デリー滞在中、ホテルのバーにはほぼ毎日のように立ち寄っていた。
理由はいくつかある。
まず、早い時間から営業していること。
夕食前に軽く一杯だけ、という使い方ができるのは想像以上に便利だった。
もうひとつは、デリーの渋滞。
外で食事やバーを楽しんだあと、「もう一軒行こうか」と思っても、そこから移動する気が一気に削がれる。
そんなとき、ホテルに戻ってから最後の一杯、という選択肢が自然と増えた。
結果として、滞在中にいろいろなインドのお酒を試すことになったので、ここでまとめて紹介しておきたい。
ヒルトンガーデンインサケットの2階(1 Floor)にあるHigh Spirits

17~23時までの営業。カジュアルの雰囲気のバー。
滞在中、一番飲んだのはジントニック。


別の日にはカウンターで飲んでいてバックバーに気になるインドのTERAIというジンがあったのでそれ見せてとお願いしたら、「あなたがいつも頼んでいたジントニックに使ってるジンですよ」と教えてくれた。

Terai(テライ)はヒマラヤ山麓の低地帯(ネパール〜北インド)を指す地理名。
このジンは、スワルップ家が独立後のインドで最初の蒸留所の一つとしてテライ地方で1958年に立ち上げた蒸留所で2019年から造られている。
現在はインドの大手Globus Spiritsの傘下になっている。
ヒマラヤ産のジュニパーベリーとアジア最大のスパイス市場である Khari Baoli から調達された 11 種類のボタニカルを使用したジンでロンドンドライジンを少し華やかにした感じで複雑味のあるジンというよりは、シンプルなジンでカクテルベースにちょうどよいジン。


インドの国民的ビールのKingfisher(キングフィッシャー)も飲んでみた。「ラガーとウルトラどちらがいい?」と聞かれたので飲み比べたいので両方飲んでみた。
キングフィッシャーはベンガルールに本社がある1915年から醸造所を設置する国内最大手のビールメーカーのユナイテッド・ブリュワリーズの主力製品。(ユナイテッドブリュワリーズは現在はハイネケンの傘下にある)
キングフィッシャーラガーは、熱いインドにピッタリな水のように飲めるラガー。キングフィッシャーウルトラは、更に雑味を無くしてクリアにしたような感じで価格はウルトラのほうが少し高いようだ。
滞在中、インドの湿気にやられてすぐにバテてしまっていたが、そんな時はこのバーでキングフィッシャーを一気飲みして気分をリセットしていた。

ビールでは他にはLone Wolfというプレミアムビールも飲んだ。インドのオンカラ・ビバレッジズ&ホスピタリティ社が2022年から製造していて、4種類あるシリーズの中でAlphaは柑橘類とコリアンダーの風味がするベルジャンヴィットスタイルのビールでキングフィッシャーとは違いじっくりと飲みたいときのビールだった。

インドのシングルモルトのウイスキー、DOAABも飲んだ。
ラベルに “INDIA CRAFT WHISKY / SINGLE MALT / 100% EX BOURBON BARRELS”、銘柄として “SIX BLIND MEN & THE ELEPHANT” が印刷されている。
インドの1993年創業のGlobus Spirits(最初に紹介したTeraiジンと同じ会社)がバーボン樽熟成を前面に出した、比較的新しいインド産クラフトウイスキーのシングルモルトである。
Doaabは河川に挟まれた肥沃な土地という意味で、飲むと最初にトロピカルフルーツを想像させる香りがし、その後、ナッツ系を感じて最後にオークの風味がやってくるウイスキーで粗悪さは全く感じられなかった。

そして面白かったのはBLACK DOG Black Reserve Celebration Editionというウイスキー。
ラベルに BLENDED SCOTCH WHISKYと印刷されているのでスコットランドのブレンデッドスコッチなのだが、インドでボトリングされている。
現在はディアジオ傘下のユナイテッド・スピリッツが扱うスコッチブランドで歴史は古く、1883年にスコットランドで最初にブレンド/瓶詰めされたていたが、1992年以降はインドで瓶詰めされて販売されている。
この理由は、インドの酒税・輸入関税の構造でスコッチを完成品(瓶詰め済み)で輸入するより、原酒を輸入してインド側で瓶詰めする方が関税が有利になるからのようだ。

面白かったのはFOR SALE IN DELHI ONLYとボトルに印字されていたことだ。
NOT FOR SALE IN RAJASTHANやDUTY PAID IN DELHIなども印字されていた。
これは「インドは州(+連邦直轄地)ごとに酒のルールと税金が別」だかららしい。
インドでは州ごとに、酒税のかけ方、MRP(最大小売価格)の印字ルール、ラベル表示義務などが違うのでFOR SALE IN DELHI ONLYと印字されたボトルは他州に持ち込んで小売りはできないというルールだと知った。





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