タイにはムーガタとタイスキという二つの鍋料理がある。
หมูกระทะ(ムーガタ) は、หมู(ムー) が豚肉、กระทะ(ガタ) が鉄板や鍋を意味する言葉で、中央が盛り上がった鉄板で肉を焼き、そのまわりの溝で野菜や練り物を煮る独特の形をしている。焼肉と鍋がひとつになったような料理である。
日本では、ムーガタと紹介されることが多いがタイ語ではMu Kratha(ムークラタ)という発音のほうが近い。
ムーガタのルーツははっきりしていない。日本に留学したタイ人が日本の焼肉やジンギスカン、鍋料理から着想したという説もあれば、朝鮮戦争の際にタイが国連軍として派兵した兵士たちが、韓国で食べたプルコギのような料理を持ち帰ったという説もある。いずれにしても、周辺アジアの焼肉文化や鍋文化をタイが取り込み、タイの食べ方として育てた料理であることは間違いなさそうだ。
一方のタイスキは、タイでは正式にはสุกี้ยากี้(スキーヤキー)と呼ばれていて、一般的には、สุกี้(スキー)と略して呼ばれている。
タイスキのルーツは明確で、1957年にバンコクでCocaというレストランが中国式の火鍋を「スキヤキ」という名前で提供してタイで発展した。その後、専用のつけだれとともに広く定着していった。いまではMKなどのチェーンの存在もあって、タイスキはタイ全国で最も親しまれている鍋料理のひとつになっている。メニューを見るからに好きな食材を選ぶいわゆる火鍋なのがわかる。


MKの影響もあり、タイスキは綺麗なエアコンの効いた店内で食べる鍋料理という印象らしい。
逆にムーガタは、もっと庶民的で、煙も含めて味わう料理。そんな印象の鍋である。
今回どちらに行くか考えた時、選んだのはムーガタだった。快適さよりも、タイの日常が感じられるほうを選びたかったからである。
ไม่ว่าง ย่างอยู่ THAI BBQ(マイワンヤンユー タイBBQ)へ。

日本語メニューもあり、わかりやすい。


二人だったので豚トロ、豚バラ、豚カルビ、イカ、味付けイカ、カニカマ、クラゲ、エビ、ベーコン、豚レバーが入っているMサイズにしてみた。

野菜とスープは周辺の鍋部分に入れ、肉や魚介類は中央の鉄板部分で焼く。焼いた脂や旨味が鍋のほうに落ちて野菜と混ざり、スープが少しずつできあがっていく。


焼いたり煮たりした具材は、ムーガタ特有のタレであるน้ำจิ้ม(ナムチム)につけて食べる。このナムチムが甘辛く、豚肉によく合って美味しかった。

ドリンクはシンハービールで楽しんだが、昨日飲んだラムの SangSom(サンソム) 以外に、BLEND 285 というブレンデッドウイスキーも置いてあった。
これはスコッチウイスキーにタイのスピリッツを混ぜた、ウイスキー風スピリッツと呼ぶのが正しそうな酒である。他には Regency というタイのブランデーも置いていた。





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