かつてニューヨークに存在した世界で最も素晴らしいコースと呼ばれていたリドーゴルフクラブ。
アメリカゴルフコース設計の父と呼ばれているC.B.マクドナルド設計。
そのコースがタイのバンコクから東に50分の場所にあるキアタニカントリークラブを全面改修して復活するという話を先日、聞くことができました。全面改修を担当しているのはギル・ハンス。
過去の資料をいただいたのでリドーゴルフクラブを調べてみました。
最初の資料は各ホールの名称とヤード数、そしてどのコースの何番ホールを参考にしたかの資料。
プラトー、イーデン、ケープ、アルプス、パンチボウル、ショート、レダン、ロングなどの同じみのクラシック理論のホール名が目白押しです。
私が大好きなマクドナルド設計のナショナルゴルフリンクスオブアメリカ(以外、NGLA)と同じようにホール名を見ているだけでワクワクします。
こちらが当時のレイアウト。(右側が北)
最初の資料には造成担当にS.レイナーの名前が記載されています。
そして1914~1918という年も記載されていますが、これはこのコースが1914年に開場して1918年に閉鎖されたということでしょうか?(※2019.10.07追記:その後、このリドーが1939年に世界で初めてゴルフコースのランキングが八用されたときに41位にランクインしていることが分かったので1939年にも存在していたことがわかりました。「1939年の世界ランキングはこちら」)
場所はニューヨークのロングビーチという場所にあったとも記載されています。
ロングビーチの場所を調べてみました。
NGLAやシネコックヒルズがあるロングアイランドの南にある東西に細長いロングビーチバリア島の東あたりの場所のようです。
グーグルマップで拡大していくとLido Golf Clubと名前とゴルフ場らしい画像があります。今も存在してる!?
別の当時のレイアウト図(左側が北)
この資料のレイアウトは南(右側)に海。そして北(左側)に運河があり、当時は海にも運河にも面していたようです。現在は南側は住宅地で北の運河にしか面していませんが、特徴のあるラグーンもあり、ここで間違いなさそうです。
もう少し詳しく調べてみました。
リドーゴルフクラブは現存してますが、マクドナルド設計のコースではなくなっているようです。
現在のコースはロバート・トレント・ジョーンズ・シニアが設計しているようです。
当時のレイアウト図と比較すると4番のチャネルホールなどは当時のレイアウトに近い形で残っています。
パブリックコースなので次回のニューヨーク訪問時にラウンドしてみようと思います。
話をかつてのマクドナルド設計のリドーに戻します。
実はこのコースはマクドナルド、レイナー以外にオーガスタナショナルやサイプレスポイントを設計したアリスター・マッケンジーも関わっていたのです。
マッケンジーがゴルフコース設計の仕事をするきっかけになったのが1914年のカントリーライフ誌の懸賞つき『理想の2ショットデザインコンテスト』で優勝したことがきっかけなのですが、このコンテストはリドーのデザインコンテストでもあったのです。マッケンジーのアイデアは最終の18番ホールに採用されてます。
ちなみに6番ホールは準優勝したレイナーのアイデア。
マクドナルド、レイナー、マッケンジーの夢の共演のコース。
そのコースが場所をタイに変えて、来年の8月に復活します。バックナインの芝付けは11月に完了するのだとか。その後、フロントナインの作業に来年の2月頃にはゴルフ場全体としての見た目が分かる状態になっているのだとか。
完全なプライベートコース化を目指すようで、現在、会員を募集中とのこと。
こちらがバンラカットクラブのWEBページ。
今から開場が楽しみです。
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