1935年(昭和10年)創業の「銀座長寿庵」は「鴨せいろ」発祥の店の1つと言われている。
1958年(昭和38年)の春、先代が「ざるそば」を食べていたとき、誤って「そば汁」をこぼてしまい、2歳の長女が食べた「鴨南うどん」の汁が残っていたので、その汁にそばを入れ食べたそうだ。
それが「鴨せいろ」の始まりで、その後、工夫を重ねて「鴨せいろ」専用の汁を考案したとお店のホームページには記載されている。
元祖 鴨せいろの大盛をオーダー。
想像していた量の倍ぐらいあったので驚いた。
隣の席の普通盛りを見たら普通盛りもそこそこのボリューム。
実はもう1つ「鴨せいろ」発祥の店を名乗っている蕎麦屋がある。
江戸時代の文化年間(1810年頃)、東京の日本橋馬喰町の鞍掛橋のたもとで創業した「鴨南蛮」発祥の店の「笹屋」(現:元祖 鴨南ばん本家)である。
1935年(昭和10年)、両国長寿庵出身の5代目店主、桑原光二の妻・トイが客から「鴨南蛮は熱いから、夏には向かない」と言われたことがきっかけで蕎麦と鴨南蛮に使う鴨汁を分けることを考案。
しかし、鴨南蛮の汁は別々にして食べるには薄く、 それから試行錯誤を繰り返して「つけそば」用の鴨汁が完成、「鴨ぜいろ」と名付けた。
そして、1954年(昭和29年)に東京都麺類協同組合の鈴木政一、伊原幸八が講師となって、各店人気のメニューを紹介する講習を各地で行ったそうで、この時、元祖鴨南ばんの人気メニューとして「鴨ぜいろ」も紹介されたと元祖鴨南ばんのホームページには記載されている。
この昭和29年の講習会が記録に残っているなら鴨せいろ発祥は元祖鴨南ばんだと思うが、そこまで調査はできていないので、銀座長寿庵か元祖鴨南ばんのどちらが発祥なのかはわからない。
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