「ネットのゴルフ場の口コミ」と「本当のゴルフ場の評価」の違いと「日本のコース評価のガラパゴス化」について(2)

01.ゴルフの話題
01.ゴルフの話題

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『週刊SPA!』5/30・6/6号(5/23発売)の「低評価なのに良いもの一覧」特集の「低評価だけど実は良いゴルフ場」に協力させていただいた話の続き(後編)である。

前編はこちら

実際のネットの口コミってどうなの?

ゴルフ場予約サイトの星評価はゴルフを本格的に始めた2008年頃は参考にして次にラウンドするゴルフ場を決めていたが、ラウンドしたゴルフコースの数がある程度、増えた後は、あまりアテにはならない(私が求めている情報ではない)事に気付いて、口コミサイトの星評価は気にしないようになったので、取材を受けるために、まずは現在のネットの口コミについて調べることにした。

ネットの口コミといえばグルメ系の口コミが一番、需要もあり、活用されていて、私が感じる傾向だが、Googleマップの口コミは、食べログの口コミより評価ポイントが高くなる傾向があると思っている。

これは実際に統計などを取ったわけでなく、私が両方を活用していての実感値であるが、食べログの評価システムなどを考えるとその傾向は間違いないとは思っている。

GDOと楽天GORAの星評価の分析

ゴルフ場の口コミに関しても同じような傾向(Googleマップの口コミのほうが評価ポイントが高くなる)があるのではないかと思って調査してみた。

調査対象は、Googleマップでは評価の高いゴルフ場のみを抽出することはできても逆に低いゴルフ場のみ抽出することはできない(私は知らない)ので、ゴルフ場の予約サイトの最大手の2社のGDOと楽天GORAの2つに絞って調べてみた。

(※両社に問い合わせたわけではなく、サイトを見ての分析なので間違えている点はあるかもしれない)

まずGDOは全国で評価3.0以下は24コースしかなかった。一方、楽天GORAは76コースあった。(2023.5.9時点)

全国でゴルフ場は2300コースほどあるので、全体の1~3%と思っていたより数が少ないなというのが感想である。

楽天GORAのほうが低評価のコース数が多い理由だが、どちらのサイトも投稿された口コミの平均点を単純に算出しているようで、GDOは過去2年間の投稿の平均値に対して楽天GORAは過去6か月間の投稿の平均値という違いにより発生していることがわかった。

これは、楽天GORAの3.0以下のコースで北海道・東北のコースが40コースと全体の半数以上もあるのが原因だった。

そして、この地域のコースが劣っているというわけではない。

楽天GORAのシステムの盲点で、寒い地域のコースは冬季は休業しているので過去6か月間となると冬季や今この春頃のタイミングでは投稿がなかったりするので評価点が0になり、該当コースが増えるのである。

楽天GORAもGDOと同じような期間にルールを変更すると3.0以下のコースは30コース前後になると想定される。

そしてどちらのサイトも思っていた以上に高得点が多く星評価4.0以上のコースが全体の6割以上ある状態で、Googleマップとゴルフ予約サイト両方とも高評価が多いということになり、Googleマップと食べログの関係性とは違う結果になった。

これは両予約サイトがGoogleマップと同じく、単純に口コミの平均点で出していたからというのが理由だとわかった。

SPA!に推薦させていただいたコースについて

取材では以下の7コースを推薦させていただいた。

GDO

1.口コミ件数100件以下で星評価3.0のコース

2.口コミ件数50件以下で星評価2.5のコース

3.口コミ件数10件以下で星評価0のコース(過去2年間で口コミが0件のため)

そしてもう少し閾値を上げて

4.口コミ件数150件以下で星評価3.2のコース

楽天GORA

5.口コミ件数100件以下で星評価3.0のコース

6.口コミ件数50件以下で星評価3.0のコース

7.口コミ件数50件以下で星評価0のコース(過去半年で口コミが0件のため)

これから各ゴルフ場に掲載の許可取りをされるのと紙面の割り当ての関係上、全7コースが紹介されることはないと思うが、どのコースなのか、そして何故お勧めしているのかは発売を楽しみにしておいてほしい。

