旧暦の12月8日は沖縄では「ムーチーの日」と呼ばれていて練った餅米を平たくのばして月桃の葉で包み、蒸したお餅を健康と長寿を祈り食べる習慣があります。
以前に松原屋製菓のムーチーを食べたことありますが、月桃の香りがよく美味しかったです。
今年は1月10日が旧暦の12月8日のムーチーの日で数日前から沖縄のスーパーではムーチーや自宅でムーチーを作る人向けに月桃の葉も販売されていました。
この食物を包む葉を沖縄ではカーサというのでカーサムーチーとも呼ばれています。
ムーチーには紅芋や黒糖やよもぎなど色々と味付けされたムーチーがあります。たまたま立ち寄ったスーパーでムーチーを購入しようと思ったら、プレーンの砂糖味だけが売れ残っていました。それぐらいこの日はムーチーの消費量が増える日です。せっかくなのでプレーンを購入して久しぶりにいただきました。
ムーチーにまつわる場所を二か所お伝えします。まず最初は南城市にある大里城址公園。
公園に続く道の入り口辺りにある貯水タンクにはムーチー発祥の地という文字が。
こちらが大里グスク跡。
大里(うぶざと)グスク跡の前には大里城跡公園体験交流センターという建物があり、その前に周辺の案内版があり、そこにムーチーの伝説について説明が書いてありました。
「大里城跡の出城と言われるギリムイの崖下には、鬼ムーチーの伝説に登場する鬼が住んでいたといいます」と説明が。
大里場跡の前の道路をそのまま山頂に進んでいくと大里パークゴルフ場と公園がありました。パークゴルフ場は海が見える高台に作られていて景観がよかったです。不定期ですがムーチーの日にはこの公園で巨大釜で作るムーチーを作って振舞う「南城市うふざとムーチー祭」が開催されているようです。
続いてムーチー伝説に登場する鬼が住んでいたと言われるギリムイに移動してみました。
ムーチーの伝説を簡単に説明します。
今から800年ほど前に、首里の金城に兄妹が住んでいて、兄は首里から離れた大里に移り住み、そこで人肉を食べて生活をするようになり、人々から鬼と恐れられていました。
妹は真偽を確かめるために首里から大里に向かい、兄が住んでいる洞窟を訪れると兄はおらずに竈で煮込まれている鍋があり、中身を確かめると人肉が煮込まれていました。
噂は本当だと驚き、首里に戻ろうとしたところ、兄が帰宅して鉢合わせになりました。せっかく遠くから来たのだから鍋の肉を食べて帰れと進められましたが、何とか兄から逃げて帰ることができました。
ギリムイの一番奥には洞窟がありました。ここに鬼となった兄が住んでいたのかもしれません。
そしてムーチーの伝説は場所を変えて話は続きます。
兄が鬼となった事実を確認した妹は、兄を退治するために首里の金城の自宅に招待して鉄屑を練りこんだ餅に月桃の葉で包んだ鉄の餅で接待することにしました。
自分は普通の餅を食べ、兄には固い鉄の餅を差し出し、自宅近くの崖の上で一緒に食べているときに妹は、わざと月経中の女性器を兄に向けて見せつけました。
兄は苦労しながら鉄の餅をバリバリと食べながら、「その下の口はなんだ?」と妹に聞くと、苦労せずに餅を食べている妹は「女性には二つの口がある、上は餅を食べる口、下は鬼を食べる口だ」と兄に凄みながら答えたところ、兄は驚いて崖下に転落して亡くなった。という伝説があります。
その金城の場所は首里の金城町石畳道を登った場所にあります。
首里金城町の案内版にもムーチーの説明が。こちらでも「ムーチーまつり」が開催されているようですね。ムーチーの日に訪れてみましたがコロナの影響でしょうか、今年は開催されていませんでした。
鬼が転落死した場所は、首里金城の大アカギで有名な内金城御嶽にありました。大嶽と小嶽があり、こちらがかつて兄と妹が住んでいた場所ともいわれている小嶽。転落死した鬼の角が葬られていると言われています。
この御嶽の後ろに有名な樹齢300年の大アカギがありますが、今は整備中で入ることができませんでした。
そしてこちらが東側にある大嶽。
大嶽の後ろにある大アカギ
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