スコットランドゴルフ旅の第18ラウンドはプレストウィックゴルフクラブ。
今回の旅の最後のラウンドです。
開場は1851年。プレストウィックゴルフクラブはゴルフ場の近くにあったレッドライオンインのパブでゴルフ仲間が飲みながら創設が決められました。
そのパブのゴルフ仲間の中心メンバーのジェームス・フェアリー大佐が、当時のゴルフ文化の中心であったセントアンドリュースをホームコースにしている「ロイヤル・アンド・エンシェント・ゴルフ・クラブ・オブ・セント・アンドリュース」とマッセルバラリンクスをホームコースにしていた「オナラブル・カンパニー・オブ・エディンバラ・ゴルファーズ」の2つのクラブに対抗できるクラブにするために、セントアンドリュースで活躍していたアラン・ロバートソンの弟子のトム・モリスを招聘してコース造りを任せました。
ちょうどトム・モリスはこの時、アラン・ロバートソンと思想の違いにより、関係が悪化していたので、新天地を求めてプレストウィックにやってきました。最初は12ホールでの開場でした。
そして、フェアリー大佐はプレストウィックの名声を高めるために当時の有名ゴルフクラブにクラブ対抗選手権の開催を呼びかけました。フェアリー大佐の呼びかけに応じたクラブが集まって大会は1857年7月に開催されましたが、プレストウィックは当時は他のクラブから遠く、不便だと他のクラブからクレームが出て、開催コースはセントアンドリュースに決定。(この大会は全英アマチュア選手権に発展していきました。)
フェアリー大佐はそれでもプレストトウィックで大会を開催することを目指し続け、1860年にプレストウィックでプロゴルファーだけの選手権を開くことを決めました。この時の話し合いもレッドライオンインで行われていたようです。
ラウンド後にレッドライオンインで軽く一杯やろうと思います。
1860年に開催されたこの大会は前の年にプロゴルファー最強と言われていたアラン・ロバートソンが亡くなったのでその後を継ぐゴルファーを決める大会という位置づけで開催されました。
フェアリー大佐としてはこの大会でトム・モリスに優勝してもらい、プレストウィックの名前を世に広げるというのが目的でしたが、全参加者が6名のプロの中、トム・モリスは2位で優勝はマッセルバラのウィリー・パークでした。
そして第二回目以降は参加者を増やすためにアマチュアにも門戸を開き、第二回の大会は一年前の雪辱を果たし、トム・モリスが優勝。
この大会がThe Open(いわゆる全英オープン)の始まりになります。
最初はプレストウィックのみで開催されていましたが、1873年以降はセントアンドリュース、マッセルバラとの持ち回り開催になり、その後、開催コースが少しずつ増えていき、現在に至ります。プレストウィックでの全英オープンの開催は1925年の開催が最後で、全24回開催されました。
1番ホールはThe 500 World’s Greatest Golf HolesのThe One Hundred(ベスト100ホール)と500ホールの中から18ホール選ばれる、The Most Penals HolesとThe Best Short Par 4s
に選出されています。
3番ホールもThe 500 World’s Greatest Golf HolesとThe Best Links Holesに選出されています。
そんな全英オープン発祥のリンクスのプレストウィックはチャンピオンシップ、メダル、シニアとティーがあり、メダルティーからティーオフ。
オーストラリアからやってきている夫婦とジョイントしてのラウンド。
1番ホール(Railway) 345ヤード パー4
右に線路が続くパー4
The 500 World’s Greatest Golf HolesのThe One Hundredに選出されています。
そんなに距離もないし、右に打ち込むのが怖くてアイアンでティーショットしました。
2番ホール(Tunnel) 164ヤード パー3
3番ホール(Cardinal) 477ヤード パー5
右ドッグレッグのパー5
The 500 World’s Greatest Golf Holesに選出されています。
セカンドショットはこの巨大なフェアウェイを分断しているカーディナルバンカー越え。
グリーン手前からコースを振り返った風景。右サイド(写真では振り返ってるので左)にはクリークが流れています。
4番ホール(Bridge) 384ヤード パー4
右ドッグレッグのパー4
右サイドにはクリークがグリーン横まで続いています。
5番ホール(Himalayas) 206ヤード パー3
距離のあるブラインドのパー3。目の前に広がる小山はまさにヒマラヤのようです。
5mほどの小山を登った頂上あたりからグリーンを見下ろした風景
ホールアウト後は鐘を鳴らして後続組に知らせます。
グリーン奥から振り返った風景
6番ホール(Elysian Fields) 362ヤード パー4
ストレートなパー4
7番ホール(Monkton Miln) 430ヤード パー4
距離のあるやや打ち上げのパー4
8番ホール(End) 432ヤード パー4
名前の通り、このホールを最後にコースは折り返していきます。距離のあるパー4。
9番ホール(Eglinton) 444ヤード パー4
右ドッグレッグのパー4。こちらはチャンピオンシップティー(461ヤード)からの風景
メダルティーからの風景はこちら
10番ホール(Arran) 453ヤード パー4
クリーク越えの距離のあるパー4
11番ホール(Carrick) 195ヤード パー3
12番ホール(Wall) 513ヤード パー5
ストレートなパー5
13番ホール(Sea Headrig) 458ヤード パー4
16番とフェアウェイを共有している距離のあるパー4。左に見えるのは16番グリーン。
14番ホール(Goosedubs) 363ヤード パー4
こちらはチャンピオンシップティー(406ヤード)からの風景。左のグリーンは13番グリーン。
メダルティーからの風景はこちら。13番グリーンの真横にあります。
グリーン奥から振り返った風景
15番ホール(Narrows) 353ヤード パー4
その名の通りフェアウェイが狭いパー4
フェアウェイには傾斜があります。
グリーン左サイドからグリーンを見た風景。奥に見える小山は17番ホールのアルプス。
16番ホール(Cardinal Back) 290ヤード パー4
距離の短いパー4。フェアウェイは13番と共有。
グリーン手前から振り返った風景。13番ホールのフェアウェイと一体化しています。
17番ホール(Alps) 394ヤード パー4
今回のプレストウィックで楽しみにしていたホールの1つ。アルプス。
世界中でコピーされているアルプスのホールのオリジナルがここです。
今まで廣野GC、オールドマクドナルドなどをラウンドしてきているのでオリジナルを見るのがとても楽しみでした。
グリーンは左サイドに見えるアルプス越え。
コースの右サイド(16番ホール)からアルプスを見た風景。この写真の右下にグリーンがあります。
アルプス越えはもちろんブラインドショット。
グリーンの手前にはサハラと呼ばれている巨大バンカーが。
グリーン奥からアルプスを振り返った風景
想像していた以上にアルプスは巨大でした。
18番ホール(Clock) 288ヤード パー4
距離の短いやや右ドッグレッグのパー4
私のティーショットはアタリはよかったのですが左のバンカー方向に。ボールを見に行くとソッドウォールバンカーの縁に。。
最後の最後までリンクスの厳しさを教えられた旅でしたが、素晴しいコースばかりでゴルフの原点を感じることができた最高の旅になりました。
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