博多皿うどんは長崎の皿うどんとは少し違うことを知った。
長崎の皿うどんは、一般的にパリパリの揚げた細麺に中華あんがかかっている食べ物(太麺の揚げていない皿うどんも長崎にはある)を想像するが、博多皿うどんは焼いたチャンポン麺をスープで煮込んで戻してから炒めるのでパリパリしていないのである。
その博多皿うどんの発祥のお店がこちら、創業明治37年の福新楼。
博多皿うどんは、昭和初期に二代目の張兆順が作り出した。
昭和初期にはまだ冷蔵庫がなく、チャンポン麺がすぐに腐敗していたので、保存するためにチャンポン麺の表面を油で焼いて保存することにした。
焼いた麺は常温でも保存することができたが麺の乾燥が進むとガチガチに固まるので、試行錯誤して、麺をスープで煮込んで柔らかく戻して、再度、麺と具を炒めて仕上げたのだ。
福新楼の博多皿うどんは、考案当初の調理技法で作るために注文から調理に20分かかり、一度に5~6人前しか作れないので注文のタイミングでは40分以上待つこともあるようだ。
さらに当時の皿うどんには、海老やイカは入っておらず海産物が原料の蒲鉾や天ぷらが主な具材だったので、それを再現すべく、創業百年の博多の老舗「西門蒲鉾本店」の紅白蒲鉾と角天を使用しているというこだわりよう。
いただいた博多皿うどんは、麺にたっぷりとスープの旨味が吸い込まれていて食べるとふわっと口の中に旨味が広がる絶品の皿うどんに仕上がっていた。
コメント