ひとつ前の記事で、チョイス241号の「日本のベストバンカーホール20・難しくも美しい砂のハザード大研究」に協力した記事をアップしたが、その流れで「世界のベストバンカー」について考えてみた。
日本のベストバンカーは存在感など圧倒的に廣野GCの7番パー3だと思うが、世界に目を移すとどれも印象的で素晴らしいバンカーが多く1つに選べなかったので印象的な42ホールのバンカーを選んでみた。
アメリカ
まずはアメリカから23ホール。
ナショナルゴルフリンクス・オブ・アメリカ 4番パー3(ニューヨーク州)
C・B・マクドナルド設計。オリジナルはノースベリックの15番ホールの世界で最もコピーされたホールと言われているレダンホール。ノースベリックのレダンホールより、レダンっぽいと言ってもよいぐらいレダンホールのコンセプトが再現されているホール。攻略方法は高い球でピンをダイレクトに狙うか、グリーン右のスペースに刻んでアプローチを寄せてパーを取るか。
シネコックヒルズゴルフクラブ 15番パー4(ニューヨーク州)
打ち下ろしで右ドッグレッグのパー4。左に行きすぎるとセカンドがグリーン手前のバンカー越えに。ティーイングエリアから見える右のバンカー越えに成功するとセカンドが楽になる。
シネコックヒルズゴルフクラブ 16番パー5(ニューヨーク州)
S字にドッグレッグしているパー5。バンカーの配置が戦略的でしかも美しく、素晴らしい。
ベスページ・ブラックコース 4番パー5(ニューヨーク州)
A・W・ティリングハースト設計。打ちおろしでS字にドッグレッグしているパー5。セカンドショットは打ち上げでバンカー越えでサードショットもがっちりとバンカーでグリーンがガードされている。
このホールが素晴らしいのは3回のショット全てが絶妙な配置のバンカーで守られていることと、セカンド地点からグリーン周りのバンカーは確認できないのだが、ティーショット時に全バンカーを確認することができるという点。
ベスページ・ブラックコース 5番パー4(ニューヨーク州)
距離のある打ち下ろしで右ドッグレッグのパー4だが、ティーショット時のフェアウェイがバンカーによりダイアゴナル(対角線)に伸びているのでバンカー越えに挑戦して成功するとセカンドショットが狙いやすくなる。
アリスター・マッケンジー設計。横長のグリーンに手前・奥のバンカー、グリーン手前の池。そして読みにくい風という全ての要素が絡み合う最高のパー3
リビエラカントリークラブ 10番パー4(カリフォルニア州)
距離の短いドライバブルなパー4。正面に見えるバンカーを越えるにはキャリーで200ヤードあれば越えることができ、一方、250ヤードで左奥のバンカーに入るので確実に左のフェアウェイを狙うのも攻め方の一つ。距離が短い分、いろんな攻め方ができるので攻略ルートを考えるのに迷いが生じることもあるのが評価されている。
パサティエンポゴルフクラブ 16番パー4(カリフォルニア州)
アリスター・マッケンジー設計。右ドッグレッグのパー4。ティーショットはブラインドでセカンドショットが打ち下ろしの谷越え。グリーン手前に深く巨大なバンカーが配置されているダイナミックなホール。
ウィリー・パークJr.設計。ティーショットが左のバンカー越えだとセカンドショットが花道からのラインになり狙いやすい。右に逃げるとセカンドショットがバンカー越えになる。
ボストンゴルフクラブ 3番パー4(マサチューセッツ州)
ギル・ハンス設計。距離のあるバンカー越えのパー4。ティーショットをバンカーを越えることができるとセカンドはかなり楽だが当たりが悪いとバンカーにつかまるか右に転がり距離が残る。
スリーピーホロウカントリークラブ 16番パー3(ニューヨーク州)
ハドソン川に向かって打ち下すパー3。四角いグリーンの周囲はバンカーで囲まれているショート理論のホール。
ウイングドフットゴルフクラブ・ウエストコース 10番パー3(ニューヨーク州)
A・W・ティリングハースト設計。グリーンは左から右に傾斜しているので左のバンカーに入れるとバンカーショットがかなり難しい。
オールドマクドナルド 9番パー4(オレゴン州)
トム・ドーク設計。ケープ理論を再現したホール。オールドマクドナルドはアメリカゴルフコース設計の祖、C・B・マクドナルドの理論をドークがオマージュしたコース。
ケープ理論というのはドッグレッグのパー4のホールで、ドッグレッグ地点に巨大なウォーターハザードやバンカーなどが配置されていてハザード越えしてショートカットに成功するとセカンドショットが有利になる設計。
メリオンゴルフクラブ・イーストコース 13番パー3(ペンシルバニア州)
