2017年フード・オブ・ザ・イヤーのPart2です。
Part1では焼きそば部門、餃子部門、うどん部門、ピザ部門、鍋部門、冷麺(冷やし中華)部門、牛肉部門、豚肉部門、鳥肉部門の発表をしました。
こちらのPart2では羊肉部門、山羊部門、馬肉部門、ジビエ部門、もつ部門、シーフード部門、寿司部門、弁当部門、その他の麺類部門、最高の一杯部門を紹介します。
また個別の記事で2017年ラーメン・オブ・ザ・イヤー、2017年サンドウィッチ・オブ・ザ・イヤー、2017年かき氷・オブ・ザ・イヤーも発表していますのでそちらもご覧ください。
羊肉部門
今年の1月にニュージーランドに行きました。そこで何度かいただいたラムはどこもおいしかったのですが、その中でもダントツに素晴らしかったのはタライティのクラブハウスでいただいたラムでした。
この記事はこちら「タライティの素晴らしいディナー」
山羊部門
ヤギって日本では沖縄や奄美大島では食べることはありますが、本土に住んでいると普段あまり食べることありません。今年、インドネシアに何度か行きましたが、そこではよく食べました。その中で一番感動したヤギ料理はジョグジャカルタのSate Klathak pak JeDe khas Jejeran(サテ・クラタッ・パッ・ジュデ)のサテ・クラタッ。
生後7~8か月の子ヤギのみを使用したサテ(串焼き)です。味付けはシンプルに塩コショウのみ。全く臭みがありません。このためだけにジョグジャカルタに来たいと思える美味しさでした。
このお店の記事はこちら「ジョグジャカルタ名物のサテ・クラタッ」
馬肉部門
馬肉部門は8年ぶりに訪れたむつ五郎(熊本県)で馬刺、コーネ、舌刺、根刺(コリコリ)、ホルモン煮込み、串焼をいただきました。やはり本場は美味しいですね。
ジビエ部門
ジビエ部門は2つ
1つめは看板のない隠れ家イタリアン「代官山 Ringraziare koji morita」
入る前から看板がない!マンションの一室にある!と驚きながら入店。
内装も素敵で、食事も珍しい食材を使った一品が続き、いつも以上にお酒が進み、食べ終わった頃にはヘベレケに。その中でも記憶に残った料理は、アナグマのリゾット。食べたことのない食材がでてくると大興奮してしまいます。アナグマは羊のような臭みがあり、臭みが好きな人にはたまらない風味になります。素敵な時間を過ご過ごすことができました。
ふたつめは、Part1の牛肉部門でも紹介した陶芸家の福森さんの忘年会で友人の小島さんが深夜、厨房に立って夜食として作ってくれた猪炒飯。伊賀の山で獲られた猪の最高級の部分をゴロゴロと使用した炒飯でした。猪の脂の旨味を吸い込んだ炒飯は深夜にも関わらず一瞬でみんなの胃の中に。素晴らしい締めの一品となりました。
もつ部門
もつ部門は3つ。
まずは、神田にある「もつ焼き鶴田」。今年、友人から教えてもらい、気に入ってリピートしています。もつが新鮮なのはもちろん。焼き方が素晴らしい。煮込みもおいしいです。
そして私の一番のお気に入りは牛ハラミポン酢。レアなハラミをポン酢でいただけます。
そして、2軒めは、昔から大好きな白金高輪の鈴木屋。大好きなもつ焼き屋さんなのですが今年、久しぶりに訪れました。その理由は営業時間の短さ。営業日が火・水・金・土の四日間だけで17時開店で19時半ラストオーダーで予約不可というお店。開店20~30分前に並んで一巡目に入れるという感じなので時間があるときしか訪れることができません。
こちらのもつ煮込みはスープを味わうような煮込みで美味しいです。もつ焼きは、私はいつも決まって「ひも、レバー、つくね、ガツ、ぺてん」をいただきます。コリコリのつくねはピーマンもオーダーしてピーマンで挟んでいただきます。
そして3件目はもつ専門店ではなくて居酒屋です。大阪の梅田にある酒場やまと。
ここのホルモン煮込みが私のNo.1煮込みです。このまま、どんぶり飯に乗せてがっつきたくなるほどの美味さ。甘くてクリアなホルモン煮込み。臭みというものは一切感じられない究極のホルモン煮込みです。
