« »

球聖とマッケンジーが創りあげた理想のインランドコース

07.米国ゴルフ

[オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブ ]

2013年4月9日 11:08

毎年4月にマスターズが開催されるコース、オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブ。

ありがたいことにマスターズの練習日のチケットをいただくことができたのでロープの外からですが全18ホールを歩いて撮影してきました。

1933年に開場。

球聖ボビー・ジョーンズがカリフォルニア州のサイプレスポイントをラウンドして、その素晴らしいコースに感動し、サイプレスポイントを設計したアリスター・マッケンジーに理想のインランドコースを造ることを依頼して共同で設計したコースです。

開場当時はアウトとインが現在とは逆だったようです。(1935年まで)

 

アリスター・マッケンジーがゴルフコース設計論について本にした「GOLF ARCHITECTURE」で各ホールについて説明をしているのでそれと一緒に紹介します。(※出版後にオーガスタ・ナショナルが開場されたことと、その後、いろんな設計家によってコースの改造が行われているので、本に書かれている説明と現在のコースが一致していないところもあります) 

 

1番ホール(Tea Olive) 445ヤード パー4

やや右ドッグレッグのパー4

ティーグラウンドから先は下りのスロープになり、フェアウェイに向かって再び上りになっています。

コースセカンド地点の左側から見た風景

練習ラウンド中のトム・ワトソン。

マッケンジーは、「このホールについて右にある林を避けてのロングドライブがセカンドショットを有利にして他のどんな場所からもパーを取るのは困難」と説明していました。

実際、ティーショットが左に行くと上り傾斜が強くて距離が出ずに苦労しそうでした。

 

2番ホール(Pink Dogwood) 575ヤード パー5

2オン可能な左ドッグレッグのパー5

コースの途中から下りになっています。

マッケンジーは「打ち下ろしの面白いパー5。3ショットとも正確性が必要。ロングヒッターは2オンも可能」と説明していました。

 

3番ホール(Flowering Peach) 350ヤード パー4

距離の短い打ち上げのパー4

グリーンに向かって打ち上げが続きます。

マッケンジーは「グリーンは左側が狭く右側が広い。右側に乗せるのは簡単ですが、たいてい左側にピンが切られているので左に乗せるのは難しいでしょう」と説明しています。

 

4番ホール(Flowering Crab Apple) 240ヤード パー3

距離のあるパー3

マッケンジーは「セントアンドリュースの11番ホール(エデン)を再現したホール」と説明しています。

 

5番ホール(Magnolia) 455ヤード パー4

やや打ち上げの左ドッグレッグのパー4

マッケンジーは「セントアンドリュースの17番ホール(ロードホール)としたタイプに設計した」と説明しています。

フェアウェイの左にはバンカーがあり、かつては左のバンカー越えを狙ってショットカットしていたプレイヤーもいたのですが、現在は改造によりバンカーがフェアウェイ側に広がったのでバンカー越えを狙わずにバンカー右横に狙うようになったらしい。

ロードホールの定義のショートカットが意味をなさなくなっているようです。

グリーン奥にはバンカーがあるのでこのバンカーがオリジナルのセントアンドリュースのグリーン奥の線路に該当するハザードになっているのでしょうか?

私の知識ではまだ理解できないので引き続き、調査します。

 

6番ホール(Juniper) 180ヤード パー3

打ち下ろしのパー3

マッケンジーは「ノースベリックのレダンホールと似たものになるでしょう」と説明しています。

ただレダンの定義の1つの斜め45度にのびるグリーンの形状などがないので、改造されて現在の形になったのかもしれません。

 

7番ホール(Pampas) 450ヤード パー4

ストレートなパー4

両サイドには木が並びティーショットは曲げるとトラブルの元。

マッケンジーは「セントアンドリュースの18番ホールと似た特徴を持つホールになるだろう」と説明しています。

 

8番ホール(Yellow Jasmine) 570ヤード パー5

打ち上げのパー5

マッケンジーは「打ち上げの3ショットホール。グリーンは9~12フィートの高さの丘に囲まれたすり鉢の中にあり、グリーンはミュアフィールドの17番と比較できるかもしれない」と説明しています。

 

9番ホール(Carolina Cherry) 460ヤード パー4

左ドッグレッグのパー4

マッケンジーは「このホールは少し打ち下ろしのいわゆるCapeタイプのホール。右にまっすぐとロングドライブを打つことができれば二打目は簡単」と説明しています。

クラシック理論のCapeの理論が導入されているのでしょうか?今の私の知識では理解できないので引き続き調査が必要です。

オリジナルのグリーンはもっと傾斜が今よりすごかったらしいです。

 

10番ホール(Camellia) 495ヤード パー4

打ち下ろしで左ドッグレッグの距離のあるパー4

1935年まではこのホールがスタートホールでした。

オリジナルのグリーンは現在のグリーンの手前のフェアウェイにある巨大なグリーンの右側に配置されていたらしい。

マッケンジーは「比較的簡単なうちおろしのホール。ティーから150~200ヤード付近に左から右にバンカーが配置されバンカー越えのロングドライブは傾斜を使ってランを稼げる。このホールはサイプレスポイントの13番やイギリスの最高のインランドコースの1つのアルウッドリーの4番の特徴を持つ」と説明しています。当時は420ヤードと今より距離が短く、バンカーもあり、全く違うホールだったのかもしれません。