口コミ件数を正確に書かなかったのは3.0以下のコースが少ないので正確に書くとどのコースかわかってしまうのでざっくりした件数にしておいた。

叩かれることを想定しての私の評価基準の説明

SPA!に推薦させていただいた7つのコースについて、いろいろな異論・反論などが想定できるので、事前に私なりの考えをまとめておいた。

まずは私が好きなコースがどんなコースなのかをお伝えしておく。

「元々その土地が持っているポテンシャルを活かして自然な起伏や高低差を楽しめるメモラビリティの高い(記憶に残る)コース」

さらにその上に「そのコースの歴史やコースの地理的な背景なども楽しめるコース」なら最高だ。

このような価値観で7つのコースを推薦させていただいた。

続いて前編でも話をした、ゴルフというサービス業として評価する場合に重要な以下の評価項目についての私の考えをお伝えする。

メンテナンスの良さとコストパフォーマンス

コースメンテナンスが良いかどうかというポイントについて、私はほどんどこの部分を評価項目に入れていない。

プレイフィーが高いコースはメンテナンスが良いのは当たり前だし、安いコースはメンテナンスにお金をかけることが難しいので悪くなるのは仕方ないと思っている。

「サービス業なんだから、コースメンテナンスを完璧にしろよ!安いコースでもメンテナンスが行き届いているコースがある」という意見が挙がってくると思うが、そういう安いコースは努力をしていて本当に素晴らしいと思う。

私は、良いコンディションでゴルフしたいならプレイフィーが高いコースに行くようにしている。そしてこのプレイフィーの高い安いに関しての価値観こそ、人それぞれだと思っている。1万円以上を高く感じる人もいるし、3万円以上なら高いコースと思う人もいる。

ちなみに私の価値観では日本国内なら平日で2万円を超えるコースは高いコースと思うし、メンテナンスはしっかりしておいてほしいなと思うが、プレイフィーが高いコースでもコースコンディションを人間が制御できるには限界がある。天候などの状況によっては、メンテナンスが悪い時はある。でもそれを楽しんでいる。

そして、メンテナンスというよりプレイヤーのマナーの問題のほうが大きいが、ディボットにボールが入った時は、「運が悪いなぁ」と思うけど、「この状況をどう克服するか」と楽しんでいる。たいていは克服できないのだが。。

余談になるが、口コミサイトで春と秋に行われるグリーンのエアレーションに関してクレームを書いている人がいるが、グリーンのコンディションを保つためにはエアレーションは必要な作業なので、エアレーションの時期に当たった時は残念だなと思うが、それを含めて楽しむべきだと考えている。

本当に避けたいなら予約するときにゴルフ場にエアレーション中かどうか聞いて避ければよい。

コースの混雑さ

誰もがそうだと思うが、混んでいて進行が遅いコースより、空いていて進行が速いコースのほうが良いのは間違いない。

これも上の話と同じ話になるがプレイフィーが安いコースは、多くのプレイヤーを詰め込む必要があるので混むのは仕方ないと考えている。混んでいるのを避けるならプレイフィーが高いコースを選べばよいという考えだ。

フェアウェイの広さ

口コミサイトの評価項目にこの項目が入っている理由が私には理解できない。フェアウェイが広い方がストレスなくショットできるのは間違いない。ただ、広いだけならダラダラとしたラウンドになるし、ある程度、緩急をつけて絞っているほうがコースとしては面白いと思う。

コースの距離、ホール数

コースの距離が長いということにはこだわっていない。むしろその土地に合わせたレイアウトであれば距離が短くても評価を高くしているし、パー72にもこだわっていない。個人的に評価が高いコースは距離のあるホールもあるが、距離の短いホール(その分、そのホールにはトラップが多い)もあり、距離にメリハリがあるコースを高く評価している。ホール数はたくさん楽しみたいので18ホールあるほうが嬉しいが9ホールのコースでも良いコースはたくさんあると考えている。

食事の美味しさ

私はゴルフと同じくらい食べ歩きも大好きなのでゴルフ場の食事が美味しいのはとても嬉しいが、コースの評価には一切、入れていない。あくまでもゴルフ場にはゴルフをしに来ているわけだし、そもそもゴルフ場のレストランの食事には期待していない。

ただし、時々、ゴルフ場の食事が美味しいコースランキングという食事に限定した評価をするときがあるがこの時はもちろん自分が食べて美味しかったなと思ったゴルフ場を推薦している。

まとめ

まとめると、前編でも話をしたが、私は今回、推薦したゴルフコースを世界のゴルフコースの評価基準に基づいて評価していてサービス業としては評価をしていない

ということだ。

つまり、ゴルフコースマニアが一人でも多く増えるといいなという布教活動をしているただの変態の意見と、いうことなのでその点、ご理解いただけたらなと思っている。

     

I’m a golf-a-holic man. ゴルフバカです。

ゴルフのためなら世界中どこでも行きます。食事とお酒も大好きな食いしん坊ゴルファー。

2021年6月現在、日本国内約600コース、海外は約300コースをラウンドしているコースマニア。現在、世界中をゴルフ旅しています。ゴルフの腕前は平均スコア90前後のアベレージゴルファー。典型的なエンジョイゴルファーです。

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