シーフード部門
シーフード部門は全部で10種類になります。そのうち5つがベトナムでいただいた料理。ベトナム料理の奥深さに感動した一年でもありました。
まずは、ニュージーランドの高級魚のホワイトベイト。
ホワイトベイトは白魚のような魚で漁獲高が少なくてニュージーランドでは高級魚のひとつです。
ホワイトベイトフリッターと呼ばれる卵と一緒にオムレツのようにしていただくのが一般的な食べ方。
オークランドにあるBotswana Butchery Auckland(ボツワナブッチャリーオークランド)でいただきました。
シラス入りの卵焼きみたいな感じでこれがとにかく美味い。
お店の記事はこちら「ニュージーランドの高級魚のホワイトベイト」
2つめはマレーシアにあるクラブアイランドと呼ばれる人口6000人のケタム島に船で渡り、Restoran Kim Hoe(レストラン・キム・ホー)というレストランでいただいたチリクラブ。これぞ蟹という旨味たっぷりの身でした。
お店の記事はこちら「カニ島でカニとエビを喰らう」
3つめはアメリカのメリーランド州のCostas Inn(コスタスイン)でいただいたブルークラブ。
このあたりの特産でオールドベイというスパイシーな香辛料がカニにびっしりと掛けられて木槌で甲羅をたたき割りながらいただきます。このスパイスと蟹の身がとても相性がよくビールがすすみました。
4つめは、京都のとんかつ山本。とんかつ屋でシーフード?と思うと思いますが、この山本では最高級の三重県産のアワビをいただくことができます。地元なのでランチで時々、とんかつを食べに行くことはあったのですが夜に訪れたことはありませんでした。友人に招待してもらい、肉厚なアワビを刺身やフライでいただきました。三重県でもよくアワビを食べる機会はあるのですが、三重県でもここまで素晴らしいアワビをいただいたことがありませんでした。
そしてここから5つ、ベトナム料理が続きます。
5つめはホーチミンのQuán Thuý 94 Cũ(クアン トゥイ 94)で蟹三昧。
ミエン・サオ・クア(蟹の春雨炒め)、クア・ロット・チェン・ボット(ソフトシェルクラブの唐揚げ)、チャ・ジオ(蟹揚げ春巻き)をいただきました。どれもおいしかったのですが、蟹の春雨炒めは最高でした。蟹の旨味が春雨にしみこみ、蟹の身もたっぷりでたまりません。
6つめはダナンのBe Anh Seafoodでカニとハマグリをいただきました。蟹はチリソースで、ハマグリはネギ塩ピーナッツ炒めで。どちらもおいしかったのですが、特にハマグリの味付けが最高でビールが止まらなかったです。
7つめはハノイ名物のチャーカー(雷魚の油鍋)をチャーカー発祥の店 Chả Cá Lã Vọng(チャーカーラボン)でいただきました。
雷魚は全く臭みがなく、あっさりしていて絶品でした。
油で揚げてますがネギとディルなどの香草で爽やかにいただけました。
8つめは、ハノイのBún riêu Thanh Hồng(ブン ズィエウ・タンホン)というお店でいただいたブン ズィエウ。
泥ガニをすり潰してトマトと一緒に煮込んだスープにブンが入っている蟹トマト麺です。
泥ガニの旨味とトマトの酸味のバランスが素晴らしい。
香草類をトッピングするとアジアンテイストなイタリアンに、いやイタリアンテイストなベトナミーズに。
9つめは、ハノイの Mien Banh da Cua(ミェン・バインダークア)でいただいたバインダークア。
ハノイから東に100kmの場所にあるハイフォンの名物料理で、バインダーというサトウキビで色付けされたきしめんのような乾麺を使った蟹汁麺。
蟹の出汁が美味しくて、麺も米麺の割にはコシがありました。
そしてシーフード部門最後の10軒めは、屋久島のお食事処潮騒でいただいた首折れサバ。首折れサバは屋久島で水揚げされるゴマサバのブランド名で、漁獲後にすぐに首を折って鮮度を保つためにそのように呼ばれています。
