第八話「ゴルフの原点スコットランド、リンクスゴルフ旅」

6章.インヴァネス・スペイサイドエリアに

ロジーマスに到着したのは23時前。ロジーマスはスコッチウイスキーの聖地、スペイサイドと呼ばれるエリアの海沿いにある。

明日はロジーマスにあるマレイゴルフクラブをラウンド。(※Morayと綴り、マリーやマレーやモレーなど発音されているが、当サイトではスコッチウイスキーのGlen Morayの日本語表記がグレンマレイなのでマレイと表記する。)

今夜の宿泊先はマレイゴルフクラブのクラブハウスの目の前にある、リンクスロッジに。マレイゴルフクラブのキャプテンが経営しているB&Bだ。

今夜は到着が遅くなることを事前に告げていたので遅い時間まで奥様が起きてくれていて、「一杯どうですか?」とスコッチを勧めてくれた。

スペイサイドのグレンマレイ蒸留所がマレイゴルフクラブのメンバー向けにバーボン樽でスコッチを12年寝かせたクラブモルト。

かつてはグレングラントがマレイゴルフクラブのためにボトリングしていたが、1992年に商業的な理由で個別のボトリングを終了することに。

翌年からはマッカランに依頼、そして2007年からはグレンマレイがボトリングしてくれることになったようだ。

「良かったら部屋にボトルごと持っていっていいわよ」と奥様。

ということで寝る前に部屋でもいただいた。

スコットランド11日目

そして、朝になり起床。朝もロジーマスの海を見ながらスコッチを。

目の前にはこれからラウンドするコースと海が見える。旅に出ると素敵な景色をつまみにして飲みたくなってしまう。

そして朝食はマレイGCのキャプテンが作ってくれた。スモークサーモンとスクランブルエッグ。

これからマレイゴルフクラブをキャプテンと一緒にラウンドする。

新旧、二人の全英オープン覇者の足跡をたどることができるリンクス

スコットランドゴルフ旅の第14ラウンドはマレイゴルフクラブ・オールドコース

開場は1889年。

マレイゴルフクラブはオールドコースとニューコースがあり、オールドコースはトム・モリスが設計。ニューコースは全英オープンを三回制覇したヘンリー・コットンが1979年に設計。

オールドコースはヘンリー・コットンが改造もしたことがあるようだ。

もちろんトム・モリスも全英オープン覇者(4回)。

マレイゴルフクラブは、新旧の全英オープンのチャンピオンの足跡をたどることができるリンクス。

マレイGCのキャプテンとのラウンド中、コースのことやクラブの歴史。全英覇者のヘンリー・コットンを招聘して改造と新コース設計を依頼した話など自分のクラブに誇り思って紹介してくれる姿を見て感動した。

マレイゴルフクラブでのラウンドを終えてクラブハウスでランチを食べながら軽くいっぱいやることに。棚の上にはスペイサイドのスコッチがいろいろと並んでいた。

まずは、グレンマレイがマレイゴルフクラブのためにボトリングしてくれたクラブモルトで乾杯。

数杯、スペイサイドのモルトをいただいた。更にお土産にクラブモルトのスコッチまでいただけた。

素晴しいコースに素晴らしいスコッチ、そして素晴らしいもてなし、本当にありがとうございました。

クラブハウス
クラブハウスのバックバー

昼からはインヴァネスの東にある2009年に開場した新しいリンクスのキャッスルスチュアートをラウンドする。

スコットランドの名門スチュアート家の城があるリンクス

スコットランドゴルフ旅の第15ラウンドはキャッスルスチュアートゴルフリンクス

2009年に開場されたばかりの新しいリンクス。設計はマーク・パーシネンギル・ハンス

マーク・パーシネンは2000年に開場されたキングスバーンゴルフリンクスの設計(カイル・フィリップスとの共作)で有名になった人物。

そしてギル・ハンスはリオオリンピックのゴルフコースの設計者。東京ゴルフ倶楽部のグリーン周りの改造も担当した人物。

米国ゴルフマガジン社が発表しているTop 100 Course in the Worldに2011年から最新の2023年までランクインしている。最高位は56位(2011年)。

4番ホールのグリーン奥にはゴルフ場の名前の由来のスチュアート城が見えた。

スチュアート城はスコットランドを340年間統治してきたスチュアート家にゆかりのある城。

長い間、使用されていなかったが、現在は改装されてホテルになっている。

傾斜地を上手に活用してホール間に高低差を作りだし、広々とした印象を持たせる、工夫された新時代の名リンクスだった。


キャッスルスチュアートでのラウンドを終えてクラブハウスでランチを。

キャッスルスチュアートホームメイドバーガー、プライムスコッチビーフとスコティッシュ・マチュア・チェダーを使用したハンバーガー。チェダーチーズはイギリスの代表的なチーズで熟成度によってマイルド・マチュア・エクストラマチュアと区別されている。

そしてスープはスコットランドの伝統的なスープ「スコッチブロス」を。

大麦と野菜と羊の肉をコトコトと煮込んだスープだった。


今夜は6日前に宿泊したアーバインのB&Bにもう一度宿泊する。

アーバインまで200マイル。4時間弱の移動。

途中のパースの街のディーンズレストランで夕食を取ることにした。パースはセントアンドリュースより古いゴルフコースがあったのではないかとも言われている。

トマトとベーコンのスープとエスニック風にアレンジしたスコティッシュサーモン

どちらも洗練されていて美味しかった。

そしてデザートはスコットランド名物で食べたかったクラナハンがあったのでオーダーしてみた。

オーツ麦にクランベリー、ヘザーハニー、スコッチウイスキーとスコットランドの名物に生クリームを混ぜたデザートでクランベリーが甘すぎず、長旅で疲れた体が求めている味だった。

スコットランドの食事は旅の始まりの時はあまり期待していなかったのだが、今のところほとんど外れがない。

お店のセレクションもよかったのかもしれないが、イギリスの食事が美味しくないというのはスコットランドには当てはまらないのかもしれない

イングランドはフライトの乗り継ぎだけできちんとまだ訪れたことがないのでイングランドではどうなのだろうか?

なんとなくだが、スコットランドの女王メアリー・スチュアートがフランスに嫁ぎ、フランス王妃にもなったことなどフランス王朝とのつながりが強かったこともあり、食文化もフランスの影響を受けていたことも背景にあるのかもしれない。

これは、根拠のない想像なので、いつかイングランドを訪れた時に、食べ歩きをしながら考察してみたい。

食後は再び車を走らせアーバインのB&Bに到着したのは23時過ぎ。明日も2ラウンド。

     
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