今回、インドのコルカタで宿泊したホテルは、
The Lalit Great Eastern Kolkata(ザ・ラリット・グレート・イースタン・コルカタ)。
その原点は19世紀半ば、まだコルカタが英領インドの中心都市だった時代にさかのぼる。
1840年、東洋初の本格的ラグジュアリーホテルとして誕生
このホテルは 1840年 にイギリス人のデイヴィッド・ウィルソンが 「オークランド・ホテル」 として開業した。
ホテル名は、当時のインド総督であった初代オークランド伯爵ジョージ・イーデンから採られた。
ウィルソンはホテル開業前にベーカリーを経営しており、
この建物には 客室100室とベーカリーを併設したホテルとしてスタートした。
当時のカルカッタ(現コルカタ)は、英領インドの首都として
行政官・軍人・商人、そして世界中の旅人が行き交う国際都市だった。
アジアで最古のホテルは同じくコルカタで1830年に開業した「スペンス」で、現在は現存していない。
だが、ラグジュアリーホテルとしての歴史を持つのは、このグレート・イースタンが初とされる。
当時は「オリエント初のグランドホテル」とも呼ばれ、格式と社交の中心地として機能した。
オークランドホテルは1860年代に拡張され、この時に経営も変わり、その後、1915年にはグレートイースタンホテルに名前が変わった。
この写真は、1920年代ごろに撮影されたグレート・イースタン・ホテルの姿である。

創業者デイヴィッド・ウィルソンと「ホテルの中のベーカリー」
創業者のウィルソンがホテルで重視したのは、
宿泊だけではなく「食文化」を提供することだった。
その象徴として、ホテル内に設けられたのが ベーカリーである。
写真にあるレンガ造りの巨大なオーブンやベーカリーの設備は、
当時のままの形で残されており、そこで焼かれたパンや菓子は
宿泊客のみならず街の人々にも親しまれていたという。


このベーカリーこそ、
グレート・イースタンが単なる宿泊施設ではなく、街の生活と結びついた存在だった証だ。
改装を経ても消えなかった「核」
そして2005年、ザ・ラリット・グループがこのホテルを買収し、大規模な改装が始まる。
2013年には ザ・ラリット・グレート・イースタン・コルカタ として営業を再開した。
写真に写る現在のファサードは、白い外観に一新されているが、
建物のスケール感や通りとの関係は19世紀の都市構造を今も引き継いでいる。
そして何より象徴的なのが、
ベーカリーという“始まりの場所”が、きちんと保存されていることだ。


歴史を完全に塗り替えるのではなく、使い続け、残しながら更新する。
この姿勢こそが、グレート・イースタンが「ヘリテージホテル」と呼ばれる理由なのだと思う。
ホテルに着いたのは朝の9時過ぎ。
チェックインの時間にはまだ時間があるので本来なら先にチェックインだけしてゴルフ場の予約をしてもらい、ゴルフに行く予定だったが、外はコルカタ市内は洪水状態。
ホテル予約時にロイヤルカルカッタGCの予約の話をしていた者だと伝えるとホテルの責任者らしきスタッフが現れて、「今日はコルカタ市内はご覧の通りの洪水状態です。ゴルフ出来る状態ではない可能性が高いです。」と話をしてきた。
「見学だけでもよいのでゴルフ場に連絡をしてくれてないか?」と依頼すると「わかりました。ゴルフ場にかけあってみます」という回答が。
部屋を用意するのでしばらく休んでいてくださいということでアーリーチェックインをしてくれた。


フロントの端に置かれていたこの器具は1840年代にこのホテルで実際に使用されていたシールプレス機。
書簡や契約書にホテルの紋章を刻印するためのもので、ここが単なる歴史風ホテルではなく、19世紀から現在まで連続した時間を生きてきた建物であることを物語っている。


館内は、伝統的なコロニアル様式の建築美と最新のモダンなインテリアが融合した空間だった。


廊下に配置されている椅子や扉のデザインにも歴史の重さを感じる。


部屋もシンプルで居心地のよい空間だった。
くつろいでいると内線があり、「ゴルフ場が受け入れてくれました。いつ出発しますか?」と連絡があり、「今から」と答えて部屋を出た。





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