距離の短いパー3。グリーン右手前のバンカーはかなり顎が高い。
オークモントカントリークラブ 3番パー4、4番パー5(ペンシルバニア州)
3番ホールは有名なチャーチピューズ(教会の椅子)のバンカーがフェアウェイ左サイドにある。
4番ホールは3番ホールを折り返して先ほどのチャーチピューズが右サイドにくる。
ウィスリングストレイツ・ストレイツコース 17番パー3・18番パー4(ウィスコンシン州)
ピート・ダイ設計のコース。コース内には無数のバンカーが配置されている難コース。17番は左側に落差のあるバンカーが配置されている。
スコットランド
続いてスコットランドから8ホール
マクリハニッシュゴルフクラブ 1番パー4
海とビーチ越えの左ドッグレッグのパー4。このビーチをバンカーと定義してよいのかどうかは議論の余地があるが、砂地ということでバンカー扱いとして紹介しておく。フェアウェイはビーチに沿って、ダイアゴナル(対角線上)に伸びているので左を狙えば狙うほどリスクは高くなるが、成功すればセカンドショットが有利になる。
ノースベリックゴルフクラブ 2番パー4
右に海岸線が続く、距離のあるパー4。マクリハニッシュと同じくビーチをバンカー扱いとして紹介する。安全に左に逃げるとセカンドが厳しくなるので勇気が試されるホール。(※満潮の時はビーチがなくなる)
ノースベリックゴルフクラブ 15番パー3
世界で最もコピーされているホールのレダン。グリーンは左斜め45度に伸びていてそれに沿ってバンカーも左に配置されている。
プレストウィックゴルフクラブ 3番パー5
右ドッグレッグのパー5。セカンドショットはこの巨大なフェアウェイを分断しているカーディナルバンカー越え。
プレストウィックゴルフクラブ 17番パー4
世界中でコピーされているアルプスのホールのオリジナル。その巨大なアルプスを越えたグリーン手前にサハラと呼ばれている巨大バンカーがある。
ロイヤルトルーンゴルフクラブ 8番パー3
郵便切手のように縦長で小さいグリーンなのでポステージスタンプと呼ばれている。グリーン左サイドにあるバンカーがさらにティーショットを難しくしている。
ロイヤルドーノッホゴルフクラブ・チャンピオンシップコース 6番パー3
左サイドはゴースと深いバンカーが配置されているパー3。グリーンは右と奥に傾斜している。
ロイヤルアバディーンゴルフクラブ 8番パー3
10個のバンカーに囲まれているパー3。ロイヤルアバディーンのシグネチャーホール。
アイルランド
バリーバニオンゴルフクラブ・オールドコース 18番パー4
左ドッグレッグのパー4。コースの左には巨大で深いバンカーが。ホール名はサハラというが、このバンカーから名付けられている。
オーストラリア
オーストラリアからは5つ。
バーンボーグル・デューンズ・ゴルフリンクス 4番パー4
トム・ドーク設計。フェアウェイ右にインパクトのある巨大なバンカーが配置されている距離の短いパー4。ティーショットのバンカー越えが成功するとグリーンはすぐそば。
バーンボーグル・デューンズ・ゴルフリンクス 7番パー3
Tom’s Little Devilというニックネームで呼ばれているバンカーに囲まれているパー3
ロイヤルメルボルンゴルフクラブ・ウエストコース 5番パー3
アリスター・マッケンジー設計。両サイドにはびっしりとバンカーが配置されているパー3。
ロイヤルメルボルンゴルフクラブ・ウエストコース 6番パー4
打ち下しで右ドッグレッグのパー4。ドッグレッグ地点のこの右のバンカーを越えるとセカンドショットが楽になるが、バンカー左に逃げるとセカンドショットのライが難しい。
ロイヤルメルボルンゴルフクラブ・イーストコース 16番パー3
アレックス・ラッセル設計。数多くのバンカーにグリーンが囲まれている美しいパー3
ニュージーランド
タライティゴルフクラブ 17番パー3
トム・ドーク設計。海に向かってショットするバンカーに囲まれたパー3
ティティランギゴルフクラブ 11番パー3
アリスター・マッケンジーがレダンホールに改造。窪地越えでやや打ち上げなのでレダンが強調されている。
メキシコ
カボデルソル・オーシャンコース 17番パー3
ジャック・二クラス設計。ビーチ越えの豪快なパー3。カボデルソルのシグネチャーホール。
ディアマンテ・デューンズコース 12番パー5
デービス・ラブ3世設計。右ドッグレッグのパー5。コースの左のビーチで映画トロイのロケが行われたことがある。左サイドが全てビーチという唯一無二のロケーションでショットが楽しめる。
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