バーと蒸留所をハシゴしていい気分になったところで、ふと小腹が空いて立ち寄ったのが、ニャチャンの老舗バインミー屋「Bánh mì Nguyễn Hường」である。
夜遅い時間にもかかわらず、ガラスケースの前には地元の人が代わる代わるやって来て、テイクアウトしていく。観光客向けというより、完全にローカルの日常に溶け込んだバインミー屋さんだ。

せっかくなので、具材全部乗せの「Thập Cẩm(タップカム)」をオーダーしたが、この日は遅い時間だったこともあり、すでに売り切れ。代わりに「全部は入らないけれど、これなら出せるよ」と別バージョンを作ってくれた。

Bánh mì Giò Lụa(蒸しハムのバインミー)
ベトナムハムとパクチー、青唐辛子がたっぷり入り、パンにしみ込んだ甘辛いソースと相まって、パンチのある辛さである。この辛さが妙に癖になる。

バインミーを受け取ったあとは、宿に戻る前に近くのスーパーに立ち寄って飲み物を調達。ニャチャン周辺で昔から親しまれている炭酸入りミネラルウォーター「Danh Thanh(ダンタン)」を見つけたので一緒に購入した。ニャチャンから内陸に入ったディエンカイン県のダンタン鉱泉の水をボトリングしたもの。弱めの発泡とミネラル感で、濃い味付けのバインミーとの相性もよく、歩き回った一日の締めくくりにちょうどいい一本だった。


気に入ってしまい、翌朝も同じ店を再訪。
朝一番とあって具材はフルラインナップで揃っており、今度こそ念願のタップカムをオーダーできた。ハムや揚げソーセージ、パテに香草とチリが重なって、ひと口ごとに味の層が変わっていく。
夜の一杯の締めにも、翌朝の朝食にもぴったりのバインミーだと思う。





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