アイルランド最古のゴルフコースを徹底的に調べなおしてみた

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ゴルフバカの気まぐれ紀行でアイルランドへの旅をまとめているところなのだが、アイルランド最古のゴルフコースゴルフクラブについて調べなおしてみた。

スコットランドへの紀行をまとめていたときも以下のような記事で世界最古(つまりスコットランド最古)のゴルフコースを調べなおしてみたのだが、この記事はそのアイルランド版である。

今まで、アイルランド共和国・北アイルランドを含めてアイルランド島で最古のゴルフクラブロイヤルベルファストゴルフクラブだと言われていたが、近年の研究で実は違うことがわかった。

ロイヤルベルファストゴルフクラブについて

まずはRoyal Belfast Golf Club / ロイヤルベルファストゴルフクラブの歴史を簡単に紹介する。

ロイヤルベルファストゴルフクラブHP

ロイヤルベルファストは、スコットランドからアイルランドに移民した家系のトーマス・シンクレアが1881年の夏にスコットランドで休暇を過ごし、セントアンドリュースでゴルフを楽しみ、夢中になったことがきっかけで立ち上がることになった。

シンクレアは、アイルランドに帰国後、現在のロイヤルベルファストGCから西にあるハリウッドのキネガーという土地を無料で借りて6ホールのコースで開場し、1881年ベルファストゴルフクラブを立ち上げた。

そして1885年に、プリンス・オブ・ウェールズ(後のエドワード7世)がアイルランド訪問中にパトロンになり、ロイヤルの称号を得て、ロイヤル・ベルファストゴルフクラブに。

1926年には現在の場所に移転して、H・S・コルトの設計で開場して現在に至る。

上のロイヤルベルファストのホームページに飛ぶと現在もThe Oldest Golf Club In Irelandと表示されていて1881年創設のロイヤルベルファストゴルフクラブがアイルランド最古のゴルフクラブであると主張している。

アイルランドへのゴルフの伝来

次に、アイルランドにゴルフがいつ伝わったのか?という話をする。

イギリス王室のジェームズ1世(スコットランドではジェームズ6世)がアルスタープランテーションと呼ばれるアイルランド・アルスター地方(今の北アイルランドあたり)へのイギリス人の入植を推進させる施策を1609年から始めたことでアイルランドにゴルフが伝わった。

ジェームズ1世 (Attributed to John de Critz, Public domain, via Wikimedia Commons)

ジェームズ1世はスコットランド国王ジェームズ6世でもあった人物で、1603年にイングランドの王位を継承するためにエディンバラからロンドンに居を移した時に、当時スコットランドのリースリンクスでゴルフをしていた人たちも一緒に移住してロンドンでブラックヒースゴルフクラブ(1608年創設)を設立した。諸説あるが、世界最古のゴルフクラブとも言われている。

ジェームズ1世が、自身のイングランド国王即位でイングランドにゴルフを伝え、自身の施策のアルスタープランテーションで間接的ではあるが、アイルランドにゴルフを伝えたことになる。

ジェームズ1世自身、ゴルフをとても愛していたようだ。

このようにアイルランドにイギリス人が入植し、1600年初期からアルスター地方を中心にゴルフを楽しんでいたのは間違いない。

文献に残っている情報としてジョージ1世の友人でスコットランド人のヒュー・モンゴメリーは、カウンティダウン(ダウン州)ニュートナーズの土地をジョージ1世から与えられ、そこに1630年頃に学校を設立した時に、学生たちにゴルフ・フットボール・アーチェリーのための緑地の使用を許可したという記録が残っている。

ロイヤルカーラゴルフクラブについて

では、どこがアイルランド最古なのか?というと、アイルランド共和国(現在)のカウンティキルデア(キルデア州)にあるRoyal Curragh Golf Club / ロイヤルカーラゴルフクラブが最古である。

今まで、ロイヤルカーラはロイヤルベルファストより2年遅い、1883年創設だと思われていたが、1858年にクラブを立ち上げたという文献が見つかったことにより、アイルランド最古のゴルフクラブだと言われるようになった。

ロイヤルカーラゴルフクラブHP

ロイヤルカーラは、デビッド・リッチーというスコットランド人でマッセルバラゴルフクラブのメンバーが1851年にアイルランドのキルデア州カーラに移住したことから始まる。

彼はDonnelly’s Hollow / ドネリーズホロウという場所(現在のロイヤルカーラゴルフクラブの隣)に5ホールのゴルフコースを造った。

エグリントン伯爵 (作者不明, パブリック ドメイン, via Wikimedia Commons)

そのコースを1852年にアーチボルド・ウィリアム・モンゴメリー(13代エリグントン伯爵)がプレイしたという記録が残っている。エリグントン伯爵は14代ダービー伯爵がイギリス首相に1852年に就任した時にアイルランド総督に任命されて1年間着任した。

このエグリントン伯爵は、プレストウィックゴルフクラブの創設の中心メンバーで1851年に初代キャプテンにもなっていて全英オープンの立ち上げにも深くかかわっていた人物なのである。(※プレストウィックの9番ホールの名前は伯爵に敬意を表して、エグリントンと付けられている。)

プレストウィックGC9番ホール・エグリントン

1858年にリッチーはジョン・ゴーレーをスコットランドから連れてきた。ゴーレーはマッセルバラのトッププロであり、ボール製作もしていた人物。そのゴーレーに9ホールのコースを新たに造らせた。

再び、ダービー伯爵が1858年にイギリス首相に就任した時に、エグリントンは二度目のアイルランド総督として着任して、新しくなったカーラゴルフクラブをゴーレーと一緒に何度もラウンドしたようだ。

ゴーレーを連れてきたのはリッチーという話だが、私はエグリントン伯爵が連れてきたんじゃないかとも思う。

この時、カーラゴルフクラブは非公式なカジュアルなクラブとして立ち上がったという記録があり、アイルランド最古のゴルフクラブということになった。

1896年のロイヤルカーラGC、イギリス軍基地に併設されていた

そして、1910年にロイヤルの称号を得て、ロイヤルカーラゴルフクラブになったが、1922年にアイルランドの独立が認められた後、クラブは元のカーラゴルフクラブに名前を戻した。

その後、2011年にエリザベス2世がアイルランド共和国に国賓として訪問し、1911年のジョージ5世以来のイギリス王室訪問で両国の関係が大いに修復され、王室がロイヤルの称号はまだ取り消していなかったので2013年にクラブは再び、ロイヤルカーラゴルフクラブと名乗るように戻した。

アイルランド最古のゴルフクラブはロイヤルカーラGCで現在は確定されているが、最古のゴルフコースは、アルスター地方のどこかというところまでしか今のところわかっていない。おそらく現存していないはずだ。


そしてアイルランドは1つの国のゴルフクラブを取りまとめるゴルフ協会を世界で初めて立ち上げた国でもある。この件に関しては次の記事でまとめた。

     

I’m a golf-a-holic man. ゴルフバカです。

ゴルフのためなら世界中どこでも行きます。食事とお酒も大好きな食いしん坊ゴルファー。

2021年6月現在、日本国内約600コース、海外は約300コースをラウンドしているコースマニア。現在、世界中をゴルフ旅しています。ゴルフの腕前は平均スコア90前後のアベレージゴルファー。典型的なエンジョイゴルファーです。

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