神奈川県横浜市にある根岸森林公園にやってきました。
かつてここには日本で三番目に古いゴルフコースがあったのです。
現在の公園の案内図です。右上にある部分が一等馬見所(今でいう競馬スタンド)で公園全体が楕円形になっているのがかつてここに競馬場があった名残です。
ここに一周1774メートルの根岸競馬場が1866年に作られました。
そして1906年にニッポン・レース・クラブ・ゴルフィング・アソシエーションが創設されて、根岸競馬場のトラックの中に根岸ゴルフ場が造られたのです。
根岸森林公園は当時のゴルフコースの起伏を思わせる起伏が残っていました。
日本最古のゴルフ場はご存知、神戸ゴルフ倶楽部で1903年に開場。その後3年後に根岸ゴルフ場が生まれました。
ちなみに日本で二番目のゴルフコースは1904年に兵庫県、魚崎につくられた横屋ゴルフアソシエーションで、場所を変えて鳴尾ゴルフ倶楽部へと変わっていきます。
根岸ゴルフ場は日本で三番目ということは一番目、二番目が関西のコースなので関東最古のゴルフ場でもあります。
そして、それまで神戸GCも横屋GAも、芝の育成ができずにサンドグリーンだったのですが、根岸ゴルフ場が日本で初めて芝のグリーンを導入しました。
根岸ゴルフ場の設計はG・G・ブレディとF・E・コルチェスター。
1914年に駒沢で開場した東京ゴルフ倶楽部駒沢コースの設計もこの二人が設計したようです。
太平洋戦争のため、1943年にゴルフ場は閉鎖。
戦後はアメリカ軍がゴルフ場として再開して使用していましたが、1969年に接収解除となりゴルフ場は再び閉鎖され、現在の公園に。
2019年の時点での国土地理院の航空写真を見ると競馬場の輪郭がわかりますね。
国土地理院の過去の航空写真で昔のコースのレイアウトが残っていないか調べてみました。
第二次世界大戦中の1943年に閉鎖されたときにコースは一旦、姿を消しました。そして、戦後の1947年の写真では競馬場のトラック内にはコースの痕跡が残っていません。
下の写真がまだアメリカ軍の接収中の1967年に撮影された写真。この時はゴルフコースとして利用していたのでコースの形状が確認できますね。
戦後の航空写真を確認すると1948年の写真にはコースがなく、1956年の写真にはコースの形状を確認することができました。
そして1949~55年の間の航空写真が存在しないので、この期間のどこかで米軍が再びコースを造ったのが推測できます。
戦前のオリジナルのコースレイアウトが撮影されている航空写真は存在しないのでオリジナルのレイアウトはわかりませんでした。
スコットランドにはマッセルバラ競馬場の中にゴルフコースがあり、現存する世界最古のコースとしてマッセルバラリンクスが残っています。
根岸ゴルフ場も残っていて欲しかったですね。
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