屋久島には四日間滞在していたのですが、時化で漁に出ることができず最終日にようやく食べることができました。
昔、鹿児島市の漁港で首折れサバをいただきました。その首折れサバもかなり美味しかったのですがそれを遥かに上回る鮮度の良さでプリプリしていて美味しかったです。
寿司部門
寿司部門は、2つの「さかい」というお寿司屋さんを紹介します。
まずは昔からお気に入りの京都の「さか井」。こちらのお店は3畳ぐらいのスペースしかなく5人も入るとすし詰め状態になる寿司屋ですが、ここの鯖寿司が美味しいのです。いつも、きずしと鯖寿司の半々でいただきます。
そして、もう1つのさかいは、今年初めて訪れた福岡の「鮨さかい」
なかなか予約が取れない寿司屋ですが、ありがたいことに今年の10月に招待していただけました。
この時、何をいただいても美味しいなと感動して、特に握りのしめ鯖と海老が最高だなと思ってました。その感動が更に増幅する出来事が翌日にあったのです。
翌日は熊本でNo.1ともいわれている寿司屋の鮨 仙八を訪れて、ラッキーなことに2日連続、福岡、熊本のトップクラスの寿司を味わうことができたのですが、仙八の寿司を食べて、さかいとの差を実感できたのです。
仙八の寿司も十分に美味しいのですが、それを遥かに超えたレベルの寿司がさかいの寿司だと二日連続で食べ比べてわかりました。
海老のゆで加減、温度、そしてシャリの温度など全てにおいて完璧に計算されているのです。そして12月にも再訪することができ、その素晴らしさを再確認することができました。今まで私のNo.1の寿司屋は淡路島のすし屋 亙(のぶ) だったのですが、それに並ぶぐらいお気に入りの寿司屋になりました。
弁当部門
今年は、記憶に残ったお弁当が二つありました。
まず1つめは屋久島の縄文杉を見るために登山した時に縄文杉の近くの小屋で食べたお弁当。
写真を見ていただいてわかるように何の特徴もない普通の弁当です。登山する前日にホテルに予約をして朝の弁当、昼の弁当と用意をしてもらい、縄文杉に向かいます。
通常でも大変な山道ですが、この日は雷雨で川も増水している最悪のコンディション。
登山口の小屋から、なかなか誰も出発しません。ガイド付きの何組かが出発したので、ガイドなしの我々もそれについていくように出発。結局、縄文杉のところまでその日来れた人は20人もいなかったのではないかという厳しい天候でした。フラフラで到着した山小屋でずぶ濡れのまま、いただいたこのお弁当は本当に美味しかったです。
2つめの弁当は空弁。
昔から旅の時には駅弁・空弁は欠かさず食べています。その中で今年一番おいしかった弁当はこれ。
小松空港で購入した「加能香箱蟹ちらし」
他の蟹を使用した弁当もいろいろ食べましたがこの弁当がダントツに美味しかったです。
その他の麺類部門
続いて、その他の麺類部門。今年はインドネシアやベトナムなどを訪れていろんな麺料理をいただきました。その中で分類が難しい麺類をここで紹介します。
まずはインドネシアのジョグジャカルタで食べたバッミーゴドッ。鶏ベースのニンニク風味のおいしいスープに卵がスープに溶け込んでいて一気に完食しました。
このお店の記事はこちら「鶏ベースのニンニク風味のスープが美味いバッミーゴドッ」
続いてはベトナムのダナンで食べたダナン名物のブンチャーカー
牛、豚、魚の骨、トマトや野菜からダシを取ったスープにたっぷりな魚の練り物がトッピングされた麺料理。
このスープが素晴らしい。味わったことのないスープなので説明が難しいのですがいろんな旨味が出てる素晴らしいスープにほんのりと酸味がして絶妙なバランス。
最高の一杯部門
今年の最高の一杯部門は5杯。
まず最初は浅草のバー・ドラスのコニャック。
去年の年末に京都の私が大好きなバー、カルバドールの高山さんと偶然、伊丹発羽田行きの飛行機で席が隣り合わせになりました。
東京に寿司を食べに行くのだとか。
