バーンカニタで夕食を終えたあとは、次の一軒としてBar USへ向かった。
Bar USはバンコクの人気バーで、近年はAsia’s 50 Best Barsで上位に入り、2025年版では4位にランクインしてタイのNo.1バーと評価されている。世界版のThe World’s 50 Best Bars 2025でも15位に入っており、いまのバンコクを代表する一軒のひとつといっていい。
実際、この日も入店まで少し待つほどの賑わいだった。

白い白衣を着たスタッフにハーブやスパイスが入った瓶が棚に並べられて実験室をイメージした店内。

メニューを見ると、Starter、Main、After、All Nightと分かれていて、まるでコース料理のようにカクテルを楽しませる構成になっている。店の公式サイトでも、料理から着想を得た“drinking course”としてこの構成を打ち出している。(All Nightはクラシックカクテルをツイストしたカクテル)


私は最初から目当てだったMainカテゴリーのPad Thaiをオーダーした。レシピを見ると、Leek(西洋ネギ)の蒸留水、Ketel One、チリオイル、赤エシャロット、サトウキビ、ココナッツ、タマリンド、ナッツシロップ、塩漬けした生姜を使用している。
発想は面白い。だが、実際に飲んでみると、私にはパッタイというより日本のカップ麺のソース焼きそばを思わせる味わいに感じられた。個性を強く打ち出した一杯ではあるが、やや気を衒いすぎている印象も受けた。

2杯目も同じくMainからTom Yam Highballをオーダー。こちらはPatron Silver Tequila、赤唐辛子、Tio Pepe Fino Sherry、レモングラス、イギリスのFrankin&Sons社のエルダーフラワー&キュウリのトニックウォーターという構成で、名前どおりトムヤムの要素をハイボールに落とし込んだカクテルになっている。

こちらは可もなく不可もなく、というのが率直な感想だった。
これは私が選んだ2杯の印象にすぎないが、完成度以上に“個性”を前に出した印象が残った。この店の本領は別のカテゴリーや別のメニューにあるのかもしれない。
そして、滞在中に何軒かバーを回ってみると、バンコクの人気バーは競争がかなり激しく、その中で埋もれないために、あえて尖ったテーマや独自性の強いメニューを打ち出しているようにも感じた。Bar USもまた、そうした今のバンコクのバーシーンを象徴する一軒なのだと思う。



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