガーだった。

昨日に引き続き、今日も2ラウンド。次の目的地のラヒンチに移動する。

モリス、マッケンジー、ハウツリーと各時代の名匠がバトンを受け継いでいる名リンクス

アイルランドゴルフ旅の第15ラウンドはアイルランド共和国のクレア州にあるラヒンチゴルフクラブ・オールドコース

開場は1892年。リムリックゴルフクラブの創設者のアレキサンダー・ショウリチャード・プラマーがオリジナルのコースを設計。

現在のオールドコースの北側に9ホール、リスカナーロードと呼ばれる道路を挟んで陸側の現在のキャッスルコースがある場所に9ホール造られた。

その2年後の1984年にアレクサンダー・ショウはセントアンドリュースからトム・モリスを招聘して、改造を依頼。

この時、トム・モリスは「今まで見た中で最高に素晴しい天然コースだ」と絶賛した。

トム・モリスはこの改造で、リスカナーロードの陸側にあるホールの一部を海側に移した。

ラヒンチで評価が高い4番ホールと5番ホールは、トム・モリスが設計したのではなく、開場時にアレキサンダー達が設計したという説もあるが、ラヒンチのホームページには、この2つのホールはトム・モリスが造ったと記されていることと、開場時に造られたコースは北側の部分で4,5番は南側に位置するのでトム・モリスが設計したと私も思う。

そして1926年にはアリスター・マッケンジーが招かれて一年かけて大改造して全ホールをリスカナーロードの海側に全て移動させた。現在のオールドコースのレイアウトはこの時のマッケンジーの改造がベースになっている。

その後、1999年にマーティン・ハウツリーがコースの近代化を目指して改造。4ホールのルーティングを変更し、砂丘の奥深い場所に8番と11番のパー3を新設した。

この時、ハウツリーは残りの16ホールをマッケンジーが改造した当時のレイアウトに復元した。

米国ゴルフマガジン社が発表しているTop 100 Course in the Worldに1991年から最新の2023年までランクインを続けている。最高位は35位(2015年)。

オールドコースは、アイルランド共和国では2位。北アイルランドを含めたアイルランド全体でも4位に位置する名リンクス。

ちなみに、ラヒンチの意味はアイルランドの言葉で、ビジーサーファーアイランドという意味らしい。

4番ホールのパー5は、The 500 World’s Greatest Golf HolesThe Five Hundredに選ばれている名物ホールでプレストウィックのアルプスホールより豪快な砂丘越えだった。

砂丘の上にいるフォアキャディが前が空けば打っていいと合図してくれる。

私はブラインドのホールが大好きだ。ショットの先が見えないのはアンフェアだという人もいるが、その先を想像する楽しさがある。

4番に続き、5番ホールもブラインドホールで砂丘越えのパー3。

グリーンは砂丘で取り囲まれた谷間のようになっている。ホール名のDellは小さい谷という意味。

白い石の先にピンがある。

冬季は左に砂丘越えではない別グリーンが使用されるので、砂丘越えのブラインドショットのワクワクを楽しむなら、ぜひ夏場のラウンドをおススメする。

12番ホールは、ドゥーキャッスルに向かってティーショットする左ドッグレッグのパー5。狙いは城跡のやや右。

アイルランドの激しい砂丘の起伏と海。それに歴史ある古城跡とラヒンチの街並みを借景にしたコースは何度もラウンドしたくなる。

ラヒンチは、各時代のゴルフコース設計の名匠と呼ばれているトム・モリス、アリスター・マッケンジー、マーティン・ハウツリーがコース改造のバトンを受け継ぎ、時には大胆な改造をしながらも、大事な遺産は残して世界的な評価を維持する努力を続けている名リンクスだった。


ラヒンチのラウンド後に近くにあるモハーの断崖を見に行ってみた。時間は21時頃だがまだまだ明るい。

モハーの断崖のビジターセンターは冬は17時まで、夏は最長21時まで空いている。今日も21時まで開いていたようだが、ちょうど閉まったところだった。

ビジターセンターが閉まってもモハーの断崖までは自由にアクセスできた。

最高200mもの高さのモハーの断崖は、アイルランドの言葉で破滅の崖という意味でアイルランドの荒々しい自然美を堪能できた。

そろそろ夕食を食べに行くことにする。


夕食はラヒンチの町のレストラン、Danny Mac’s(ダニー・マックス)で。

リスカナーベイ・シーフードチャウダーは、ラヒンチ周辺のリスカナー湾で獲れた魚介類を使用したシーフードチャウダーで濃厚で美味しかった。

メインはチキンブレスト・インナ・バン。チキンバーガーみたいなものだった。

そして中の鶏肉だけ先に食べて外側のパンを残して、とあるアイルランドの郷土料理を自作してみた。

今朝、ポテトチップスを挟んだアイルランドの郷土料理のクリスプサンドウィッチをいただいたが、中身をチップス(フライドポテト)にしたものをチップブティと呼ぶ。

大阪のお好み焼きにご飯という「炭水化物に炭水化物」と同じような考え方の食べ物で、こちらもなかなか外食先では食べることができないようなので自作して挟んで食べてみた。

明日は北上してアイルランド北西部のコノート地方に移動する。

     
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