都内でいつも飲みに行くバーを教えてくださいよと聞いて紹介してくれたのが浅草のバー ドラス。
オーナーバーテンダーの中森さんは、コニャックにこだわりフランスに買い付けに行ったりしてるらしい。
去年は高山さんと一緒にフランスに行ったりしていた仲なのだとか。
スタートは中森さんがブレンドしたハウスコニャックでフレンチハイボールを。
続いて作り方にこだわったサイドカー。とにかくまろやかなサイドカーでした。
そしてコニャックの飲み比べを5杯いただきました。
グランドシャンパーニュからファンボア地区、ボルドリと土地の違いを味わいながら、最後はレアな葡萄から作られたコニャックで。
コニャックは水との相性が良くないので口をリセットするときには水はオススメしないなどいろいろと勉強になりました。
試しに水を飲んでからコニャックを飲むとエグ味が感じられました。
リセットするには羊羹がいいらしい。楽しく幸せなひと時でした。
そしてその後も何度か訪れて、たくさん素敵な時間を過ごすことができました。
東京で私が一番思い入れのあるバーのひとつになりました。
写真はグランドシャンパーニュのコニャックと羊羹
続いて二杯めは横浜の関内にあるカサブランカのフルーツカクテル。
横浜在住の友人にフルーツカクテルが美味しいバーがあるということで連れてきていただきました。
その時は、愛媛産フレッシュレモンとウォッカとハチミツ。2杯目はパッションフルーツとラムとバジル。締めにシャインマスカットのマティーニをいただきました。
最後にプラス一つの風味が素晴らしいのです。その後、横浜に来たら立ち寄るバーになりました。
写真はパッションフルーツとラムとバジルのカクテル
続いて3杯めは、秋田のル・ヴェールのマンハッタン。
帝国ホテルで20年以上、バーテンダーとして働いていた佐藤謙一さんが独立して開業したル・ヴェールというバーが、かつて銀座にありました。
佐藤さんに、マンハッタンを作らせたら日本一と言われている伝説のバーテンダー。
その佐藤さんが銀座のル・ヴェールを閉めて、2009年に生まれ故郷の秋田に戻り、もう一度、ル・ヴェールをオープンさせました。
2013年の秋田ゴルフ旅の時に、私はそのル・ヴェールを訪れたのですが運悪く、臨時休業。
今年は4年越しのル・ヴェール訪問でした。わくわくしながら訪れると早い時間帯だったので佐藤さんはいらっしゃらずにお弟子さんがカウンターに。ジントニック、ギムレット、そして佐藤さんのマンハッタンではありませんでしたが、お弟子さんの素晴らしいマンハッタンをいただいてその日は、締めました。
しかし、どうしても佐藤さんのマンハッタンが飲みたい。そう思い、翌日は22時以降に再訪。
佐藤さんはカウンターの中にいらっしゃいましたが、カクテルはお弟子さんが担当。佐藤さんはカウンターの端の方でお弟子さんの動作を鋭い目つきでチェック。一生懸命育てられているんだなと。
お弟子さんが作ったカクテルを二杯ほどいただいて、佐藤さんが作ってくれるタイミングをうかがっていると私が座っているカウンターの前にやってきてくれました。このチャンスしかないと思い、佐藤さんに直接、マンハッタンをオーダー。
マンハッタンを作るころをずっと見させていただきましたが、まさに渾身のマンハッタンと言っても過言ではないぐらいこの一杯にかけてらっしゃるのがわかりました。
いただいたマンハッタンはキリっと冷えていて、薄くもなく濃くもないジャストの濃度。
最高に幸せな一杯になりました。
そして4杯目は、大阪のミナミのバー、マスダのブルーブレイザー。
たまたま訪れたバーですが、マスターがブルーブレイザーが得意と聞いてオーダー。ブルーブレイザーはフレアバーテンディングの原点と言われるカクテルで、ここまで完璧なブルーブレーザーの作り手はなかなかいません。
2018年も美味しい出会いがたくさんありますように。
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