元祖プーパッポンカリーの店として知られるSomboon Seafood(ソンブーン)に行ってみた。1969年創業の老舗で、長年にわたり、バンコクを代表するシーフードレストランとして知られている。

ปูผัดผงกะหรี่(プーパッポンカリー)は昔からある定番料理のように思っていたが、いまの多くの人が思い浮かべるスタイルを広めたのはソンブーンらしい。
もともとは蟹をカレー粉で炒めたシンプルな中華系の料理だったものに、卵やナムプリックパオ(赤小玉ねぎ、にんにくなどの香味野菜に干しえびのうまみを加えた辛みそ)を合わせて、まろやかで濃厚な料理として提供し始めた。
中華料理のダイナミックな炒めの技法に、タイ独自のコク深い調味料と、まろやかな卵を融合させる。このアレンジによって、ただの「蟹のカレー炒め」は、口の中でとろけるような「ふわふわのクリームソースの料理」へと生まれ変わった。この黄金のソースがタイ国民に受け入れられて、タイを代表する国民食へと登り詰めた。


蟹の姿のままだと食べるのが大変なので身を取り出して食べやすくしたものをオーダーした。
蟹の旨味を吸った卵がとてもまろやかで、そこにカレーの風味が重なり、辛さは控えめで、旨味とコクで食べさせる料理だった。
確かに美味しいが、この日は2人でシェアしたけど、途中から油が気になってきた。4~5人でシェアするぐらいちょうどよいかもしれない。

もう一つの看板メニューのกุ้งอบวุ้นเส้น(クン・オップ・ウンセン/海老と春雨の蒸し煮)もオーダー。エビの出汁を吸い込んだ春雨が美味しくてプーパッポンカリーより、私はこちらのほうが気に入った。

タイウイスキーのSangSom(サンソム)も飲んでみた。日本では「タイのお酒」としてMekhong(メコン)のほうが名前が知られている印象があるが、実際にタイのレストランでは、サンソムのほうが置いている店が多かった。タイウイスキーと呼ばれているが厳密にはウイスキーではない。

まずメコンは、1941年に誕生したタイ初の国産ブランドスピリッツとして知られている。1930年代に輸入ウイスキーに対抗する形で政府管理下の元、国産酒の開発が進み、1941年に「35度の特別なブレンデッド・スピリッツ」として発売された。
原料面でもメコンは独特で、廃糖蜜(モラセス)ともち米をベースにしたスピリッツに、タイのハーブやスパイスを加えて仕上げている。穀物を糖化して造る一般的なウイスキーとも、サトウキビ由来のラムをそのまま熟成させるタイプとも違い、タイ独自のブレンデッド・スピリッツと言うほうが実態に近い。
一方のサンソムは、1977年に造られたいわゆるスパイスドラムで、モラセスを原料にした原酒をオーク樽で熟成し、その後にハーブやスパイスをブレンドしている。飲んでみるとメープルシロップを思わせる香りがするラムに仕上がっていた。



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