念願だったタージ・マハルには、朝日とともに入場した。


タージマハルの正門のグレート・ゲート(ダルワーザ・イ・ラウザ)は赤砂岩に白大理石の象嵌(土台の素材を彫り別の素材をはめ込んで模様を作るインドではピエトラ・ドゥーラと呼んでいる工芸技法)が美しく、入り口の時点で他のインドの世界遺産との格の違いを感じさせてくれる。
そしてゲートから朝靄の中、遠くに浮かぶタージマハルが見えた瞬間、思わず「あっ」と声が漏れた。


ゲートの暗がりから、光の中に浮かび上がる白い霊廟。この見せ方も含めて設計の一部なのだと思う。

水路、庭園、建物、そのすべてが一本の軸の上に置かれていて、わずかなズレも許されていない完璧なシンメトリー。
写真や映像で何度も見てきたはずなのに、実物はまったく別物だった。

タージ・マハルの二日前にデリーでフマユーン廟を見学していた。
フマユーン廟も世界遺産で、ムガル建築としては十分に大きく、美しい。
それでもタージ・マハルを前にすると、スケールも、密度も、完成度も、まったく次元が違うことがはっきりわかる。

タージマハルの中に入るには靴にカバーをかぶせて入場する必要がある。


ふと足元を見ると、赤砂岩と白大理石で構成された幾何学模様の床。
この何気ない床も実は「王妃が好きだった宝石(菱形)、星(赤砂岩)、花(宝石と星を合わせた状態)」をデザインしている。


正面だけでなく、角度を変えてもシンメトリーが破綻しない。
横から見ても、斜めから見ても建物のバランスは崩れず、左右対称という思想が徹底されているのがよくわかる。


圧巻だったのは、霊廟の中の“さらに精密な世界”
大理石のレリーフの花や蔓の文様はすべて手彫りだし、レリーフの上の文様もピエトラ・ドゥーラで宝石や半貴石が埋め込まれていて美しい。気が遠くなる作業だと思う。


圧巻だったのは霊廟の中で、外側のレリーフより更に精密なレリーフが飾られていた。(撮影禁止だった)

タージマハル建設に国家を傾かせるぐらいお金を使ったのは国王として、どうなの?とは思うけど、それぐらいお金をかけて作りたいと思うぐらいの愛って凄いなと。
とにかくシンメトリーの美しさと圧倒的なスケール感と細部のこだわりに感動した。
タージ・マハルを遠くに見渡せるアーグラ城塞
ツアーにはこの後、アーグラ城塞を訪れるというのがあったが、私が前日にデリーのレッドフォートを訪れていたということをガイドさんに話していたこともあるからだろうが、「アグラ城はレッドフォートと同じように赤い城です。レッドフォートを見ていたなら行かなくてもよいかもしれないです。行く場合はもちろんガイドします」という話をしてきていて、ガイドさんも早く仕事を終えたいのもあるのだと思うが、私も連日の疲れもあるし、明日からコルカタに移動なのもあるので無理せずに通過することにして、写真を一枚だけ撮影した。
写真に写っているのがアグラ城にあるムサンマン・ブルジュという離宮で皇帝シャー・ジャハーンが息子にアグラ城に幽閉された時にここから愛する妻が祀られているタージマハルを眺めながら晩年を過ごしていた場所だ。





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