タイ二日目の二軒目に訪れたバーは、Messengerservice Bar
2020年にパッタナカーン通りで開業し、2024年後半に旧市街の現在の場所に移転。ビルの3階にある。

2025年の Asia’s 50 Best Bars では90位にランクインしていて、移転後の新店舗は Best Bar Design Award 2025 も受賞した。
新店舗のコンセプトは “Delivered from the Groceries”。日常の食材をカクテルにするという考え方である。
店内もまた、いかにも高級バーという空気ではなく、食料品店と自宅のバーを組み合わせたような、日常の延長にある空間になっていた。


メニューも果物、野菜、シーフード、調味料、酒といった具合に分類されていて、バーのメニューというより、食料品店の棚を眺めているような構成になっていた。


最初に選んだのは、シーフードのカテゴリからPARSLEY + SQUID
パセリ、イカ墨を使ったメスカル、青唐辛子、ココナッツ、フェタチーズという、かなり変わった組み合わせだった。
味の方向はハーバル、旨味、スモーキー。実際、青いパセリの香りの中に、海っぽさを思わせる旨味があり、そこにメスカルの味わいが重なる。さらに青唐辛子の刺激、ココナッツのやわらかさ、フェタチーズの塩気まで加わって、カクテルというより小さな料理を飲んでいるような感覚だった。

2杯目に飲んだのは、サラダバーのカテゴリから選んだSUSHI ROLL。
寿司をカクテルに?という興味で選んだ。
わさびの蒸留水、生姜、Ketel One、きゅうり、トリュフ、醤油、唐辛子、フィノ・シェリーを使用し、グラスの上には海苔が。
飲んで驚いたのはかっぱ巻きをカクテルに落とし込んでいる。しかも、美味しい。

Bar USもGODも奇を衒ったメニュー構成のバーだったが、Messenger Service Barも同じ方向の店だった。
ただ、決定的に違ったのは、ここには奇を衒った先の美味しさがあったことだ。
意外なことに、Messenger Service BarはBar USの姉妹店(Bar USのほうが後発)らしい。
Bar USで頼んだものがたまたま私の好みではなかっただけかもしれないが、少なくとも今回の印象ではかなり差があった。Messenger Service Barのほうは、奇を衒った食材系のカクテルだけでなく、フルーツ系やトラディショナル寄りのカクテルまできちんと揃っていて、メニュー構成に無理がない。奇を衒ってはいるが、それを支える土台が見える。一方のBar USは、私には少し奇を衒うことが前に出すぎているように感じた。
店の空気も対照的だった。
Bar USは賑やかで混雑していて、良くも悪くも勢いで飲ませるようなところがある。それに対してMessenger Service Barは静かで落ち着いていて、きちんと一杯と向き合える。そういう空気も含めて、こちらのほうがずっと地に足がついている印象を受けた。
ランキングだけを見れば、Bar USのほうが世界15位ではるかに上で、Messenger Service Barは大きく差をつけられている。
ただ、少なくとも私にとっては評価は完全に逆だった。Bar USのほうが世間的な評価は高いのだろうが、実際に飲んでみて圧倒的に良かったのはMessenger Service Barのほうである。



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