17年ぶりにバンコクへ戻ってきた初日の夜。
最初のディナーに選んだのは、バンコクで長く知られるタイ料理店、Baan Khanitha(バーンカニタ)

バーンカニタは1993年に始まった店で、創業者のカニタ・アカラニティクル氏が「Khanitha’s Home」という意味を込めて名付けたレストランだという。長くバンコクのタイ料理店として知られ、ミシュランガイドにも掲載されてきた。素材にも力を入れていて、自社のオーガニックファームの食材を使うことも特徴のひとつらしい。
日本でも時々タイ料理は食べるが、本場で味わうのは久しぶりだったので、最初の一軒は外したくなかった。そこで選んだのがこの店だった。オーダーする料理も、ソムタム、トムヤムクン、グリーンカレーと、最初から王道のタイ料理に決めていた。
最近知った話なのだが、いままでずっとトムヤンクンのトムが海老という意味だと思っていた。それはベトナム語の海老がトムなので地域が近いので同じ意味で使われているのだと勝手に思っていたが、実はタイ語で「トム」は煮るで「ヤム」は和えるで「クン」が海老だということを知った。
料理を待っていると、アミューズのような形でサービスのMiang Kham(ミアンカム)が運ばれてきた。
ハイゴショウ(チャプルー)の葉の上に、ピーナッツ、刻んだライム、唐辛子、赤玉ねぎ、生姜、ローストココナッツ、そして濃い甘辛いペーストをのせ、自分で包んでひと口で食べる。海苔の佃煮のようにも見えるこのペーストが実に美味しく、椰子砂糖、ナンプラー、カピ(海老のペースト)などを煮詰めて作られているらしい。
チャプルーの爽やかでほのかにピリッとした風味に、薬味それぞれの個性、そしてペーストの濃厚な旨味が重なり合い、最初のひと口から強く印象に残る一品で、他の料理も、もちろん美味しかったがこの夜いちばん感動したのはこのミアンカムだった。


ソムタムは、青パパイヤの軽やかな食感が心地よく、辛さと酸味がしっかりしていて、暑いバンコクの夜によく合うし、ビールが進む。

トムヤムクンは、海老の旨みを土台にしながら、レモングラスやライムの香りが立ち上がる王道の美味しさ。
赤く鮮やかなスープはいかにも強そうに見えるが、ただ刺激的なだけではなく、酸味とコクのバランスが素晴らしかった。

ビールを途中でバーンカニタが醸造しているクラフトビールのWhale Pale Aleに変えてみた。


グリーンカレーはタイ語でゲーン・キャオ・ワーンという。
「ゲーン」は汁物、「キャオ」は緑色、「ワーン」は甘いという意味らしい。
見た目よりもやさしい味わいで、ココナッツミルクの丸みの中に、あとから青唐辛子の風味がじんわりと広がっていく。白いご飯と合わせると、ああ、タイに来たなと実感できる味だった。


17年ぶりのバンコク。
その再会の一食目として、とても良いスタートだった。






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