去年の9月、高松を訪れた時のこと。街を歩いていると、「珈琲と本と音楽 半空」と書かれた看板が目に入った。
店の名前だけで好奇心が刺激される。どんな雰囲気なんだろう?気になったので、ネットで調べてみると、カフェとバーを足して2で割ったような空間らしい。

この時は行く店が決まっていたので次回、高松を再訪したときには必ず寄ってみようと思っていた店だ。
そして3か月後。


階段を上がり、扉を開け、店に入ると、照明は落ち着いていて、心地よい音楽が流れていた。
棚には本が並び、コーヒーの香りがほのかに漂う。そして、バックバーにはお酒のボトルが。

メニューを開くと、一般的なコーヒーや紅茶のほかに、クラシックなカクテルからコーヒーや紅茶を使ったカクテルなど並んでいた。


この日は、頼むオーダーも順番も下調べをして決めてきていた。
最初に「アールグレイカクテル」を頼んで、一緒に「キューカンバーサンド」を注文し、食べながらカクテルをいただく。次に「アラビアの涙」というコーヒーのカクテルを楽しみ、最後に「ブレンドコーヒー」を飲んで帰ろうと決めていた。
アールグレイのカクテルはアールグレイ・ティフィンという名でダージリンを使用した紅茶リキュールとアールグレイを使用していて爽やかな紅茶カクテルだった。キュウリとバターだけ挟んだキューカンバーサンドにぴったり。


「キューカンバーサンド」がサーブされると、店主は一緒に伊丹十三が書いた著書『女たちよ!』で、伊丹がキューカンバーサンドについて書いているページを開けて読ませてくれた。
書いてあることは実にくだらない(いい意味でくだらないという意味)内容で、まさに普段私が考えているようなことが書かれているのだ。
興味が出てきて他のページも読んでみると、とても面白い。ハマる人にはハマる本だった。
恥ずかしながら今まで彼の本も読んだこともないし、映画すら見たことなかったが急に興味がでてきた。
旅から帰ったらさっそく、この本を購入して読んでみようと思う。


続いてコーヒーカクテルのアラビアの涙をオーダー。自家製コーヒーウォッカとシロップをシェイクしたカクテル。ブラックルシアンのシェイク版である。本棚には面白そうな本が並んでいる。


締めは、半空ブレンドコーヒー。
近くにあれば、通いたくなる居心地のよいカフェ兼バーだった。


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