グリーン奥からコースを振り返った風景。

 

11番ホール(White Dogwood) 505ヤード パー4

打ち下ろしの右ドッグレッグの距離のあるパー4。このホールからいわゆるアーメンコーナーが始まり13番まで続きます

オリジナルのホールはグリーン手前にクリークが横切っていて1950年以降、現在の大きな池を左に配置するレイアウトに変更されたようです。

マッケンジーは「グリーンは美しい小川が蛇行している懐に抱かれている。グリーン回りは左から右揚がりに急な勾配があるのでティーショットを左に落とせば落とすほどアプローチが簡単になる。バンカーが1つもなくとも素晴らしいホールになるはず」と説明しています。

グリーン左奥のバンカーも後の改造で追加されたのかもしれません。

 

12番ホール(Golden Bell) 155ヤード パー3

距離の短いクリーク越えのパー3

左に見える橋が、1953年に274ストロークという最少ストロークでベン・ホーガンがラウンドしたことを記念して造られたホーガンブリッジ。この橋を渡って12番グリーンに向かいます。

右に見える橋は、ネルソンブリッジ。バイロン・ネルソンが1937年に大逆転をして優勝したことを記念して造られた橋。この橋を渡って13番のティーグラウンドに向かいます。

12bCIMG2216.jpg

 

マッケンジーは「クリークを越えてすぐに長く狭いグリーンの難しいピッチショットが問題。グリーン奥には美しい木々で覆われた砂の土手がある」と説明しています。

 

13番ホール(Azalea) 510ヤード パー5

左ドッグレッグのパー5

ティーグラウンド付近には大会中は近づくことができないのでティーグラウンドからの風景の写真は撮れませんでした。

マッケンジーは「クリーク沿いに進み、最後のショットで小川越えになります。このホールはサイプレスポイントの17番やC.B.マクドナルドの本に書かれている理想的なホールの特徴を持っています」と説明しています。

コースを振り返った風景。

 

14番ホール(Chinese Fir) 440ヤード パー4

やや左ドッグレッグのパー4

このホールはバンカーが1つもないホールで有名。

1952年まではフェアウェイ右サイドにバンカーが配置されていたらしい。

マッケンジーは「このホールはセントアンドリュースのオールドコース6番の特徴を持ち、左のバンカー越えのロングドライブでグリーンの見えるセカンドショットが打てる」と説明しています。

グリーン奥から振り返った風景。

 

15番ホール(Firethorn) 530ヤード パー5

まっすぐなグリーン手前に池が配置されているパー5

マッケンジーは「このホールは多くのゴルファーにとって3ショットホールになるだろう。クリークは何本にも分かれ、セントアンドリューズの1番と同じようなループを描く。勇敢なプレイヤーにとっては素晴しい2ショットホールにもなる。その者達にはクリークのループの右にある大きなマウンドによりセカンドショットをグリーンまで転がすことが可能になる」と説明しています。

開場当時は今とはグリーンの手前や周りの様子はずいぶん違う感じだったようです。

 

16番ホール(Redbud) 170ヤード パー3

池越えのパー3

オリジナルのホールは12番のパー3に似ていましたがマスターズ出場者にとっては簡単すぎるので1947年に池を造り、グリーンを右に移動させて現在の様子になったようです。

この時の改造はロバート・トレント・ジョーンズ・シニアが担当したようです。

マッケンジーは「クリーク越えのこのホールはイングランドのストークポージスGCの7番ホールに似ている」と説明しています。先にも述べたように改造により当時の様子とは違う状態になっています。

グリーン奥からティーグラウンドを振り返った風景。

 

17番ホール(Nandina) 440ヤード パー4

フェアウェイ左サイドには有名なアイゼンハワーツリーがあるストレートなパー4

マッケンジーは「このグリーンの構成はセントアンドリュースの14番に似ています。パーを狙うならグリーンを右から狙い、ランアップショットが必要。」と説明しています。

現在はバンカーが配置されていますが、オリジナルはバンカーがなくランニングアプローチができるレイアウトだったようです。

 

18番ホール(Holly) 465ヤード パー4

打ち上げの右ドッグレッグのパー4

マッケンジーは「ティーショットは谷越えと左から右に斜めに横切る土手越え。グリーンへのアプローチは左に深いバンカーがあります」と説明しています。

練習ラウンド中のフィル・ミケルソンとリッキー・ファウラー。

マット・クーチャーも一緒にラウンドしていました。練習ラウンドらしいリラックスした雰囲気です。

グリーン近くからコースを振り返った風景。

歩いてみてわかったことですが、テレビで見ている以上に起伏があり、その後の試合の見方がガラリとかわりました。

いつかラウンドしてみたいなぁと思います。


Comments

comments

“球聖とマッケンジーが創りあげた理想のインランドコース” への1件のコメント

  1. […] 球聖とマッケンジーが創りあげた理想のインランドコース […]

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

« »