コザ一番街のアーケードを歩いていると、緑の看板に「クラフトビール醸造所」と書かれた店が現れる。
コザ発のマイクロブルワリーのFill Brewingだ。


木張りの入口と立ち飲みカウンター、奥には銀色のタンク。
ガラス越しに仕込みタンクを眺めながら、自家醸造のクラフトビールをその場で飲めるつくりになっている。

店内の黒板には、その日に飲めるビールがスタイルと度数とIBU付きで記入されていて、手元のメニューには詳しい説明が。更にクラフトビールのことを詳しくなくてもオーナー店主が丁寧にお客さんに説明をしてくれていた。


この日はまず、タップ2番のWHAT A NEW WORLDからスタート。
今年の夏にインドで飲んだニューイングランドスタイルIPAがHazy Pale Aleとも呼ばれていて美味しかった記憶があるので、New World Hazy IPA(新世界のHazy IPA)ということで選んでみた。

濁りのあるレモンイエロー。トロピカルフルーツ系のアロマが立ち上がるが、苦味は穏やかで、一杯目でもするすると入っていくタイプだった。
この後、飲みが続くのでハーフにしたけど、パイントにしてもよかったなと思えるぐらい美味しい。

次は7番のパパパパイナポー
みなとばる農園のゴールドバレルを使用したPineapple Berliner Weisse / パイナップル・ベルリナーヴァイセ
ベルリナーヴァイセというスタイルは私はたぶん飲んだことないと思う。調べてみるとベルリンの白ビールという意味で酸味のあるビールらしい。
ゴールドバレルは沖縄で最高級のパイナップルのブランド。
その高級なパイナップルを贅沢に使用。ベルギービールのランビックぐらい酸味の強い、これぞ沖縄と感じることができる刺激的なビールだった。

3杯目はFika
沖縄最北端の焙煎工房&コーヒースタンド「Fika」の豆を使用したゴールデンスタウト。毎回使用する豆を変えているようで、今回が5回目でペルーの深入りとコスタリカの深入りを使用。
見た目は黄金色なのに、飲むとしっかり焙煎感とコーヒーの香りが広がるゴールデンスタウトで、締めるにはぴったりのビールだった。

ここでいったん店を後にして夕食へ。
食事後も、コザを何軒か飲み歩いてホテルに帰ろうかなと思ったら、目の前にFill Brewingがあることを思い出して、寝酒にPinaをテイクアウトで。
こちらはパイナップルを使ったHazy IPAで、パパパパイナポーよりボディも度数もあり、甘み・苦味・トロピカルな香りのバランスがよく、名前の通りココナッツをイメージさせる香りで夜の最後の一杯にちょうどいい満足感だった。

Fill Brewingは、商店街のアーケード越しに行き交う人を眺めながら、グラス越しにコザの今を味わえる場所。
世界を狙えるぐらいクオリティ高いブルワリーだと思う。



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