今回の海南島はヒルトン海口に滞在。6泊して朝食は全てホテルでいただいた。
ヒルトン海口の朝食ブッフェに並ぶ料理を見ていると、
それが単なるホテルの食事ではなく、島そのものを凝縮した小さな食の博物館のように感じた。
6日間でいただいた海南島ならではのメニューを紹介する。
左の写真の右のプレートの麺は海南粉。
右のボウルに入っている汁麺は、海南米粉。「海南鸡汤(海南チキンスープ)」がベースで、優しい塩味の澄んだスープが特徴。
海南黄提灯唐辛子という海南島特産の爽やかでフルーティだが激辛の黄色い唐辛子を少量入れると一気に海南の風味になる。


右は木瓜老鸭汤(Papaya and Duck Soup)
海南島ではお馴染みの滋養スープ。夕食で食べた椰子鶏火鍋と同じくココナッツジュースで鶏を煮込んだ薬膳スープ。
左は五指毛桃煲鸡汤(Five Fingers Peach and Chicken Soup)
五指毛桃は、桑科に属する植物で、葉の形が人間の5本の指に似ていることが名前の由来で「広東人参」とも呼ばれることもある。鶏と一緒に煮込まれたスープは滋味深い味わいだった。
どちらのスープもお玉しか置いてなくて鶏肉はダシとして使用するだけで、主にスープをいただくものなのだと思う。

陵水酸粉は地元名物の小吃(シャオチー、軽食)
陵水酸粉は、米麺で、スパイスと酸味の効いたタレをかけていただく。
和え麺だと思ったのでスープを少ししか、かけなかったが本来はたっぷりとかけるようだ。
右の説明文を訳してみた。
陵水酸粉は、海南省陵水県の名物軽食です。主材料である細麺は、古くから伝わる伝統的な麺で、トッピングには牛肉のジャーキー、ネギ、パクチー、魚 のすり身、小魚の塩辛、イカのほぐし身、その他の魚介類が使わ れています。陵水酸粉の真価は、そのスープにあります。3 時間以上煮込んだニンニク、チリソース、ネギ、酢などの調味料がスープと溶け合い、芳醇な香りを放ちます。この芳醇なスープ をライスヌードルとトッピングに注ぐと、酸味と旨みが絶妙な凌水酸 米麺の出来上がりです。


文昌糟粕醋
文昌の名物「糟粕醋(サオポーツー)」は、米酒を造るときに出る酒粕を発酵させて作るスープ。
そこに海老や貝、魚、豚モツなどを入れて煮込む。酸味と旨味、そして発酵の香りが絶妙に重なり、美味しかった。毎朝いただいた。


红糖鸡屎藤(Brown Sugar Chicken Poop Vine Soup)という海南島の伝統的なデザートスープ。
海南島で食べておきたかったのが鸡屎藤(ジースートン)
日本ではヘクソカズラ(屁糞葛)と呼ばれている漢方植物で、滋養強壮、整腸作用やデトックス効果があると言われている。
すり潰すと鳥の糞のような臭いがするからヘグソカズラと名づけられた。
海南島では鸡屎藤をすり潰してタピオカ澱粉ともち米粉を加えてよくこね、小指ほどの太さの輪切りにし、黒糖と卵白を加えた甘いスープで煮込む。
見た目と名前は気になるが、ぜんざいっぽい食べ物だった。


左がヘグソカズラのデザートスープの红糖鸡屎藤。
右はライチのシロップ漬け。海南島はライチも特産で海南省海口市秀英区の「火山地帯」で栽培されるライチは火山ライチというブランドで有名。このライチが火山ライチかどうかはわからなかったが、かなり大ぶりのライチだった。


甜薯圆
海口の永興鎮の名物「甜薯圆」は、すりおろしたサツマイモにもち粉を混ぜ、小さな団子にしてココナッツミルクで煮込んだ温かいデザート。
もちもちした食感とやさしい甘みの癒しのデザートだった。


咸鸭蛋糯米饭(Salted Duck Egg Sticky Rice)
塩漬けのアヒルの卵の黄身を餅米に詰めて蒸した海南の名物。
塩気ともち米の香ばしさが合わさり、朝食にぴったりだった。


海南辣椒拌水果
果物に唐辛子パウダーをまぶすこの「辣椒拌水果」。
パイナップルやグアバの甘酸っぱさに、唐辛子の刺激が加わる。果物に唐辛子や塩などをまぶして食べるのは東南アジアではよくあるので同じ文化が海南島にもあった。


初日に街でいただいた鷓鴣茶(しゃこちゃ)もあった。


緑色の饅頭は椰丝包
「椰」はココナッツ、「丝」は細い繊維状の意味で、ココナッツの果肉を細かく削り、砂糖やミルクで甘く煮た餡を詰めた蒸しパン。緑色なのはパンダンリーフで色味と風味付けされている。


お皿に乗っている上の緑色のケーキは、班蘭蛋糕といい班蘭(バンランと読みパンダンの事)、蛋糕(ケーキ)でパンダンリーフを使用したケーキ。これにもココナッツミルクが使用されていた。東南アジアでは定番のケーキである。
下は椰子酥条といいサクッとしたパイ生地にココナッツフレークやココナッツシュガーを練りこんで焼き上げたもの。ほんのりと甘く美味しかった。


海南島の朝食はどれも派手さはないが、じんわりと体に染み入るメニューが多かった。
ココナッツや薬草、発酵の香りなど海南島で長い年月をかけて育った食文化を堪能することができた。




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